狂電関人の写真庫

狂電関人本人のこれまでの写真のストックを思うまま徒然に表現。お立ち寄りの際には一言コメントをいただけると幸いです。

秋深まる富山巡りの終り 温もりの在処

2017年11月23日 09時40分14秒 | 私鉄・地方交通 甲信越/北陸

富山巡りの最後に寄った釜ヶ淵駅。



数年前に改修された駅は無人ながら大切に手入れされている。
近所の学校に通う生徒のために駅はちょっとした子ども部屋並みの備品が揃う。



傘も常備され、



本数が少ない電車の待ち時間も退屈しない本も。
これまで見てきた地鉄の駅とは全く違う温かさが駅いっぱいに満ち溢れている。



先細り感が否めない地鉄の中で、
ほっこり温かい将来の光が差し込んで見える釜ヶ淵駅。



100キロ超えの路線を維持していくのは並大抵のことではなかろうが、
鉄道が生き生きと走る町には人間が生活しやすいリズムが在る。

長々と続けてきた富山巡りに山ほどの感動と発見を得て一旦筆をおく。

2017年10月 立山線 釜ヶ淵駅



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秋深まる富山巡りの二四 扇状地の景観

2017年11月22日 19時40分05秒 | 私鉄・地方交通 甲信越/北陸

富山と言えば扇状地と言うほど、日本屈指のその典型地形を見ることができる。
谷口の横江から岩峅寺を過ぎてそのことを思い出して、立山線をオーバークロスする道路に向かう。
ちょうど岩峅寺が常願寺川扇状地の頂上辺りに位置し、緩やかに下る扇大地の先に富山湾がせり上がる。



今でこそ肥沃な大地に人の生活がどっしりと根を下ろすが、
かつてこの地域は立山カルデラ大崩落や天井川による水害と幾度と無く大災害に見舞われた土地で、
それが故に辛抱強く実直で平等な感覚を身に付けた人間性を養ってきた。
治水によるダム建設が電源開発を早くから推進し、多くの産業を富山の土地に興させ日本一の地方鉄道をも生んだのであった。

2017年10月 立山線 沢中山~岩峅寺



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秋深まる富山巡りの二三 要で虎の子

2017年11月20日 18時57分51秒 | 私鉄・地方交通 甲信越/北陸

常願寺川は、わずか56Kmで3000mを流れ下る世界でも屈指の暴れ川である。
その流れが谷から出る出口である横江に設けられたのが巨大な堰堤である横江頭首工。
ゴロゴロと押し流される岩を防ぎつつ、農業用水を取水する治水の要。
その治水事業は古くは佐々成政の治世にすでに行われており、何度も常願寺川の氾濫によって
多くの犠牲者を出したそんな暴れ川を鎮める祈りの野仏が横江の駅前の仏だったのかもしれない。
二日目の地鉄撮影も残りわずかとなり、常願寺の流れが形成した幽谷を下ってくる地鉄の虎の子を出迎えるアングルを
うろうろと探していた矢先に無情の踏切鳴動で立山方に急ぎカメラを向ける。



かなり窮屈なファーストショットの後、
脚立に乗ってセッティング済みの後追いアングルのファインダーを覗く。



短尺の軽快なリズムだけを残し、虎の子ダブルデッカーが走り去る。
深い谷での撮影はそろそろ露出が稼げなくなり、横江を後に拓けた辺りまで下ることとした。

2017年10月 横江~岩峅寺 10030系特急

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秋深まる富山巡りの二二 ヤマの入口の駅

2017年11月19日 12時02分51秒 | 私鉄・地方交通 甲信越/北陸

すっかり地酒蔵巡りの感を呈した2日目の先を急ぐ。
雪国の高速道路の特徴なのか、スマートインターを含め細目に乗り降りができるのは
積雪による生活道路補完の意味もあるのであろう。
県東の朝日から立山に高速でワープ移動し、立山線の白眉たる山登り区間の入口駅横江を目指す。



もともと尖山(とがりやま)と称した駅は、地区の集会場?広場の奥にひっそり佇む。
本来の横江駅は、千垣寄りに位置しておりこの駅が横江を継いだ後上横江を名乗ったが、余りにも集落外れで廃駅となる。
話を新横江駅に戻す。大きな黄葉落葉樹の傘の下にやがて土に帰する様な本屋が風雪に傷んだ体を晒す。
尖山という旧駅名はそのすぐ傍に聳える小峰の名のようで、駅前に鎮座する野仏はヤマ信仰にまつわるものなのか。





当駅もかつては島式二線配置だったが2番線は失われており、



豪雪地域が故の利用者用の駐輪設備が空っぽなのが、待合室の荒廃同様に利用率の低さを物語っている。
常願寺川は、立山の雪と水により長い年月削られた花崗岩を大量に運び、今でも駅裏手の河原には採石場を有するが、
ヤマの入口にある横江駅は、かつての旧横江駅がそうであったように間もなくその機能を終えるのかもと感慨に耽っていたら



特急停車駅ではない駅の発車時刻表を鵜呑みにしていたら、不意を突いてヤマから特急アルペンが下り降りてきた。

2017年10月 立山線横江駅

 

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秋深まる富山巡りの二一 酒蔵巡りの二

2017年11月18日 08時55分56秒 | 鉄道以外

本来予定していた酒蔵は、街道筋に構える歴史400年の林酒造さん。
加賀藩の関所に勤める与力が始めた越後の国境に近い酒蔵は、富山最古の創業にして最年少の杜氏が仕込む酒。



県指定の保存家屋でもある重厚な建屋から生まれる酒は、水が生き生きとし柔らかな中にふんわりたつ米の香。
秋祭りの只中、北國街道にひっそり在る林酒造の呼鈴を鳴らす。
迎えてくれた現当主の柔和な顔立ちと気さくさにこの酒蔵の雰囲気を感じとる。



富山の酒は、どれも日本海の白身魚にピッタリ来る。
黒部の良水が造る美味い酒。

2017年10月

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