台風のおかげ

2024年08月30日 | 短歌
◇ 台風のおかげ ◇
大嵐来て ようやくに
クーラーのいらぬ夜となれり
今年の八月

* 連日の熱帯夜だったが、八月も終わり近くになって、ようやくクーラーのいらない夜を迎えられた。台風の影響で昼間から雨が強くなったり弱くなったりしながら降っていたからである。熱中症の心配をしなくてもいいとは言え、これ以上近づいてきたら別の心配が必要になる。

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心づかい

2024年08月25日 | 短歌
◇ 心づかい ◇
暑き夕 心づかいは
「何度でも聞いてください
ーわたしの名前を」

* 今春の新入社員さんと初めての会話のあと、「あれ、お名前は・・」とまた聞いてしまった。 そのときこの歌のようにつけ加えてくれた。若いひとのこんな心づかいがうれしい。自分もそうしたことを喜ぶ歳になったということでもあるが。

◇ 関連づけ ◇
半世紀前のアイドル
「まーくん」と同じ名前だ
憶えてますよ

その翌朝、まだ憶えてますか?と聞かれたときの返事がこの歌。

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うなぎ

2024年08月20日 | 短歌
◇ うなぎ ◇
暑き夏 のり切るために
身の丈に合ったうなぎを
食いに行かなん

* 予約をしてくれたのは友である。路地裏で老夫婦がやっている小さな店に時季がくると行くのである。友の存在、老夫婦の存在、うなぎの存在がほんわかと自分を幸せな気分にさせてくれる。

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パリ・金の技三景

2024年08月15日 | 短歌
◇ スケートボードの技 (堀米雄斗)◇
本番前 成功せざるも
この手しかないとの技で
意地のスケート

◇ 体操 鉄棒の技(橋本・岡)◇
自らを風車のようにぶん回し
空(くう)に抛(ほお)りて
ぴたりと着地

◇ ブレイキンの技 (湯浅亜実)◇
新顔の競技なりしが
キレキレのブレイキン見れば
金の技光れり

*パリ五輪では、金メダルだけで20個。感動のすべてを今は歌いきれないが、思いつくままにできた三首である。

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突っ張り棒

2024年08月10日 | 短歌
◇ 超心配 ◇
背の高き 本棚五本
無事でいてくれよと祈る
地震(ない)の職場で

◇ 突っ張り棒 ◇
突っ張り棒二本が
りっぱに仕事せり
本棚五本 地震に耐えおり

* 当地に引っ越してきて初めての大きな揺れ、それも仕事中である。自分よりも背の高い、自宅の本棚が大丈夫だったかどうかがまず心配になった。天井とそれぞれの本棚の上部を、頼りなさそうな突っ張り棒2本で支えるだけの地震対策だったからである。本棚が無事だったのは、歌にあるとおり。ちなみに歌の世界では地震をときに〈ない〉と呼ぶ。

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