数学 TOY BOX ~数学から数楽へ~

数学の世界の入り口になれば幸いです。

数学ガール フェルマーの最終定理 コミック1巻 であります。

2012-01-09 22:47:51 | 数楽漫画
今回は漫画、数学ガール フェルマーの最終定理 の1巻を紹介をさせて頂きます。

題名:数学ガール フェルマーの最終定理 1
原作:結城 浩
作画:春日 旬

さぁ謎のフェルマーの最終定理推しも今日が最後です((( まだまだ関連した本は山ほどあるのですが自分の紹介するのはこれくらいで…w
ということで最後はやはり数学ガール! コミック版の1巻ですw

コミックは今のところ「数学ガール」「数学ガール フェルマーの最終定理」「数学ガール ゲーデルの不完全性定理」と3種類コミック化されています。
その中で一番なんていうか…濃いのはこの、フェルマーの最終定理の春日さんの絵ですね!
あんまり数学ガール達の外見を想像していなかった人達は春日さんの描く彼女達の姿が脳内に上書き保存されていくことでしょう(((

僕の真面目な表情、ミルカさんの大人びた雰囲気、テトラちゃんの天真爛漫な振る舞い、ユーリの背伸びした行動…等など絵の武器を最大限に活かしています。
数学のパートも…やっぱり絵があると分かりやすいですねw それが順々に導いてくれるものなら尚更に。
証明という透明に近いものに対話という枠をつけ、そこを鮮やかに彩る…数学→小説→漫画というリレーは読みやすく、分かりやすく受け取りやすいですw
原始ピタゴラス数の証明を不思議の国のアリスの世界観を元にした道になぞって紹介するのは面白かったですw
エィエィも結構目立っちゃう!?(((

小説は読み手のイメージに依存している部分があると思いますが、漫画はそこに1つの明確な形を与えてくれます。
数学ガール達の顔や服装、振る舞い…漫画版を通じて新たな魅力に気付く事でしょうw
相変わらずの買って損無しな一冊ですよ!

続編は来月23日発売予定だそうです。ストーリーもいよいよフェルマーに関わってくることでしょう…お楽しみに!
ゲーデルの不完全性定理は今月の23日に最終巻が発売だそうです。イラストももう出てますので要チェック! 可愛い!(((
また「数学ガール」の英語版「Math Girls」も発売されました! 広がる数学ガールワールド! 実写化まだですかー!?

フェルマーの鸚鵡はしゃべらないであります。

2012-01-08 22:20:14 | 数楽小説
今日は小説、フェルマーの鸚鵡はしゃべらないを紹介させて頂きます。

題名:フェルマーの鸚鵡はしゃべらない
著者:ドゥニ・ゲジ
翻訳:藤野邦夫

この本はフランスの大ベストセラーだそうです。帯より!
数学は国なんて枠組み簡単に越えるんですよね…小説も然り。

主な登場人物は古書店の店主リュシュ、耳の不自由な少年マックス、そして双子の兄、姉と母親の家族です。そしてタイトルにもあるオウム、ノーフュチュールです!
少年マックスが助け出したオウム…時を同じくしてリュシュの元に届いた旧友からの手紙。
そして送られてくる数々の数学書…!
果たして旧友の真意は? 解かれた定理とは一体? これがフランスの数学エンターテイメントミステリ!

ミステリと言っても浜村渚の計算ノートの様な突飛な事件を解決していく…というものではないです。
この一家を中心に、数学史を紹介していく…という形式です。
またオウムを巡って、家族や身の回りに色々なことが起こります…ここらへんがミステリなんですかね?

数学書の様に公式などを一つ一つ説明するのではなく、この作品もやはり「対話」をポイントとしています。
キャラクター同士教えあい、質問することで違う切り口や色々な視点を得ることが出来ます。
例えば「ここはこうでこうだからこうだったんだよ」と教えられたとき、「じゃあそこがそうじゃなかったらどうなの?」等という疑問を持つこともあるでしょう。
そういう思いを掬い上げ 逃すことなく説明し、紹介してくれます。

少し冗長に感じてしまうかもしれませんが、一気に読むのではなく、毎日一話一話、キャラクターと同じ足並みで読むのが最適かと思います。
どちらかと言うと数学史の合間に物語が入ってるって感じですね。
国によって小説の軸というか形も色が変わるものなんですかね?
数学という世界の歴史、それと共に語られる謎、不思議、魅力を是非感じてみて下さいw

[小説] フェルマーの最終定理であります

2012-01-07 00:33:36 | 数楽小説
今日は小説、フェルマーの最終定理を紹介させて頂きます。

題名:[小説]フェルマーの最終定理
著者:日沖桜皮

数学ガールや漫画版フェルマーの最終定理は学生が主人公でしたがこの作品は違います。
この話は27歳の契約社員「カニー」君とキャリアウーマン「香織」さんのやりとりを主軸に進んでいきます。

ふと数学に魅せられてしまった社会人カニー君。勿論あだ名ですけど。
一際有名なフェルマーの最終定理、その歴史、過程に興味を持ち、独自で勉強、研究し始めます。
それに感化されたり話を聞いてくれる高嶺の花的存在、香織さん。
なんとなくリアルな社会人としてのやりとりに数学という異質なものが入ったとき、2人の関係はどう変わるのか?

話はカニー君の現実生活でのやりとりと夢の話とを行ったり来たりします。
夢パートではカニー君はフェルマーの最終定理に関連した人達の所へ時空を越えて会いに行き、話を聞きます。
例えば近代ロシアの夢ではオイラーに、19世紀、フランスの夢ではソフィーに出会います。
他の本ではそれらの人物は紹介で終わっていますが、この小説では1キャラクターとして台詞を交わします。勿論フィクションですがw
それぞれの人物が何を発見し何に悩んだのか? 等身大の、1人の人間として歴史上の人物も捉えられる不思議な話です。まぁ夢ですからねw

数学的は説明も最後に載っていますが、数学者の歴史に重点的にライトを当てています。
式自体よりもこの問題に3世紀半も挑んできた数学者の話の方がよっぽど面白い。なるほど それもその通りと思いますw
フェルマーの最終定理の歴史を歩むと共に大人の(?)ラブストーリーも楽しめる、そんな一冊です。
数学はもうお手上げーという人も、カニー君と一緒に魅力を見出してみて下さい、そこには素晴らしい世界が広がってますよ!

フェルマーの最終定理 萌えて愉しむ数学最大の難問 であります。

2012-01-06 14:01:16 | 数楽漫画
今日は漫画、フェルマーの最終定理を紹介させて頂きます。

題名:フェルマーの最終定理 萌えて愉しむ数学最大の難問
著者:中村 亨
漫画:三嶋くるみ
シナリオ:木戸実験

聞いて驚け見て驚け…フェルマーの最終定理を扱った本は数知れずとも…この発想は無かっただろう…!
ずばり 擬人化 !!!((( 定理の擬人化ですよ!! 概念が分からん っていう(((
謎の発想ここに極められり的な感じです この漫画は! 先生何やってんですかシリーズも真っ青ですよ!(((

この本は漫画パートと解説パートに分けられています。
漫画パートではフェルマーの最終定理の擬人化 フェル子とコスプレイヤーの積野うさぎの2人のかけあいで話が進んでいきます。
他にもガロア群、ヘッケ環にゲーデルの不完全性定理等も意思を持ったキャラクターとして登場! 人型じゃないかもしれないですけど!(((
どういう視界を持ってすればこんな世界観が思いつくのか…いやはやw
n≦2でしか成り立たない…つまり2次元でしか成り立たないはずの式。
それが3次元に存在してしまうと無意識に2次元に向かってしまう…だからコスプレが趣味ですって何だ この説得力わ…(((

解説パートは打って変わってとても大真面目です。
その歴史、関わった数学者達や定理の紹介、解説を書かれています。
その長い歴史や関わった人達の多さにも驚かされます。
人物画も写真じゃなくてイラストなので少し愛らしいかも?w

同じフェルマーの最終定理を扱っているのにこの違いは一体…?!
萌えと数学が漫画という架け橋で繋がった混合作品、それがこの一冊です。
勿論数学に興味なくても漫画で十分楽しめます。思いの他シリアスかも…? そしてオタク度満載w

全く新しい視点で描かれたフェルマーの最終定理! これもアリっちゃアリですよ!
これを読んで衝動を得たなら、詩でも漫画でもダンスでも映像でも、フェルマーの最終定理を表現してみましょう!w
……それでピタゴラスの定理や三角比の擬人化はまだですかね…?(((

フェルマーの最終定理であります。

2012-01-05 22:41:30 | 数楽書
今日は数学書、フェルマーの最終定理を紹介させて頂きます。

題名:フェルマーの最終定理
著者:サイモン・シン
翻訳:青木薫

これぞ数楽書の決定版!ともいうべき素晴らしい本です。
フェルマーの最終定理は3世紀に渡って数学者を悩ませた問題であること。
この問題が問うていること。それが遂に解かれたこと。
この3つはとても有名ですが、その3世紀もの間、数学者は一体どう奮闘したのか?
その道のり、過程を順に追っていくノンフィクションの作品です。

当たり前の話ですが1人の人間が3世紀ずっと考えたわけではありません。
何人もの色々な分野の数学者が挑戦し、そして敗れた…しかしそれだけではありません。
その挑戦の中で表れるアイディアも新たな数学の分野を開拓しました。
フェルマーの最終定理を巡る物語、はその問題そのものを見る視点だけでは収まらない広がりを見せてくれます。
数学者でなくても、もっと言えば数学が好きでなくても、このノンフィクションドラマは興奮と感動を与えてくれます。

挑戦的な書き込みを残した元凶(?)ピエール・ド・フェルマー。
人が呼吸をするがごとく計算をしたレオンハルト・オイラー。
女性に対する差別の中奮闘したソフィー・ジェルマン。
世界一の数論研究者カール・フリードリヒ・ガウス。
不完全性定理を発表したクルト・ゲーデル。
モジュラーの世界と楕円の世界を繋ごうとした谷山豊、志村五郎。
フェルマーの最終定理と谷山=志村予想を関連付けたゲルハルト・フライ。
そして子供の頃から最終定理に魅せられたアンドリュー・ワイルズ。
勿論これだけでは収まらず、もっと多くの数学者も関わっていますし、より掘り下げられてます。

数学は時を越え、場所を越え…そして繋がり、広がっていく。
この本は数学の深淵、数学者の思考をとても分かりやすく面白く伝えてくれます。
書いたのが数学者ではないということもあってか、難しい数学の公式なんてものは出て来ません。
しかし多くの解説や例えや数学者の言葉を用いて、その困難な道をナビゲートしてくれます。
やっていることは分からなくても、そこにある熱意や挫折、信念は伝わる事でしょう。

こんなに面白くドラマティックなノンフィクションが数学の世界であった!
これは是非読んで頂きたい一冊です。
映画化してもおかしくないと思うんですけどどうですかね(((