数学 TOY BOX ~数学から数楽へ~

数学の世界の入り口になれば幸いです。

お任せ! 数学屋さん であります。

2013-08-07 23:41:29 | 数楽小説
今日は小説、お任せ! 数学屋さんの紹介をさせて頂きます。

題名:お任せ! 数学屋さん
著者:向井 湘吾

まず最初に浮かぶ疑問…「数学屋」とは一体…!?
専門家の人を指す言葉か…いや、それなら「数学者」がありますしね…数学屋…一体何を売るんだ…問題か…?!
そしてお任せって…数学に何を任せろって言うんだ…!? なんてのが第一印象。気になりすぎて即購入(((

数学が得意な転校生・神之内宙<ジンノウチ ソラ>と数学が苦手な体育会系・天野遥<アマノ ハルカ>。
宙の夢は「数学で世界を救うこと」。彼は数学の力を使って悩みや問題を解決させる「数学屋」を始める。
遥も手伝い始め、二人は数学の力で生徒の相談に答えていく…。
果たして数学で世界は救えるのか…!?

今まで色んな数学の漫画・小説といった作品を紹介してきましたが…また新しい切り口の物語です。
なんていうか真っ向勝負! 日々のちょっとしたトラブルをただただ数学をもってして解決していくお話。
どうしたら節約してお金が貯まるか? グラウンドを2等分するには? クラブの部員に練習をサボらせないようにするには?
「数学を使って華麗に解決しました。」他の小説ならきっとこの一文で終わってしまうくだりを、全て丁寧に計算・証明してくれます。これは納得せざるを得ない…!

数学なんて役に立たない。そんなことを言っちゃう中高生にぜひぜひ読んで欲しいなぁと思います。
数学が貴方の人生で役に立たないのは、貴方が数学を役に立たせていないからです。
役に立たせたいと思うのなら、役に立たせてください。その、役に立たせ方の一例がこれです。
数学は道具、万能ツール。扱い方は、貴方次第なのです。

余談ですが帯に目次があったのですが…恋愛不等式、という文字を見たとき、嫌な予感がしました。
「恋愛」と「数式」が混ざったものを思い出すのは…ハートのグラフとか128√e980とかそういう洒落っぽいのが多かったので…。
しかし実際読んでみると…いや、愚直な程ド直球数学ですね…。
読み終わった後はお見事!という感想。数学的に、綺麗にまとまった一冊でした! とても暖かい、青春数学小説の名にふさわしい作品でした!

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