数学 TOY BOX ~数学から数楽へ~

数学の世界の入り口になれば幸いです。

数学は言葉であります。

2012-01-22 22:17:59 | 数楽書
今日は数学書、数学は言葉を紹介させて頂きます。

題名:数学は言葉
著者:新井紀子
監修:上野健爾

数学は難しい…そう思う理由の1つに、「何言ってんのか分かんない」ってのがあると思います。
一個一個の用語も分からない、何を聞かれているのかも分からない、何を示せば良いのか分からない…等々。
何が分からないのかも分からなくなると、数学は途端に手に負えなくなります。
「俺は文系だから」なんて言って見向きもしない…なんてこともありますよね。そんな枠組み必要ないのに…。
というわけで、1言語として数学を学んでいこう! というのがこの本のコンセプトです! 新しい!(((

国語を習うなら日本語を学ぶでしょう。英語を学ぶなら単語や文法を学ぶでしょう。
じゃあ数学なら? 数語?…とまでは言いませんが、数学用語を学ぶ必要は少なからずあります。
一つ一つの言葉の意味…つまり「定義」ですね! これを正しく把握する。これが重要です!
例えば「~となる3以下の自然数を答えよ」と言われても、以下と自然数の意味が分かっていないと誤答してしまいますよね。
証明も、流れを理解し、所謂「数作文」が出来ないと駄目なわけです。
そんなの習ってない…? 安心して下さい。この本がその数学言語、数作文の教科書なのですよ!

数学だって、問題を創る人、考える人、話す人、聴く人と沢山の人が関わっているわけです。
言語とは人と人を繋げる意思疎通のツールの1つ。つまり数学は言葉! なるほど納得!
数学という学問を今までと全く違う切り口で見ていく一冊。
既存の教育課程が合わなかった人には新たな刺激になるかもしれませんよw

math storiesは他にも色々な本を出しています。
数学の新しい角度からの視点、新しい印象、新しい一面を見てみて下さい!

THE PARADOXであります。

2012-01-17 23:20:01 | 数楽書
今日は以前紹介した数学番組、コマ大数学科の公認副読本を紹介させて頂きます。

題名:THE PARADOX
監修:ビートたけし、竹内薫、中村亨

コマ大数学科公認本第二弾ですね。
タイトルの通り色々なパラドックスの紹介がメインです。

ゼノンのパラドックスやラッセルのパラドックスといった有名であり概念が面白いもの。
囚人のジレンマやモンティ・ホールのジレンマ等の数学的に説明のつくもの。
誕生日のパラドックスや合格率といった、予想とかけ離れた結果をもつもの…。
一口にパラドックスといっても色々なものがあります。意味も沢山ありますしね。それらを一まとめにした一冊です。

監修の3人の対談やコマ大数学科の番組の中で行った問題の解説も載っています。
相変わらず対談は面白いですw やりとりはコマ大のDVDの中にもあるんでしたっけね…そちらも要チェックですw
番組の問題は、やはり三者三様の解き方を紹介しています。どれも一長一短アリで一つ一つ感心しますよw

個人的にはもっと番組の問題か対談をガッツリと取り上げて欲しかったかな…とも。
しかし次から次へと色んな種類のパラドックスが知れてなんだか頭がおかしく感じられるかもしれませんよw
コマ大数学科メンバーのイラストつきで、有名なパラドックスも現代風に変えられていたりと随分分かりやすい内容になっています。
めくるめくパラドックスの世界へいってみませんか?w

超面白くて眠れなくなる数学であります。

2012-01-16 22:16:10 | 数楽書
今日は数学書、超面白くて眠れなくなる数学を紹介させて頂きます。

題名:超面白くて眠れなくなる数学
著者:桜井進

以前紹介した「面白くて眠れなくなる数学」がパワーアップして帰ってきました! なんてったって超がついてますからね!(((
前回に比べ、また色々興味をそそる内容になっておりますw

とても知りたい、ギャンプルの必勝法や+等の記号の由来、分数の割り算はひっくり返してかける理由。
問題が面白い、正方形分割や魔方陣、電卓マジック。
とても美しい美人角や素数、友愛数といった数達…。

夜に見るとこれは確かに眠れなくなってしまうかも…?!
貴方の知らない数学の魅力にどっぷりハマって貰いたいですね…w
個人的には数学ギャラリーが面白かったですw

サイエンスナビゲーターである桜井さんは他にも様々な本を出しております…。
是非手にとって見てみて下さい、とても興味深い世界に案内してくれますよ…w

フェルマーの最終定理であります。

2012-01-05 22:41:30 | 数楽書
今日は数学書、フェルマーの最終定理を紹介させて頂きます。

題名:フェルマーの最終定理
著者:サイモン・シン
翻訳:青木薫

これぞ数楽書の決定版!ともいうべき素晴らしい本です。
フェルマーの最終定理は3世紀に渡って数学者を悩ませた問題であること。
この問題が問うていること。それが遂に解かれたこと。
この3つはとても有名ですが、その3世紀もの間、数学者は一体どう奮闘したのか?
その道のり、過程を順に追っていくノンフィクションの作品です。

当たり前の話ですが1人の人間が3世紀ずっと考えたわけではありません。
何人もの色々な分野の数学者が挑戦し、そして敗れた…しかしそれだけではありません。
その挑戦の中で表れるアイディアも新たな数学の分野を開拓しました。
フェルマーの最終定理を巡る物語、はその問題そのものを見る視点だけでは収まらない広がりを見せてくれます。
数学者でなくても、もっと言えば数学が好きでなくても、このノンフィクションドラマは興奮と感動を与えてくれます。

挑戦的な書き込みを残した元凶(?)ピエール・ド・フェルマー。
人が呼吸をするがごとく計算をしたレオンハルト・オイラー。
女性に対する差別の中奮闘したソフィー・ジェルマン。
世界一の数論研究者カール・フリードリヒ・ガウス。
不完全性定理を発表したクルト・ゲーデル。
モジュラーの世界と楕円の世界を繋ごうとした谷山豊、志村五郎。
フェルマーの最終定理と谷山=志村予想を関連付けたゲルハルト・フライ。
そして子供の頃から最終定理に魅せられたアンドリュー・ワイルズ。
勿論これだけでは収まらず、もっと多くの数学者も関わっていますし、より掘り下げられてます。

数学は時を越え、場所を越え…そして繋がり、広がっていく。
この本は数学の深淵、数学者の思考をとても分かりやすく面白く伝えてくれます。
書いたのが数学者ではないということもあってか、難しい数学の公式なんてものは出て来ません。
しかし多くの解説や例えや数学者の言葉を用いて、その困難な道をナビゲートしてくれます。
やっていることは分からなくても、そこにある熱意や挫折、信念は伝わる事でしょう。

こんなに面白くドラマティックなノンフィクションが数学の世界であった!
これは是非読んで頂きたい一冊です。
映画化してもおかしくないと思うんですけどどうですかね(((

コマ大数学科特別集中講座であります。

2011-10-20 17:00:50 | 数楽書
今日は以前紹介した数学番組、コマ大数学科の解説書を紹介させて頂きます。

題名:コマ大数学科特別集中講座
著者:ビートたけし、竹内薫

この本の構成としましては、基本的にビートたけしさんと竹内先生の対談がメインです。
後は話の中に出てくる数学用語の説明と、番組で取り上げた問題のピックアップと解説、現役東大生のコラムなどです。
何故数学をメインにした番組が生まれたのか? その経緯も紹介されています。

恥ずかしながら自分は番組を知ったのはこの本がきっかけでした。
こんな番組あったんだ…見たかった…えっ まだやってるの!? てな感じでそこから視聴者にw
元々平成教育委員会やクイズ番組は好きだったんですけど、数学に特化してる番組なんてNHKで数回やるかやらないかだと思っていたので…。
番組の面白さ、以前も紹介しました三者三様のやりとりも載っており、番組の面白さをそのまま再現しております。

対談が本の大半を占めるのですが、これが面白い。
ビートたけしさんの頭もやはり常人と違う様な思考回路ですし、竹内先生は理系の考え方で、これまた一般的とは言い難い…ん 何か失礼な物言いになってしまった気もしますけども…。
とにかく、そんな2人の会話・考え方はとても独特です。
数学は身近にある…とこのブログでも再三言ってると思いますが、いや どこに? と思われる人も沢山いるでしょう。
しかし、この2人の目線を通してみるとなるほど身の回りは数学だらけ、いや数学的に考えられる事ばかり、ということを体感出来ると思います。

自分とは違う目線での数学の存在、その表現の生の声を介してまた数学の魅力を知れる…。
非常に興味深い一冊です。是非w