数学 TOY BOX ~数学から数楽へ~

数学の世界の入り口になれば幸いです。

浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ であります。

2012-07-29 23:08:27 | 数楽小説
今日は小説、浜村渚の計算ノートシリーズの4冊目の3と1/2さつめを紹介させて頂きます……んん? あってる?

題名:浜村渚の計算ノート 3と1/2さつめ ふえるま島の最終定理
著者:青柳碧人

浜村渚の計算ノートも4冊目…と思いきやタイトルには3と1/2さつめ。
なぜここにきて帯分数なのか!? …読んでみて、拘りに感銘。青柳さん…拘れるだけ拘りますねぇ! 凄いです!w
番外編というか…シリーズ初の長編。数学への愛を堪能していきましょう!

義務教育から無くなっても数学が大好き、数学少女「浜村渚」。ちょっと数学が面白いかも?と思い始めた刑事「武藤龍之介」。
舞台は数学好きが集まるホテル「ホテル・ド・フェルマー」。そこで起こっていた密室殺人事件…そして遺産に絡む「なぞなぞ」。
この台詞を何回言ったか分かりませんけども…相も変わらずブッ飛んでます!!
ホテルの従業員の名前も名だたる数学者…所構わず顔を出す数学ネタ…そしてこのホテルに隠された秘密とは…?!

改めまして宣言しますが、この本を読んだ所で、フェルマーの最終定理を理解出来るなんてことはありえません!!(((
しかし、その経緯、証明の概要のテクニック、派生した数学の世界、関わった数学者の話等、浅く広く教えてくれます。
この本は一歩目です。数学の超難問!という敬遠されがちなものが、怖くないんだよ、面白いんだよ、と優しく教えてくれます。
そして興味をもって、もっと掘り下げてみたいと思ったなら…そこから、本当の意味でフェルマーの最終定理を向き合えるのでしょう。

トリックに作者の遊び心、そして数学への愛…読み応えも満足度も一級品です!
とくに最後の「余白」の言い回しには…一本とられました! 全くw
数学好きなら最後までニヤニヤしながら読めることでしょう! 夏の読書に是非どうぞ!

文庫版はこれにて4冊目…。もとの3冊に比べ値段もお手ごろでオマケも多いし、文庫版のがいいのかな…?
何故か3冊目はタイトルが「水色コンパスと恋する幾何学」と変わっていますが…何故でしょう…?
各章の前にはキャラクターのイラスト、そして一冊毎に色んな人の解説が載っています。竹内さんとか。これも楽しみw
「ふえるま島」には「浜村渚の計算ノート 0さつめ 夏休みのトモ」も挟まってました。これこのまま漫画化出来るでしょ! そのまま!!
また、以前のさくらんぼノートに続いてピンクのシャーペンも314名にプレゼントだそうです! 〆切りは9月末! お早めに!
メディアミックスはまだですかあああ!!!

数学の幸せ物語(後編) であります。

2012-07-13 22:19:46 | 数楽小説
今日は小説、数学の幸せ物語(後編)を紹介させて頂きます。

題名:数学の幸せ物語(後編)
著者:清 史弘

数学の幸せ物語…その後編です。
後編はキャラクター達はそのままに、季節は進みいよいよ受験シーズン真っ盛りな時期です。
しかしこの期に及んで幸せなままの人もいます。いよいよ危機感も持って行きましょうね ホント!

数学は「何を問われているか」がとても重要です。
また、それと同じだけ「仮定は何か」も見落とせません。
問題に対する心構え、全体像の把握、持つべき視点…レベルは高いかもしれませんが必要なこと。
この物語は数学を通じて得られる何か、数学でしか得られない何かの姿を垣間見せてくれることでしょう。

小説としての話も、謎の女子高生の正体は?! 証先生に起こる悲劇とは…!? その時幸一は…!?? となかなか読み応えアリですw
ただちょっとキャラクターが多いかも…漫画で見たいです先生!(((
主要キャラは限られているのでそこまで問題ないですけどねw
自分の高校時代を思い出して「あぁ、こんな奴いたなぁ」と思い返すのも一興ですw

清先生の数学教育研究所 公式サイトでは幸せ物語2011が連載されています!
キャラ達も一新された上漫画も載ってるんですよ 素晴らしい!w
こちらも要チェックですよw サイトは…リンク貼った方がいいのかな…?
…まぁ ググッたらすぐ出ますよw

ところで「幸せな人」じゃなくなるということは「不幸せな人」になる…ということなのかな…?
鋭すぎる、神経質過ぎることは確かにかえって不幸になってしまうのかも…しれませんね(((
数学に限っていうとそんなことはないですけどね!! ここが重要です!(((

数学の幸せ物語(前編) であります。

2012-07-08 17:00:53 | 数楽小説
今日は小説、数学の幸せ物語(前編)を紹介させて頂きます。

題名:数学の幸せ物語(前編)
著者:清 史弘

題名を読んで「またなんか数学をしたら幸せになれるよとかそういう系か」と思ってしまうと大間違いです!
この話の「幸せな人」の定義は、出来たと思っても全然出来ていなく、でも本人は自覚していない。
また、勉強が捗っていると思っているけど実は全然進んでいない。その状態を指します。
つまり残念な感じの、「ああ…幸せな人だな…」というニュアンスなのです! 怖ッ!(((

主人公は上記の意味での幸せな人、福山幸一君。
他に双子の福川姉妹、数学が得意な積君、ナルシストの今成君筆頭に個性豊かなクラスメイト。
そしてそれをまとめ上げる証先生、校長先生。
誰が幸せな人なのか? 幸せな人にならないためにはどうすれば良いのか? 考え方の姿勢の根本を学ばせてもらいましょうw

これはどちらかというと教師側、教える側の立場に立った視点がメインです。
扱う数学の問題も高校生レベルで、ある程度出来てさらにそこから一歩進んだ内容になっています。
出来れば先生か、受験モードになろうとしてる高校生に読んでもらいたい一冊ですね。
例題を解いてみて、自分は幸せな人なのかどうかを判断してみましょう。

この小説の効用はやはり「人の振り見て我が振り直せ」でしょう。
幸せな人達のやりとりを見て、自分もこんな考えしてる! あっ幸せな人の考えに共感しちゃう! となったら要注意です。
幸せな人を第三者視点で見ると、自分でも気付かなかった姿勢に気付かせてくれるでしょう。

何話分かを映像化したDVDも出ているそうです…見てみたいなぁ…。
興味持つのが遅すぎるのやら…アンテナは張っておかないとね…!(