数学 TOY BOX ~数学から数楽へ~

数学の世界の入り口になれば幸いです。

フェルマーの鸚鵡はしゃべらないであります。

2012-01-08 22:20:14 | 数楽小説
今日は小説、フェルマーの鸚鵡はしゃべらないを紹介させて頂きます。

題名:フェルマーの鸚鵡はしゃべらない
著者:ドゥニ・ゲジ
翻訳:藤野邦夫

この本はフランスの大ベストセラーだそうです。帯より!
数学は国なんて枠組み簡単に越えるんですよね…小説も然り。

主な登場人物は古書店の店主リュシュ、耳の不自由な少年マックス、そして双子の兄、姉と母親の家族です。そしてタイトルにもあるオウム、ノーフュチュールです!
少年マックスが助け出したオウム…時を同じくしてリュシュの元に届いた旧友からの手紙。
そして送られてくる数々の数学書…!
果たして旧友の真意は? 解かれた定理とは一体? これがフランスの数学エンターテイメントミステリ!

ミステリと言っても浜村渚の計算ノートの様な突飛な事件を解決していく…というものではないです。
この一家を中心に、数学史を紹介していく…という形式です。
またオウムを巡って、家族や身の回りに色々なことが起こります…ここらへんがミステリなんですかね?

数学書の様に公式などを一つ一つ説明するのではなく、この作品もやはり「対話」をポイントとしています。
キャラクター同士教えあい、質問することで違う切り口や色々な視点を得ることが出来ます。
例えば「ここはこうでこうだからこうだったんだよ」と教えられたとき、「じゃあそこがそうじゃなかったらどうなの?」等という疑問を持つこともあるでしょう。
そういう思いを掬い上げ 逃すことなく説明し、紹介してくれます。

少し冗長に感じてしまうかもしれませんが、一気に読むのではなく、毎日一話一話、キャラクターと同じ足並みで読むのが最適かと思います。
どちらかと言うと数学史の合間に物語が入ってるって感じですね。
国によって小説の軸というか形も色が変わるものなんですかね?
数学という世界の歴史、それと共に語られる謎、不思議、魅力を是非感じてみて下さいw