数学 TOY BOX ~数学から数楽へ~

数学の世界の入り口になれば幸いです。

算法少女であります。

2011-09-06 23:23:41 | 数楽小説
今回は小説、算法少女を紹介させて頂きます。

題名:算法少女
著者:遠藤寛子

これは江戸時代に実際に作られた「算法少女」という和算書を元に書かれた小説です。

町娘である あき が今で言う算数、数学に当たる算法を学びながら成長していく、そんな話です。
話の中には少し数学の問題も出てきますが、あくまで出てくる程度でその解説などは詳しくは載っていません。
この小説を読んで知れることは、日本には優れた数学の文化があった、ということです。

算法といいますのは日本独自の数学…と思っていただいて間違いないと思います。
江戸時代の算法には…今でいうxやyなどの文字も勿論ありませんでしたし、虚数や微分の考えもありませんでした。
しかしだからといって今我々が行っている数学に比べ劣っているかというと全然そんなことはなく、世界的に見ても水準が高いものだった…そうです。自分も聞いただけですが(

主人公の あき は13歳で身分も低い町娘ですが、算法はとても得意でした。
身分の高い人達に対してもその真価を発揮していきます。
だれがなんといおうと、正しい答えは正しい。
これは小説の中の あき の一言ですが、正にその通りだと思いました。

この時代の背景や人々の暮らしも書き表されており、その様な文化の中に数学が根強くあった、という事実は…なんていうかとても誇らしく、頭が上がらない、と感じました。
数学は時間も場所も年齢も性別も身分も問いません。
そんな当たり前のことをこの小説は教えてくれます。
正しさを積み重ねていけば誰であっても同じ景色が見られる、その事実をです。

階級制度であったり性別であったりといったハンデをものともせず、本を出すにまで至った逞しいこの少女の話、是非一度は目を通して頂きたいです。
自分もまだ読んだことはありませんが、機会さえあれば算法少女そのものも読んでみたいものです。
アニメーション映画にもなった…のかな? 漫画も連載されている様です!
また、和算書「算法少女」を読む といった本もありますのでこちらも是非w

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『オバケ算法』 ([オバケ])
2019-12-14 04:42:57
 ≪…正しさを積み重ねていけば誰であっても同じ景色が見られる…≫ような、『オバケ算法』の[オバケ]をミイケ~  

 何やら、「絵本のまち 有田川」が、ミイケ~ 
ちいさな駅美術館 Ponte del Sogno (JR 藤並駅) に 
令和二年一月七日~令和二年一月二十四日
の間だけの[オバケ]との[御対面]が[可能]… 
返信する
自然数 (絵本のまち有田川)
2020-01-15 02:08:25
 自然数は、
 [絵本]「もろはのつるぎ」で・・・
返信する

コメントを投稿