「絵所を栗焼く人に尋ねけり」(漱石)
俳句を始めてから、「自然」が以前よりも身近に感じられるようになった。
先日、お昼ご飯を食べているとき、栗の話が出た。
秋といえば、栗やさつまいもが美味しい季節だ。
友人は器用な女性だ。
八百屋さんで栗を買い、自分で栗をむいて自宅で栗ご飯を作る。
私は栗を剥くのが面倒なので、栗ご飯は買って来る(笑)
夏目漱石のロンドン留学時代の俳句に、栗を詠んだものがある。
「絵所を栗焼く人に尋ねけり」
絵所は美術館などのこと。明治34年2月1日の真冬。
Dulwich Picture Gallery の場所を聞くのに、焼き栗屋で栗を買いもとめた。
そのおじさんにギャラリーへの行き方を聞いたらしい。
英会話恐怖症?になりかかった漱石の日常が垣間見られる。
「もう英国は嫌になり候」と虚子に宛ててはがきを書いたのもこの頃だ。
わかる わかる~
一人旅でロンドンを旅した時、地図を持ってはいてもよく迷子になった。
道行く人に、片言の英語を話しかけるのさえ嫌になった覚えがある(笑)
右を向いても外国人、左を向いても外国の人。
現地の人から見れば、こちらが外国人なのではあるが・・・
日本では秋の季語の栗。
漱石のこの俳句を知った時、彼がすごーく身近に感じられた。