エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

東狩場山 (1319m)

2023年05月18日 | 山紀行 (道南)
未踏1000m超峰シリーズ・・・
今は遠い山、狩場山の奥座敷・・東狩場山(1319m)
■ 山 行 日     2023年5月17日(水)  日帰り (前車中泊 1泊2日)
■ ル ー ト     千走川~南斜面直登ルート 往復
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №12
■ 登 山 形 態      山スキー&アイゼン
■ 地 形 図     1/25000地形図  「狩場山」
■ 三角点・点名    三等三角点  点名「東狩場 ヒガシカリバ」
■ コースタイム    登り 5時間25分   下り 2時間55分
<登り>
06:20       573標高点(登山口) 出発
06:35       沢分岐点 (右へ)
07:07~15    C680スキー装着
08:10~40    C820 SB渡渉しスキーデポ アイゼン装着
10:30       C1250付近 藪突入
11:45       東狩場山頂上・・(1290付近登行断念)

<下り>
11:50       下山開始
13:20~35    C820 スキーデポ地点 アイゼン外す
14:10       C650付近 スキー装着地点通過
14:35       林道出合
14:45       573標高点 到着



GPSを元に地形図に移行したルートです・・・

★ 迷った末に決めた選択肢・・・
YAMAPの活動日記に注視しながら、登れそうな未踏峰を探す日々が続く。
しかし、天候の影響と残雪状態でも選択肢が大きく変わるこの時期なので、的を絞るのに迷わされ
る。予定している夫婦登山は、5/15~17までの3日間。その日が近づき決める時が来た・・。

山は「東狩場山」と決める。
YAMAP日記では、5/13の狩場山の報告がありその残雪状態から16、17ならOKと判断した。
しかし、出発予定の15日は未明からずっと雨、移動日なので☂でも構わないが、翌日の天候もスッ
キリしない。そして、17日に晴れマークが出て気温も高いと予報が出た。ならば16日に出発し、17
日アタックに変更することにした。


★ 誕生日の車中泊は、道の駅「よってけ島牧」・・・
5/16 (火) 66歳になりました!
自宅を 9:45 出発。
一般道のみで支笏湖・壮瞥町を経由し、約4時間のドライブで島牧村に到着。
すでにお昼を過ぎていたので先ずは腹ごしらえ・・喫茶・レストラン「かりんぱ」に入店。
しょうゆラーメンとナポリタンを頂く。どちらも美味しくいただきお腹を満たす。

その後、登山口の偵察へ・・・
そして、お風呂は「モッタ温泉」千走川温泉と宮内温泉は休業日だったので、約12㎞先の温泉へ
戻ってから食材とお酒を調達も道の駅から約4㎞戻ったセコマが唯一のお店。
なんだかんだと道の駅には17時頃に着き、ようやくの安着とささやかなバースディーパーティー
を外に設置されたイスとテーブルで始める。天気は快晴で風も無く暖かかった・・。

たまたま道の駅にある自販機に立ち寄った地元の農家さんが軽トラで来た。ご挨拶すると話しか
けて来て、「ここで泊まるんです」と応えると採りたてのアスパラを5本もくれた。早々に茹でて
頂いたがとても美味しくて感動ものだった。

18時を過ぎて車に戻り2次会とファイターズ戦をPCで観戦。
9回を待たずにチーヤンはおやすみモード、試合は延長戦となり私も半分寝ながら音だけ聞く。
そして、試合終了の声は延長12回までいっていて 2 : 4 で西武に負けた・・22時を過ぎていた。



チーヤンが注文した「ナポリタン」


私が注文した「醤油ラーメン」飾らないシンプルな昔風ラーメンで美味しかった


「モッタ温泉」500円 内風呂1つと露天風呂 熱めのお湯で温まる・・


道の駅でのバースディーパーティー。手前にあるのはケーキでビールで乾杯!


地元の農家さんが分けてくれたアスパラを茹でて頂きました。

★ 強風で車が揺れる・・・
夜中に強風で車が揺れて何度も目を覚ます・・。
4時起床も風は相変わらず強く、不安が過るが天気だけは良さそうな兆しを感じていた。

洗面と用を済ませて登山口へと向かう。道の駅から約18㎞の移動。
昨日偵察した場所に車を停め、コーヒーと朝食を食べて出発準備に掛かる。太陽が顔を出し、風
は大分弱くなってホッとする。


★ シートラで出発・・・
久しぶりのシートラ。どこまで雪が繋がっているか分からないが、雪解けが進む林道を歩き沢の
分岐点を目指す。僅か15分で沢の分岐に到着。一見ここが分岐点とは思えないが進む方向に辛う
じて残雪が繋がっていてツボ足でも歩けそうだった。



いよいよ出発です。573標高点よりスタート


千走川支流沢の右岸側にある残雪を辿る。辛うじて繋がってはいるが、灌木も多くスキーが引っ掛かる時もあった


帰りのスキーが楽しめるような状況では無くなっていたが、シートラからスキーを履いて歩く事に・・

★ ルート判断が難しかった・・・
右岸の残雪を歩きながら、正面右側に望む「東狩場山」に注視する。
頂上稜線には全く雪は無く、当初考えていた狩場山から派生する東尾根を利用する事は困難だろ
うと諦める。ならば頂上南斜面を直登し、残雪が切れたところから藪を漕いで行くしかないと唯
一の選択肢だった。そのルートをどう取るか。右手下の支流沢はすでに口が開いて勢い良く流れ
二股付近も渡渉が出来ない状態だった。SBを確認出来たのはずっと上流でC 820 付近、それも
かなり怪しいSBで恐る恐る渡った・・。

渡ったところでスキーをデポし、アイゼンを付けて登る事にした・・。しかし、予想以上に斜度
があり、ルート上には地形図では分からない小沢が顔を出し春の訪れを知らせるエゾノリュウキ
ンカが太陽の陽を浴びて眩しかった。ゴツゴツした岩場の上をアイゼンで歩き、流れる沢を渡渉
して再び残雪帯に乗る。一歩一歩高度を上げながら標高点1061のすぐ下当たりの小尾根に来て、
一旦足が止まった・・。



C750付近 支流沢の上流二股付近でようやくSBを確認する・・


危なかしいSBを慎重に渡って対岸に行く・・・


C820付近 雪で埋まった支流沢の上流で撮る。この奥が狩場山を目指すルートだが・・・

★ ジジババでは無理かもと登行中止の相談・・・
記録のメモを失念してしまったが、足が止まったのはC1000付近の小尾根。
ここから目指すルートが一望出来るが、眼下50mに支流沢右股の源頭部が見え、そこから見上げ
る急斜度に愕然とする。 50m下ってから崖のように見える 300m以上の登らなくてはならないの
だ。

時間はまだ10時前だったと思う。しかし、果たしてあの急斜面を登れるのか?
66歳を迎えたジジは、すっかり怖気づいてしまった・・・。「止めるならここで・・」と言いつ
つ、「次の東狩場山はいつ?」「まだ時間は早いよ・・」と夫婦の相談となる。



C900付近に流れていた小沢に咲く「エゾノリュウキンカ」

★ 登る事に・・・
結局、登る事に・・・。「取り敢えずあの残雪があるてっぺんまで」
遠くから見た残雪の状況と近くで見る繋がりは難しかった。頂上の方向はGPSで分かるが、そ
の直下に雪があるとは限らない。とにかく一歩一歩慎重に登り、最上部の残雪地点まで来る事が
出来た。標高も1250付近まで来ていて、頂上までは70m程だった。

しかし、想像を絶するネマガリダケと背丈を越える強烈なハイマツのジャングルだった。それに
アイゼンを付けたままで枝に引っ掛かるとなかなか抜けず、一歩登るにも汗が噴き出る。得てし
てこういう場所では、小まめにピンテを付けないと下りの迷いに繋がるので、忘れる事は出来な
い。背後からもチーヤンの悲鳴が聞こえる・・・。



なんだかんだと登って来てしまった・・・。

★ ここが私たちの東狩場山だ!・・・
後から知った事だが、GPS地形図には無かった頂上直下の崖マークが国土地理院の地形図に載
っていた。今思うとそんな直下の急斜面を登っていたから苦労したんだと変に納得する始末。
しかし、時すでに遅しである。

C1280 で疲労困憊。あと39mだったが、もうこれ以上登る体力も気力も時間も失せてしまった。
YAMAPルールの100m以内なら登頂と認めるに甘んじて「ここを私たちの東狩場山」として登行を
止める事にした。正式な登頂では無いが、充分頑張ったと自分たちに言い聞かせる。



5/17 東狩場山 初登頂です・・・です。


頂上から登って来たルートを見下ろす・・・


あの急斜面を下り、なんとか安全地点まで降りて来てホッとする。


C900付近に流れる小沢を渡る・・


東狩場山を背にシートラでの帰路となる


久しぶりのハード山行でしたが、雪シーズンの〆には満足している夫婦です。

★ 悔しいけどカウントします・・・
「頂上を踏んでいないならダメでしょ」と言われるかも知れません。
私自身も本来ならもう一度アタックして、納得のいく登頂はしたいと思っている。

しかし、今はカウントさせて欲しいと願う。いつかまた再訪の機会に恵まれればその時は確実な
カウントで締めたいと思う。

今シーズン、シリーズ2座目の1000m超峰。これで未踏峰はあと95座となった・・・。


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