エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

秋のプチ遠征・・狩場山 (1520m)~前山 (1260m)

2022年10月13日 | 山紀行 (道南)
秋のプチ遠征・・狩場山(1520m)前山(1260m)
■ 山 行 日       2022年10月12日 (水)   日帰り
■ コ ー ス       千走新道コース~茂津多コース  往復
■ メ ン バ ー        夫婦登山 №20
■ 登 山 形 態        登山道
■ 地 形 図       1/25000地形図   「狩場山」
■ 三角点・点名      狩場山 一等三角点  点名「狩場岳 カリバダケ」
              前山  三等三角点  点名「乙骨内 オコツナイ」

■ コースタイム      登り  4時間10分    下り  3時間25分
<登り>
08:25         登山口駐車場出発
08:40         1合目
08:52         2合目
09:05         3合目
09:18         4合目 (休み台)
09:32         5合目
09:51         6合目 (真駒内コース分岐)
10:16~20      8合目
10:40         9合目
10:48         南狩場山 (1464m)
11:10~25      狩場山 (1520m)頂上  約4km

12:35         前山 (1260m)  狩場山から約2.4km 計6.4km

<下り>
12:50         下山開始
14:13~20      狩場山
14:37         南狩場山
14:52         8合目 (分岐)
15:24         5合目
15:35         4合目
15:45         3合目
15:50         2合目
16:15         登山口 (駐車場)



狩場山 (1520m)  エバ4回目、チーヤン初登頂・・・

★ 未踏1000m超峰シリーズ・・・
今年も10月を迎え、すっかり秋から冬の足音が聞こえる季節になったが、わがエバ夫婦の未踏峰
シリーズは相変わらずのスローペースで2両 (夫婦) 編成のローカル列車のように各駅に停まる。
そして、時々故障もするし、雨や雪が降ると運休する列車だからあまり頼りにはならない。(笑

昨年の運行実績 (未踏峰シリーズ)は、6座 (ピシカチナイ山、海別岳、チロロ西峰、北見富士、ピ
ラトコミ山、ユニ石狩岳)で終わってしまったが、今年はすでに8座 (利別岳、熊ヶ岳、石狩岳、小
泉岳、緑岳、残月峰、狩場山、前山) とまずまずである。10月の天候次第だが、もう1座くらい
加えられたら順調な運行で終わったと評価してあげたい・・・。


★ 道南の1000m超峰は30座・・・
道南の1000m超峰は、全30座をカウントしている。山名については拙ブログのカテゴリーに
ある「道南の1000m超峰」を参照して欲しいが、今回登った「南狩場山」はカウントしていな
い。その理由は、地形図には山名も三角点も無く、1464の標高点を通称名として呼ばれているだけ
で尚且つ、狩場山登山道途中の通過点であり、教本としている文献にも南狩場山はカウントされて
いないのが理由である。ただ、同じようなケースで大千軒岳周辺の中千軒岳も地形図には山名も標
高点も表記は無いし、前千軒岳を目指す場合途中のルート上にある山であるのにカウントされてい
るという例外的扱いもあるのは、明確な理由を失するところだ。

以前、HYMLの創立者の一人であるグチパパこと故・坂口一弘氏の1000m超峰には中千軒岳
がカウントされていなかったので、理由を尋ねた事がある。「通過点に過ぎないから・・」という
呆気ない回答だった。こうした山は、他にも幾つかあるが、その山を入れるか入れないかは個々そ
れぞれと言う事に尽きるかも知れない。

南狩場山を含め、点名を山名として呼んでいる山をすべてカウントしている愛好者も居るし、北海
道100名山のように選ぶ人の選択肢で100座から118座になったり、いつしか123座にと
数は変わるもので正解は無いに等しい。


★ 始発前の回送列車・・・
最初は「茂津多コース」を選び自宅は、午後から出発。
島牧村の道の駅で前泊し、狩場山を往復して下山後はどこかでもう一泊する予定だった。
しかし、刈払いされたと言う茂津多コースは片道約10kmのロングコースでアップダウンもあり
登りのコースタイムは5時間30分と知る。下りも4時間10分で往復だと10時間越えは下らな
い。陽の長い夏の登行なら可能だが、陽の短い10月ともなれば65歳のジジには辛いものがある。

次の案は、未踏「前山」は諦めて、狩場山の往復である。
そして、前泊せず当日早朝の出発。「千走新道コース」から登り、天候と体力とコースタイム次第
では「前山」まで登行を進め往復する計画に変更した。そして、下山後は、千走川温泉で汗を流し
黒松内道の駅で安着の車中泊、翌日ゆっくりニセコの「神仙沼巡り」をして帰宅する事にした。

つまり始発駅は登山口。発車は8時と決めて現地までは回送列車でノンストップだ。

自宅は4:10出発、登山口には8:10に着き、丁度4時間だった・・・。



千走新道コース登山口駐車場・・・


駐車場から登山口までは50mほど・・・


登山口のすぐ先にある通行止めの橋から千走川左股沢を撮る・・・

★ 好条件揃って、未踏2座踏破に・・・
先に結果を言うと、すべてが計画通りで天候と体力と整備された登山道のお陰で未踏2座の踏破が
出来たと感謝している。早朝の出発に変えて少し辛いものはあったが、早く寝た事で充分な睡眠時
間も確保出来たし、4時間という長いアプローチも快適なドライブで疲れなかったのも良かった。
そして、狩場山までの距離が約4kmで2時間20分とあったガイド本にも助けられ、気持ちを楽
に登れた事が、次の前山に行くキッカケとなったのも間違いない。更に狩場山から前山までの距離
は約2kmちょっとで往復でも3時間掛からないと分かったのも強い味方だった。これに加えて、
徐々に良くなる天候と整備された茂津多コースがほぼ時間通りに歩けた大きな要因でもあり、大変
な作業をされた関係各団体・個人には感謝しかない。

そんな好条件が幾つも重なって出来た、2座の登頂には自分たちの感激もひとしおで、次に繋がる
山行だったと振り返る・・。


★ 20年振り、記憶薄れた新道コース・・・
過去3度の登頂している私だが、新道から登ったのは2002年10月で丁度20年前になる。
しかし、登山口までのアプローチも登山道の記憶もほとんど薄れ思い出せない。ただあの時の復路
は今は無き旧道で未踏・東狩場山に意識もせず直下を通過していた事を後悔している。

そんな中で今度は、夫婦で始めて登る。
麓の千走川温泉から実に17kmも走って来て着いた登山口。標高はすでに700mもあった。
駐車帯には数台可能なスペースがあり道路はずっと舗装である。一台の車が停まっていて、後から
もう一台仙台ナンバーの車がやって来た。狩場山に登るために来たと言う男性だったが、先に出発
した私たちに追いつく事なく、最後まで会わず仕舞いだった。

1合目から9合目までしっかりした標識が付けられ良い目安だったし、登り一辺倒も比較的歩き易
い登山道で疲れは感じなかった。ただ、5合目に来るまで太いネマガリダケの回廊といった感じで
視界の利かない登山路を登る事に少し飽きるかも知れない。しかし、ここからハイ松が混じり始め
笹も細く短くなり、視界も見え始めると時々足を止めて振り返るのも楽しかった。

8合目まで登ると尾根上となり視界は広がる。眼下に東狩場も望み、前方には南狩場山の岩峰が見
え始めた。親沼、子沼を過ぎると間もなく頂上で、呆気ない登頂が意外だった。



スタートして僅か15分で1合目の標識に出合う・・・


1合目のすぐ上で見付けた、殻も中身も真っ黒な「ブドウマイマイ」というカタツムリ


5合目 (標高1100m付近) 9:32 太いネマガリダケの回廊からハイ松が混じり始めた


8合目 (標高1340m付近) で真駒内コースとの分岐に出合う


8合目付近から振り返ると真駒内コースの登山道らしき跡と眼下に日本海も望む


尾根上の1420m標識 (9合目付近)


カウントはしていないが、標識 (南狩場山) があるので自撮りしました・・・


C1470付近から北東斜面に望む、未踏「東狩場山 (1319m) 」


頂上直下にある「親沼」にて・・・


親池の少し先に「子沼」があった・・・

★ 計画通りに意外な狩場山・・・
狩場山11:10着
ここまで2時間45分を要してしまったが、休憩を含めたコースタイムなので良しとした。
イメージしていた登頂劇とは少し違ったが、先に赤い鳥居が目に入り、頂上と分かった。

先ずは、チーヤンの初登頂を祝し握手する。そして、一等三角点と茂津多コースの入口を確認した。
鳥居は、せたな町に所在する「事比羅神社」の大物主神の祭神から付けられたものと想定するが、
道南最高峰の大きな山として崇めた鳥居なのだろうと思った。そのすぐ横には、本来?の頂上標識
と小さな広場があり、一応写真に収めた・・。

頂上からの展望は、北の眼下を小田西川をグルリと囲むように尾根が伸び右にフモンナイ岳、左に
オコツナイ岳、そして広がる日本海を望む絶景だった。登って来た東側からは東狩場山は見えず、
その先の「大平山」が実に格好良かった。

ここがゴールでは無いので、先に進む事に躊躇しなかった二人である・・。



「狩場山 (1520m) 」頂上・・・エバ4度目、チーヤンは初登頂!


「事比羅神社」の鳥居・・せたな町に所在する事比羅神社は「大物主神 おおものぬしのかみ)の祭神


一等三角点 点名「狩場岳 カリバダケ」正に道南の最高峰だけに絶景である


頂上から北北東に望む懐かしい「フモンナイ岳 (1338m) 」・・( 09.4.25に夫婦で初登頂 )

★ 念願の前山へ・・・
15分の滞在で出発。
入口には「茂津多コース10km」の標識があって、きれいに刈り払いされた道とすぐ分かった。
登山道は、岩峰群の痩せ尾根というイメージでどんどん高度を落としていく感じだ。最低コルは
C1250位だから約270mも下る。復路の登り返しは考えない事にした・・。

降り始めると前山を含むオコツナイ岳までの全容が目に飛び込み、その向こうに日本海が広がる。
正に絶景で、整備された登山道の跡がクッキリとルートを導いていた。ハイマツと笹を掴む場面
も多々あるが、これだけ広く刈払いされていれば恐怖感は無く順調過ぎる歩きが出来たと言って
も過言では無い。

コース上のアップダウンもそれほどキツイものではなく、ルート後半は緩斜度の登りでなだらか
となるので苦では無かった。


前山 12:35。
ガイド本通り、1時間10分で着いた。
「念願の未踏峰ついに・・・」といった感じで、頑張った夫婦を褒めてあげたい気持ちだ。
計画段階で、一度は諦めた山だったから、来れた事に感謝である。



いよいよ茂津多コースから前山に挑戦!


狩場山頂上付近から前山までの全容を望む。前山の北尾根上にはチーヤンが未踏の「オコツナイ岳」がある


前山までのルートがハッキリと望める・・・


「オコツナイ岳」は、00.3.19に初登頂も山中でトラブルがあり前山は未踏だった・・


刈払いされた茂津多コースを前山に向かって慎重に辿るチーヤン


標高1300付近のコルにて・・登り返しが待っている


標高1289m付近から狩場山を振り返る・・・格好良いですね!


狩場山を背に登りとなる登山路へ


振り返るとフモンナイ岳も背にして歩いている・・・


緩斜度となりゴールは近い、正面には前山とオコツナイ岳が間近に見えた・・

★ 単なる分岐コブの前山だが・・・
この山に関しては、南狩場山とは違い、三角点も山名の表記もありカウントに値する山である。
しかし、山容は尾根の途中にある分岐点のコブというイメージで、狩場山から来た場合の登頂感は
余り無かった。それでも私たちのようにこの山を目指して登る愛好家もいるとすれば、単に通過点
だからカウントしないと一概には言えない。

22年前の3月にも、オコツナイ岳~前山までの2座を目標に登った。あの時は、途中でハプニン
グがあり、オコツナイ岳のみの登頂で下山していたので前山が残ってしまった。まだ冬山の経験が
浅い頃で、装備担当の私の失敗が途中下山の要因だっただけにこの前山には、特別な思いがあって
忘れられなかった・・・。

次チーヤンとオコツナイ岳に臨む時、前山から登るのかオコツナイ岳のみを目指すかは未定だが、
残雪期の挑戦となれば、また昔を思い出すかも知れない・・。



ついに登頂しました!念願の「前山 (1260.5m) 」です。三等三角点で点名は「乙骨内 オコツナイ」


尾根上の分岐点で山頂感は無いですが、なにより嬉しい標識です!

★ 全てに満足の下山だった・・・
念願の前山も15分の滞在で下山する。
低いダケカンバの中に登山道があり、頂上標識は枝にぶら下げられていたがチェーンが壊れていた
ので、チーヤンが補修して戻した。

天気が増々よくなって復路も順調だった。往路より歩き易かった印象もある。
ルート上から見上げる「狩場山」の雄姿はホント格好良った。何度も見上げては感動していたが、
夫婦で登頂済みのフモンナイ岳も形を変えて見るここからの眺望も飽きる事は無かった。あの形を
望むなら前山にも来なければならない。そういう事なのである。

復路の狩場山は通過しただけ。
もう気持ちは大満足で、後は無事下山する事しか考えていなかったかも・・。この調子なら明るい
内に着けそうだ。と余裕も出て来た。

登りで見過ごしていた「7合目標識」も見付けたし、次は「東狩場山だな!」と心に決めて足取り
は軽い。



下山後、至福の入浴「千走川温泉」ラドン♨ 500円 (露天、シャンプー、ボディーソープあり)







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