ようやく未踏1000m超峰へ (336座目/442座 あと106座)
通称も道南の一座に・・利別岳(としべつだけ)(1021m)
■ 山 行 日 2022年3月29日(火) 日帰り
■ ル ー ト 鉱山川コース~長万部岳北尾根848~利別岳北東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №07
■ 登 山 形 態 スノーシュー&アイゼン
■ 地 形 図 1/25000地形図 「大平山」「二股温泉」
■ 三角点・点名 三等三角点 点名「利別 トシベツ」
■ コースタイム 登り 6時間00分 下り 4時間45分
<登り>
05:30 P駐車地出発(大峯温泉跡地)
06:40~45 うすゆき山荘跡地出合(冬山コース40番標識)
08:30 長万部岳北尾根848ピーク
08:55~09:05 後志利別川渡渉(SB)
10:10 利別岳北東尾根C800付近(強風)
10:30~40 スノーシューデポ 、アイゼン装着(北尾根810付近)
11:30 利別岳(1021.5m)頂上 (強風)
<下り>
11:45 下山開始
12:10~25 スノーシューデポ地
13:20~35 後志利別川渡渉 休憩
14:35 長万部岳北尾根848ピーク
15:20~30 うすゆき山荘跡地
16:30 P駐車地
★ ようやく始動?・・・
3月下旬になってようやく晴れ予報と休日の一日に恵まれる。
兼ねてから温めていた3月4月計画の中から「利別岳」を選択して前日に出発した。
当初の計画ルートは、カニカン岳の登山口を通る後志利別川の支流ペタヌ川沿いのペタヌ川
林道を歩き利別岳南東尾根に取付く事だった。しかし、こちらは林道の残雪状況によっては
10㎞前後の林道歩きのアルバイトがあるので、尾根取付きでテント泊をする重装備で臨ま
なければなない。
一方、最近別ルートで利別岳に登った記録を発見し、日帰りだった事を知ると舵取りは大き
く変わった次第だ。スキーでは無くスノーシューにしたのもアップダウンがある事や暖気で
雪質が大きく変わった場合などを考えるとスノーシューとアイゼンの方が軽快に歩けるかも
と判断したからだ。ただルート自体は以前山友が一泊で登っている記録を目にしていたので
承知していたが、長万部岳の北尾根を乗越して後志利別川を渡渉し、利別岳の北東尾根に向
かって東斜面を登るという「ハード」な印象が強く、計画から遠退いていた。
しかし、いつかは踏破しなければ・・の山なので、快晴予報の良き日にようやく実行に至っ
たと言うところだろうか。
取り敢えず今日の宿泊は、長万部岳の登山口へ向かう最終除雪地とし計画を詰めていった。
前日、わが家の前庭に咲いた福寿草で春を感じていた・・・
★ 長距離ドライブ、広尾以来・・・
3月4月に計画した山の資料が手付かずに残ったままだったが、ようやくその中からひとつ
息を吹いた。ただ、利別岳には申し訳ないが、いま行きたかったのは「広尾岳~ピロロ岳」
だったのに、色々あって今シーズンは「お流れになりそう」である・・。長距離ドライブも
偵察で出掛けた2月3日の広尾町以来だから随分と空いたものだ・・・。
そして、今回はシーズン (冬期・積雪期) 初となる車中泊。何故か緊張しながらの準備で晴れ
るとは言え不安も抱えながらの挑戦となりそうだ。
二股ラジウム温泉で初入浴・・・
★ 案ずるより産むが易し・・・
自宅を10時過ぎに出発。天候はくもりで風も強かった。支笏湖近辺では湿った雪も降る天
候だったが走り慣れたいつもの道南ルートで不安は少しずつ解消していった。
途中の壮瞥町の道の駅でランチを取りその後長万部に入る。ランチタイムを除くと3時間ほ
どのドライブで着いてしまった。先ずは夕食の食材を買い出しし、国道5号線から登山口と
なる道道842号線に入る。最終除雪は、事前の情報通り旧大峯温泉跡地までで駐車場所を
確認してから二股ラジウム温泉まで戻った。日帰り入浴1100円、シャンプー・石鹸無し
混浴あり、ぬるめ・・だったが、体はポカポカ温まった・・。ただ再来は無いかな?という
個人の感想である。
再び最終除雪地に駐車して「安着の儀」となる。先客無しの貸切でのんびり準備をしながら
先ずはビールで前祝。シーズン最初の車中泊とは言え、慣れた手際の良さは変わらなった。
ここまで来て、心配や不安も消えて「案ずるより産むが易し」の心境で19時前には就寝体
制となった・・・。
最終除雪地・・車の後ろ付近にかつて「大峯温泉」があった場所らしい。
3/29 出発の時を迎えた・・・
★ 予報通りの雲一つ無い快晴・・・
3時30分起床。風も無く満天の星空だった。
5時30分出発。
気温は氷点下まで下がっていると思う。雪面はカリカリでツボ足でも埋まらないと見てスノ
ーシューはザックに括り付けた。
ルート上の林道にはスノーモービル痕と案内標識もあるので迷う事は無かったが、途中沢を
渡渉する場面で橋の確認が出来なかったところもあるので、夏の登山口も今日と同じ場所か
も知れないと思った。カリカリの雪面も次第に自分の体重には耐えかねてズボッズボ埋まる
ようになり早々スノーシューを履く事にするとまた快適な歩きとなる。
スタートから長万部岳を望み長い林道を歩き出す・・・
19年前は、うすゆき山荘まで車で行けて山荘に泊まってから長万部岳に登ったが、その時の
記憶は薄く写真は未だに見つからないままだ。そして、今は旧大峯温泉跡地が事実上の登山口
となりうすゆき山荘跡地まで約3㎞のアルバイトが付加される。標識には徒歩90分とあった
が、雪道でも70分でうすゆき山荘跡地に着いた。
そこから冬山コースと書かれた標識があり番号が示されていた。出発点がうすゆき山荘跡地の
ようで40番と書かれ登るにつれて番号が若くなるようだ・・。しかし、冬山コースと言われ
ても全体的に雪山であり道路がある訳ではないので実際のルートは地形図とコンパスで方向を
見極め辿るしかない気がする。そうして登っていると所々で冬山コースの標識が近くに見えた
りするので、ちょっと安心したりする。
うすゆき荘跡を過ぎて標高430m付近にて・・左に長万部岳を見ながら登る
冬山コース26の標識には鐘がある。ストックを使ってなんとか鳴らせた (標高約600m付近)
標高750m付近、次第に長万部岳が大きくなって来た・・・
標高790m付近を登るチーヤン
標高800m、北尾根が近くなり長万部岳を背に一枚・・・
同場所から望む「長万部岳」見た目以上に斜度を感じる頂上への登り・・・
北尾根848ポコから目指す「利別岳」を望む・・・どっしりと鎮座した格好の良い山容だった・・
★ 北尾根848ポコまで3時間・・・
決して早くはないと自覚しているが、これでも精一杯登っての結果である。
計画では、利別岳まで4時間半から5時間あれば・・と考えていたが、甘かったかと不安が
過る。848ポコから西に派生する細い尾根を下るが、実際後志利別川までどのくらいで下
れるのか?そして、利別岳への登り斜面にどれだけ掛かるのかと考えただけで到底計画通り
の時間では届かないと覚悟を決めた。
後志利別川の渡渉では、必ずSBがあると自信があり難なく通過する事が出来た。念のため
渡渉点にピンテを付けて次なるルートを判断する。どこでも登れそうな斜面だが、小さな沢
形がところどころにありそうなので、取り付いてからしばらくは沢形を避けて直登気味に高
度を稼ぐことにした。斜度は多少あるが標高700mくらいまで登ると沢形は源頭となり斜
面に同化する。その辺りから進路を利別岳北東尾根のコルを目指す事にして少しずつトラバ
ース気味に登って行く。
848ポコから後志利別川に向かって細い西尾根を下る・・・
下りは快適だが、帰路の登り返しは考えたくない・・・
利別岳の東斜面780m付近から長万部岳を振り返る・・・
東斜面810m付近から利別岳と北東尾根を望む
★ 近そうで着かない北東尾根・・・
SBからの標高差約200m登るのに約1時間を要した。すでに登行4時間半を越えてよう
やく北東尾根である。チーヤンの脳裏には「登れないかも・・」とあったようだが、まだ口
には出さず我慢していたようだ。「まぁまだ10時過ぎだし、お昼くらいまで着けばいいん
じゃない?」と私を励ます?
ここまで来たら引き返す訳には行かない。
尾根上は強風が吹き荒れて所々で「雪煙」が舞っている。しかし、障害はこの風だけで天気
は良く、耐えられる強風も寒くは無かったのが幸いだった。コル付近から望むピークは、頂
上ではなく肩だった。本ピークはそこから約300m先で痩せ尾根が想像出来る地形図読み
である。
肩手前の斜面の一部が雪崩れておりアイゼンの歯を利かせて慎重に通過した。そこからは想
像より厳しさが無く急斜度もアイゼン効果は抜群だった。
北東尾根コル付近から望む頂上肩へのルート
840m付近・・・アイゼンに換えてアタック体制で臨む
950m頂上肩に到着し、振り返る景色を満喫、羊蹄山も遠望する・・・風は強し。
頂上肩から頂上まであと300mだ!
奥が頂上・・・もう少しだ!
★ 死闘6時間に耐えて・・・
想定外の6時間だった。アイゼンに換えたC810付近では、足が攣りそうだったので特効薬
を飲んだら痛みが止まって安堵した。それにしても妻チーヤンは軽快なものだ。最後は頂上前
で私を待つ余裕、一緒に初ピークを踏む。
なんと言う絶景、何という眺望だろう!三等三角点の山なのに360度のパノラマだった。
風が強過ぎたので長居は出来ないと「頂上コーラ」とモグモグタイムは帰路の途中に切り替え
て先ずは写真だけ撮る事を優先した。三脚を低くセットしてしゃがんで撮る事にしたが、バッ
クの長万部岳を体で遮ってしまい失敗する。眺望写真も正確な山座同定は後回しにして取り敢
えず写真を撮る。
15分の滞在で下山体制だ。
シーズン最初の未踏1000m超峰への挑戦がこれほど苦労するとは思わなかった。それでも
これだけの眺望と天候に恵まれた事には感謝しかない。そして、陽が長くなって午前中の登頂
下山になったので、仮に下りでも5時間以上掛かったとしてもまだ明るい時間である事が、気
持ちに余裕をもたらした。
とうとう来ました! 2022.3.29 「利別岳」初登頂・・・快晴・強風
長万部岳を背にしているが、遮ってしまった・・・
<頂上から眺望・・・>
狩場山山魂・・・
中央は843m三等三角点「南平(みなみひら)」と左奥に狩場山魂を望む
尾根続きの大平山(1191m)・・・
手前右「長万部岳(972m)」と奥に「羊蹄山(1898)」や「アンヌプリ(1308m)」なども眺望
メップ岳(1147m)とカスべ岳(1049m)方面・・・
★ 必至の下山・・・
歩いて来たトレースがずっと残っていた事に助けられた。特に近道も考えず来た通りに帰る。
それが遠くてもそれでいい。トレース通り辿ればとにかく帰れる訳で何も考えなくて済む事で
体力も温存出来る気がしていた。アイゼンから再びスノーシューに換えた時点でほぼ危険地帯
を通過し、あとは下って登ってまた下って終わり。
SBでお預けしていた山頂コーラとモグモグタイムを取り、最後の登り返しに気合を入れ直す。
とにかくゆっくり休みながら登る事に心がけ、一歩登れば一歩近づく事を信じて必死に登り返
した。
体力の限界を感じつつも約1時間登り詰めると848ポコに戻って来た。
もう登りは無いぞとつい奇声を上げてしまい、大きく深呼吸して安堵する。
辛い足もあとは下りだと自分に言い聞かせ頑張った・・・。
下りの写真は、SBで最後。その後撮る余裕は無かったかも知れない。
16時30分、無事下山となりました。
頂上東斜面が雪崩れた尾根を下る・・・
後志利別川、ところどころ口も開いているがまだまだSBだらけ・・・
これから登り返す西尾根と長万部岳を見上げる・・・
下りで撮った後志利別川SBの渡渉・・・これが最後の写真でした
通称も道南の一座に・・利別岳(としべつだけ)(1021m)
■ 山 行 日 2022年3月29日(火) 日帰り
■ ル ー ト 鉱山川コース~長万部岳北尾根848~利別岳北東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №07
■ 登 山 形 態 スノーシュー&アイゼン
■ 地 形 図 1/25000地形図 「大平山」「二股温泉」
■ 三角点・点名 三等三角点 点名「利別 トシベツ」
■ コースタイム 登り 6時間00分 下り 4時間45分
<登り>
05:30 P駐車地出発(大峯温泉跡地)
06:40~45 うすゆき山荘跡地出合(冬山コース40番標識)
08:30 長万部岳北尾根848ピーク
08:55~09:05 後志利別川渡渉(SB)
10:10 利別岳北東尾根C800付近(強風)
10:30~40 スノーシューデポ 、アイゼン装着(北尾根810付近)
11:30 利別岳(1021.5m)頂上 (強風)
<下り>
11:45 下山開始
12:10~25 スノーシューデポ地
13:20~35 後志利別川渡渉 休憩
14:35 長万部岳北尾根848ピーク
15:20~30 うすゆき山荘跡地
16:30 P駐車地
★ ようやく始動?・・・
3月下旬になってようやく晴れ予報と休日の一日に恵まれる。
兼ねてから温めていた3月4月計画の中から「利別岳」を選択して前日に出発した。
当初の計画ルートは、カニカン岳の登山口を通る後志利別川の支流ペタヌ川沿いのペタヌ川
林道を歩き利別岳南東尾根に取付く事だった。しかし、こちらは林道の残雪状況によっては
10㎞前後の林道歩きのアルバイトがあるので、尾根取付きでテント泊をする重装備で臨ま
なければなない。
一方、最近別ルートで利別岳に登った記録を発見し、日帰りだった事を知ると舵取りは大き
く変わった次第だ。スキーでは無くスノーシューにしたのもアップダウンがある事や暖気で
雪質が大きく変わった場合などを考えるとスノーシューとアイゼンの方が軽快に歩けるかも
と判断したからだ。ただルート自体は以前山友が一泊で登っている記録を目にしていたので
承知していたが、長万部岳の北尾根を乗越して後志利別川を渡渉し、利別岳の北東尾根に向
かって東斜面を登るという「ハード」な印象が強く、計画から遠退いていた。
しかし、いつかは踏破しなければ・・の山なので、快晴予報の良き日にようやく実行に至っ
たと言うところだろうか。
取り敢えず今日の宿泊は、長万部岳の登山口へ向かう最終除雪地とし計画を詰めていった。
前日、わが家の前庭に咲いた福寿草で春を感じていた・・・
★ 長距離ドライブ、広尾以来・・・
3月4月に計画した山の資料が手付かずに残ったままだったが、ようやくその中からひとつ
息を吹いた。ただ、利別岳には申し訳ないが、いま行きたかったのは「広尾岳~ピロロ岳」
だったのに、色々あって今シーズンは「お流れになりそう」である・・。長距離ドライブも
偵察で出掛けた2月3日の広尾町以来だから随分と空いたものだ・・・。
そして、今回はシーズン (冬期・積雪期) 初となる車中泊。何故か緊張しながらの準備で晴れ
るとは言え不安も抱えながらの挑戦となりそうだ。
二股ラジウム温泉で初入浴・・・
★ 案ずるより産むが易し・・・
自宅を10時過ぎに出発。天候はくもりで風も強かった。支笏湖近辺では湿った雪も降る天
候だったが走り慣れたいつもの道南ルートで不安は少しずつ解消していった。
途中の壮瞥町の道の駅でランチを取りその後長万部に入る。ランチタイムを除くと3時間ほ
どのドライブで着いてしまった。先ずは夕食の食材を買い出しし、国道5号線から登山口と
なる道道842号線に入る。最終除雪は、事前の情報通り旧大峯温泉跡地までで駐車場所を
確認してから二股ラジウム温泉まで戻った。日帰り入浴1100円、シャンプー・石鹸無し
混浴あり、ぬるめ・・だったが、体はポカポカ温まった・・。ただ再来は無いかな?という
個人の感想である。
再び最終除雪地に駐車して「安着の儀」となる。先客無しの貸切でのんびり準備をしながら
先ずはビールで前祝。シーズン最初の車中泊とは言え、慣れた手際の良さは変わらなった。
ここまで来て、心配や不安も消えて「案ずるより産むが易し」の心境で19時前には就寝体
制となった・・・。
最終除雪地・・車の後ろ付近にかつて「大峯温泉」があった場所らしい。
3/29 出発の時を迎えた・・・
★ 予報通りの雲一つ無い快晴・・・
3時30分起床。風も無く満天の星空だった。
5時30分出発。
気温は氷点下まで下がっていると思う。雪面はカリカリでツボ足でも埋まらないと見てスノ
ーシューはザックに括り付けた。
ルート上の林道にはスノーモービル痕と案内標識もあるので迷う事は無かったが、途中沢を
渡渉する場面で橋の確認が出来なかったところもあるので、夏の登山口も今日と同じ場所か
も知れないと思った。カリカリの雪面も次第に自分の体重には耐えかねてズボッズボ埋まる
ようになり早々スノーシューを履く事にするとまた快適な歩きとなる。
スタートから長万部岳を望み長い林道を歩き出す・・・
19年前は、うすゆき山荘まで車で行けて山荘に泊まってから長万部岳に登ったが、その時の
記憶は薄く写真は未だに見つからないままだ。そして、今は旧大峯温泉跡地が事実上の登山口
となりうすゆき山荘跡地まで約3㎞のアルバイトが付加される。標識には徒歩90分とあった
が、雪道でも70分でうすゆき山荘跡地に着いた。
そこから冬山コースと書かれた標識があり番号が示されていた。出発点がうすゆき山荘跡地の
ようで40番と書かれ登るにつれて番号が若くなるようだ・・。しかし、冬山コースと言われ
ても全体的に雪山であり道路がある訳ではないので実際のルートは地形図とコンパスで方向を
見極め辿るしかない気がする。そうして登っていると所々で冬山コースの標識が近くに見えた
りするので、ちょっと安心したりする。
うすゆき荘跡を過ぎて標高430m付近にて・・左に長万部岳を見ながら登る
冬山コース26の標識には鐘がある。ストックを使ってなんとか鳴らせた (標高約600m付近)
標高750m付近、次第に長万部岳が大きくなって来た・・・
標高790m付近を登るチーヤン
標高800m、北尾根が近くなり長万部岳を背に一枚・・・
同場所から望む「長万部岳」見た目以上に斜度を感じる頂上への登り・・・
北尾根848ポコから目指す「利別岳」を望む・・・どっしりと鎮座した格好の良い山容だった・・
★ 北尾根848ポコまで3時間・・・
決して早くはないと自覚しているが、これでも精一杯登っての結果である。
計画では、利別岳まで4時間半から5時間あれば・・と考えていたが、甘かったかと不安が
過る。848ポコから西に派生する細い尾根を下るが、実際後志利別川までどのくらいで下
れるのか?そして、利別岳への登り斜面にどれだけ掛かるのかと考えただけで到底計画通り
の時間では届かないと覚悟を決めた。
後志利別川の渡渉では、必ずSBがあると自信があり難なく通過する事が出来た。念のため
渡渉点にピンテを付けて次なるルートを判断する。どこでも登れそうな斜面だが、小さな沢
形がところどころにありそうなので、取り付いてからしばらくは沢形を避けて直登気味に高
度を稼ぐことにした。斜度は多少あるが標高700mくらいまで登ると沢形は源頭となり斜
面に同化する。その辺りから進路を利別岳北東尾根のコルを目指す事にして少しずつトラバ
ース気味に登って行く。
848ポコから後志利別川に向かって細い西尾根を下る・・・
下りは快適だが、帰路の登り返しは考えたくない・・・
利別岳の東斜面780m付近から長万部岳を振り返る・・・
東斜面810m付近から利別岳と北東尾根を望む
★ 近そうで着かない北東尾根・・・
SBからの標高差約200m登るのに約1時間を要した。すでに登行4時間半を越えてよう
やく北東尾根である。チーヤンの脳裏には「登れないかも・・」とあったようだが、まだ口
には出さず我慢していたようだ。「まぁまだ10時過ぎだし、お昼くらいまで着けばいいん
じゃない?」と私を励ます?
ここまで来たら引き返す訳には行かない。
尾根上は強風が吹き荒れて所々で「雪煙」が舞っている。しかし、障害はこの風だけで天気
は良く、耐えられる強風も寒くは無かったのが幸いだった。コル付近から望むピークは、頂
上ではなく肩だった。本ピークはそこから約300m先で痩せ尾根が想像出来る地形図読み
である。
肩手前の斜面の一部が雪崩れておりアイゼンの歯を利かせて慎重に通過した。そこからは想
像より厳しさが無く急斜度もアイゼン効果は抜群だった。
北東尾根コル付近から望む頂上肩へのルート
840m付近・・・アイゼンに換えてアタック体制で臨む
950m頂上肩に到着し、振り返る景色を満喫、羊蹄山も遠望する・・・風は強し。
頂上肩から頂上まであと300mだ!
奥が頂上・・・もう少しだ!
★ 死闘6時間に耐えて・・・
想定外の6時間だった。アイゼンに換えたC810付近では、足が攣りそうだったので特効薬
を飲んだら痛みが止まって安堵した。それにしても妻チーヤンは軽快なものだ。最後は頂上前
で私を待つ余裕、一緒に初ピークを踏む。
なんと言う絶景、何という眺望だろう!三等三角点の山なのに360度のパノラマだった。
風が強過ぎたので長居は出来ないと「頂上コーラ」とモグモグタイムは帰路の途中に切り替え
て先ずは写真だけ撮る事を優先した。三脚を低くセットしてしゃがんで撮る事にしたが、バッ
クの長万部岳を体で遮ってしまい失敗する。眺望写真も正確な山座同定は後回しにして取り敢
えず写真を撮る。
15分の滞在で下山体制だ。
シーズン最初の未踏1000m超峰への挑戦がこれほど苦労するとは思わなかった。それでも
これだけの眺望と天候に恵まれた事には感謝しかない。そして、陽が長くなって午前中の登頂
下山になったので、仮に下りでも5時間以上掛かったとしてもまだ明るい時間である事が、気
持ちに余裕をもたらした。
とうとう来ました! 2022.3.29 「利別岳」初登頂・・・快晴・強風
長万部岳を背にしているが、遮ってしまった・・・
<頂上から眺望・・・>
狩場山山魂・・・
中央は843m三等三角点「南平(みなみひら)」と左奥に狩場山魂を望む
尾根続きの大平山(1191m)・・・
手前右「長万部岳(972m)」と奥に「羊蹄山(1898)」や「アンヌプリ(1308m)」なども眺望
メップ岳(1147m)とカスべ岳(1049m)方面・・・
★ 必至の下山・・・
歩いて来たトレースがずっと残っていた事に助けられた。特に近道も考えず来た通りに帰る。
それが遠くてもそれでいい。トレース通り辿ればとにかく帰れる訳で何も考えなくて済む事で
体力も温存出来る気がしていた。アイゼンから再びスノーシューに換えた時点でほぼ危険地帯
を通過し、あとは下って登ってまた下って終わり。
SBでお預けしていた山頂コーラとモグモグタイムを取り、最後の登り返しに気合を入れ直す。
とにかくゆっくり休みながら登る事に心がけ、一歩登れば一歩近づく事を信じて必死に登り返
した。
体力の限界を感じつつも約1時間登り詰めると848ポコに戻って来た。
もう登りは無いぞとつい奇声を上げてしまい、大きく深呼吸して安堵する。
辛い足もあとは下りだと自分に言い聞かせ頑張った・・・。
下りの写真は、SBで最後。その後撮る余裕は無かったかも知れない。
16時30分、無事下山となりました。
頂上東斜面が雪崩れた尾根を下る・・・
後志利別川、ところどころ口も開いているがまだまだSBだらけ・・・
これから登り返す西尾根と長万部岳を見上げる・・・
下りで撮った後志利別川SBの渡渉・・・これが最後の写真でした