エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

身につまされる母の言葉・・・

2022年03月11日 | 在宅介護
身につまされる母の言葉
現在88歳になる母は、昨年の10月入院中に脳梗塞を発症し要介護の状態となってしまった。
そのため疾患の治療(手術等)も出来なくなり、脳梗塞のリハビリ医療へ転院となり「緩和ケア」
の治療となっていった。

12月末に退院し、その後は自宅介護で養生する事となり、私たち夫婦にとっても始めての介
護を経験する事となる。一時的にパニック(真っ白)となったのは私だった・・・。

病院内で発症した脳梗塞でもあったので処置は早かったのだが、「失語症」という脳の障害が
分かり、言葉を上手く話せない事や人の言葉を理解出来ない状態となり、認知症に似た症状が
常となる母を目の当たりにする。病院からの説明を受けた上で母親との会話を試みるが、簡単
なことばならその場は理解出来る場合もあるが、その数秒後には話した事を覚えていない時も
しばしばである。
物を指す時の「単語」もまったく別なことばで表現し、聞き直すと首を傾げる・・。時に反対
ことばでいう場合もあり、熱い湯を水と言ったり、テレビのリモコンは電気と表現する場合も
ある。



山友トミさんが3/9に撮った洞爺湖に映る逆さ羊蹄山の写真を頂きました・・・素晴らしい!

自宅介護が始まってから早2ヶ月半となるが、幸い地元の介護施設を利用出来る事となり、空
きがある限り最大限に利用する事をお願いしている。言葉の事は別として疾患は沢山あり大き
な爆弾を抱えている状態はずっと変わっていない。見る限りは健康そうで「ホントに病気?」
と思えるほど元気に見える。なんとか自立して歩けるが、自宅内の短い距離なら伝い歩きも出
来るが、広い場所では介助無しでは歩けない。一応自宅のトイレでは介助無しでも用を足せる
ようだが、紙パンツを履いている事の自覚はないのである。

食欲だけは旺盛で、3食きちっと完食するのが凄いと思った。
そのお陰なのか、疾患している病状の進行状態を疑いたくなる程悪化した様子が全くないのが
不思議だ。

介護施設の利用もデーサービスと泊りで利用出来るショートステイサービスがあり、利用時は
自宅玄関前から送迎してくれる。本人の気分にもよるだろうが、家から出る事の億劫さがある
のか、どこに行くのか説明しても理解出来ない母親にとって「どこかに連れていかれる」とか
「何も聞いていない」と拒む言動も最近増えて来た。それでも送迎車に乗った途端、先ほどま
での興奮が嘘のように静まり、すっかり施設を利用する事が楽しみなくらい笑顔になると言う
から・・理解出来ない。

そんな繰り返しの日々・・・
本人にとって脳梗塞と言う病気についてはまったく理解出来ていない。でも、以前より頭がお
かしいという自覚が時々言葉に表れる。

「もう頭が変になった・・・分からない」
「分からない・・・考えるのも分からない・・」

時々、我に戻ったような母の言葉を聞くとホント身につまされる思いである。

誰が悪いのではない。病気なんだよと分かっていてもそれを説明出来ないジレンマ。
今出来る事は、「しっかり食べて寝る」だけだが、分からないお話も聞いてあげる事も孝行な
のかな?と出来る限り平常心で向き合う事に努力中である・・・。

明日も一日、母と私の自宅介護日である。