愛媛県バスケットボール協会 審判委員会

愛媛県バスケットボール協会 審判委員会からのお知らせ

第67回全国高等学校バスケットボール選手権大会審判研修会

2014年08月23日 | 研修会参加報告書

 標記の件について、金谷氏より報告書が届いておりますので掲載いたします。

 

審判講習会 参加報告書

平成26年 8月19日

報告者  金谷 純代

 

 この度参加しました、審判講習会について報告します。

講習会名

(大会名)

平成26年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会
第67回全国高等学校バスケットボール選手権大会審判研修会

参加者

(報告者)

金谷 純代 (高体連所属)

期 日

平成26年 7月29日(火)  から  平成26年 7月31日(木)

会 場

八千代市民体育館・船橋市総合体育館

講 師

相原伸康氏、石黒 勉氏、岩木太郎氏、清水幹治氏、須黒祥子氏、平 育雄氏、渡邊 整氏

参加者

 

報告①

□ 講義

✓実技講習

□ ゲーム

(該当に レ)

□実技講習  講師 平 育雄氏・渡邊 整氏

■講習内容 及び ミーティング内容

〔講義プログラム〕

Ⅰ.ハーフ・コート1対1

オフェンスがボールを持ってから構えるのでは遅い。ボールをコントロールする前からの準備が大切。トレイルは縦のプレイを追い過ぎない。相手レフリーがどこに位置しているか確認する。プレイをよくとらえられていたとしても相手のプレイへの影響を見極めるため最後までその状況を見届ける必要がある。

Ⅱ.ハーフ・コート2対2

 プレイに対して自分の見たい場所に足を運ぶ。ファウルをさせないことも大切である。

Ⅲ.ハーフ・コート3対3

 トレイルは、ボール中心の視野になってしまうと、2番から3番エリアへのボール移動の際に、6番エリアを見ることができなくなる状況が生まれるので注意する。リードが右サイドに寄る場合の体の向きは、イン・サイド・アウトではなく、アウト・サイド・インである。

Ⅳ.フリースローからオールコート3対3

 フリースローでは、トレイルはTO、ベンチをよく見て、交代の有無やベンチで立ち上がっているプレイヤーがいないかどうか確認をする。アイ・コンタクトを行い、常に2人で意思疎通を図る。

Ⅴ.まとめ

 ハーフ・コートでもオール・コートでもボクシング・インを必ず行う。どちらかの意識が欠けるとボクシング・インは成立しなくなってしまう。自分のエリアを越えた判定は説得力に欠ける。決して無理をしてはいけない。明日からのゲームでは、ゲーム・カンファレンスで役割分担などをよく確認し、意思疎通をはかり臨んでほしい。

報告②

□ 講義

□ 実技講習

□✓ゲーム

(該当に レ)

□ゲーム  主審 金谷 純代 副審 大林 裕子 コート主任 平 育雄 氏

■講習内容 及び ミーティング内容

 モデルゲームは、県立米子南(鳥取)対市立習志野(千葉)を担当した。講習や実技などで学んだことを生かすこと、役割分担をしっかりする、自分の目の前の判定をそれぞれがしっかりとやる、信頼を得るために正しい判定を積み重ねる、とにかく足を動かし、今持っている力をコート内で発揮することをお互いに心掛けて試合に臨んだ。試合後、①今のシャープさと力強さを持ち続けること②ゲーム中振り返りはしない。次のことを話す、次を意識する③とにかく現場に足を運び、見に行く④事実・責任・影響⑤体力強化⑥分担などの指導を受けた。

報告③

□✓講義

□ 実技講習

□ ゲーム

(該当に レ)

□講  義  講師 渡邊 整 氏  

テーマ『信頼される判定をするため ~ルールマニュアルの正しい理解と適用~』

■講習内容 及び ミーティング内容

 「判定力」は審判としてこだわっていかなければならない。しっかりとした「判定力」があると「信頼」が生まれる。「信頼」されてはじめて「ゲームコントロール」ができるようになる。「判定力」がなければゲームコントロールはできない。また、コート上においては、現在進行形であるため、次のプレイをどうするのかが大切である。過去の判定における負の要素を、次のプレイの判定に持ち込まないことが重要である。最後の瞬間を捉えることができて満足してはいけない。動くことが目的ではなく、「プレイがどうなるのか」、「プレイヤーはどう動くのか」を考えて動き続けることが必要である。正しい判定を続けていけば結果として公平感・平等感のある判定ができるようになる。など、丁寧にご指導いただきました。

報告④

□ 講義

□✓実技講習

□ ゲーム

(該当に レ)

□実技講習  講師 平 育雄 氏・渡邊 整 氏

■講習内容 及び ミーティング内容

〔講習プログラム〕

Ⅰ.ウォーミング・アップ

Ⅱ.オール・コート1対1

 スローインでボールを渡そうとしている時に、オフェンスがどのようにもらおうとしているのかを考える。スティール後、特にディフェンスが何をしようとするかを確認することが大切。スティール後、トレイルからリードに変わった時に遅れてはならない。リードからトレイルになるレフリーがリードへの協力をする意識を持つことが必要である。

Ⅲ.オール・コート2対2

 特にスティール後はコートにいるプレイヤーから目を切らない。スティール後のプレイヤーの接触については状況によってアンスポーツマン・ライクファウルを取り上げなくてはならない。(それが正しい判定ならばもし遅れてしまったとしても審判としては取り上げなくてはならない。)

Ⅳ.オール・コート3対3(1往復)

 タイマーはトレイルが必ず確認をする。終了の笛は強く鳴らし、見ている人は何を望んでいるのかを考える。レフェリーの仕事は、ゲームを「始めて、進めて、終わらせる」ことである。色々なシチュエーションについて想定し準備をしておく。

Ⅴ.フリースローからオール・コート3対3

Ⅵ.ハーフ・コート4対4

 プレイヤーが何をしようとしているかを考える。フリースロー・ライン付近のスクリーンとスクリーンユーザーのディフェンスの動きを必ず確認する。ローポストスクリーンは、リードがしっかりと確認する。

Ⅶ.まとめ

 バスケットボールは、5対5で行っているのではなく、例えば【3対3】+【2対2】で行っているという考え方をする。レフェリーがいないと試合は進まない。だからといって偉そうに審判をしたり、逆に審判させていただいているという考え方も必要ない。我々は、下を向かず堂々と顔をあげて、コート上で頑張る事が大事である。

報告⑤

□ 講義

□ 実技講習

□✓ゲーム

(該当に レ)

□ゲーム  主審 遠藤 大輔 副審 金谷 純代 コート主任 渡邊 整 氏

■講習内容 及び ミーティング内容

 インターハイ1回戦、中村学園(福岡)対宇都宮文星女子(栃木)のゲームを担当した。プレゲームカンファレンスで、特にモデルゲームで注意を受けたことや、TO管理や相手レフェリーとの協力及び視野の分担について、リバウンドでの接触についての判定について話し合った。試合後、今、現在持っている力をコートで表現しようとしている姿勢はよく伝わってきた。上級を目指していくためには、4番から6番エリアへの移動、プレイへの影響までをしっかりと捉えて判定できるようになること、1つ1つのプレイを見るのではなく、ボール周辺のプレイにも意識を配り、現象が起こるまでの過程をしっかりと見ることができるようになる必要があることなどを、御指導いただきました。

所感

 今回、参加させていただき多くの刺激を受けることができました。よい位置、角度、視野分担、確認、見極めを正しくやり続けることの大切さや、常に謙虚な心で常に誠実に対応し、信頼されるレフェリーになるために努力を重ね、失敗を怖れずチャレンジし続けることの重要性を感じることができた研修となりました。特に、選手の動きや意図を感じ取る目や心を養うこと、気付き・判定・ゲームの理解・レフェリーとしてのコートでの立ち振る舞いが信頼されるレフェリーに大切な要素であることを理解することができました。また、ボールとその周辺に視野をあてることや、接触のあった部分だけをみて笛を鳴らさないこと、ディフェンスの手の使い方についての影響の有無の見定めは、早目に目を当てプレイの始まりを確認することや、シリンダーの概念の理解をすることで判定の材料になること、相手審判の位置を把握しておくことで良い判定につながることなども大変勉強になりました。

 今回、よきチャンスをいただいたことに感謝し、この経験を生かし精進していきたいと思います。本当にありがとうございました。