審判講習会 参加報告書
この度参加しました、審判講習会について報告します。
講習会名 (大会名) |
「東日本大震災復興支援」 第42回 全日本クラブバスケットボール選手権大会愛媛大会 |
参加者 (報告者) |
川村 貴昭 (所属カテゴリー)クラブ連盟 |
期 日 |
平成28年 3月 18日(金) から 平成28年 3月21日(月) |
会 場 |
今治市営中央体育館、今治市菊間緑の広場公園運動場総合体育館、今治市大西体育館 |
報告① 実技講習
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審判研修会Ⅰ 公認審判員対象講習会 講師:日本クラブバスケットボール連盟審判委員会 実技講習≪モデルチームを使用したゲーム形式での実践講習【2人制+講師のシャドウ】≫ テーマ:『2人の協力とマニュアル4原則の徹底』 ★受講生 :講師のシャドウを含む実技の後に、ミーティング。講師より反省をいただく。 ★試合時間:7分ゲーム 1人1ゲーム担当 ■講習内容 ※ゲームに先だって、日本クラブバスケットボール連盟審判委員会指導担当の茂泉圭治氏のお話 『挑戦!!!!!』 参加者(地元)…高橋 瑞紀氏(愛媛県クラブ連盟)山田 佳奈氏(愛媛県クラブ連盟) □Aコート-第1ゲーム(※ミーティング内容一部抜粋) 報告書作成者…西垣 淳氏(愛媛県クラブ連盟) ・動くことだけが大切ではない。2人で協力して、10人を収めながら何が起こるか、 何が気になるかという中で、相手がどのスペースを見ているか意識してほしい。 ・ニューリードに切り替わった後、選手から目を離さない。その先に、相手審判がいることを意識すればもっと良くなる。 ・全体を捉えながら、勝負所になるスペースを捉えることが出来るポジショニングが必要。そのためには、プレイヤーがどんな動きをしようとしているか予測し、また短い時間で分析すること。 ・リードの動きとして、全体を捉えるために、後ろに下がるだけではなく、判定をより確か なものにするために、スペースをどの位置、どの角度から捉えるか考えなければならない。 □Aコート-第6ゲーム(※ミーティング内容一部抜粋) 報告書作成者…西垣 淳氏(愛媛県クラブ連盟) ・手のファウルが多かったと思うが、取り上げているものと、本来取り上げなければいけなかったものを整理する必要がある。自分が見るべき位置だったのかを意識すると、相手に任せるところと、自分が見るべきところを整理出来るかと思う。 ・2人の審判がゲームをコントロール出来ていない。危機感が伝わってこない。選手が悪いことをしようとしている時に、審判が選手と同じ感覚で捉えきれていない。偶然の触れ合いをファウルとして取り上げている。 ・選手が見てほしいと思うところに、我々審判はいる必要がある。どういうプレイをやっているのかということを見定めるために、審判がいる。その中で、悪いものは駄目だという判断をするための努力が必要。 □総括 ・本日の講習会で、講師からの反省内容を何かのヒントにして欲しい。また周りから見て、違いを感じることもあると思うが、感じたこと、得たことを各ブロックに持ち帰って、伝えて頂きたい。 ・我々レフリーは、同じものを同じように取り上げる必要がある。例えば、トラヴェリングについて、明らかなものはしっかりと取り上げること。我々に何が出来るかをしっかり考えてほしい。 |
報告② 講義(講話)
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審判研修会Ⅱ A級審判員対象講習会 講師:日本クラブバスケットボール連盟審判委員会 副委員長 久保 裕紀氏(国際審判員) ルールテスト実施及び講話 テーマ:『基本的事項の徹底』 ■講習内容 参加者(地元)…薦田 侑二郎氏(愛媛県クラブ連盟 次年度A級審判員昇格者) 作成者…菅野 嵩大氏(愛媛県クラブ連盟) ※内容を一部、川村にて加筆修正 (a)どのようなことが基本的事項の徹底だと考えるか。 東北 山田氏:決められたシグナルを正確に行うこと。 北信 越関氏:4原則の徹底。 関東 眞榮喜氏:スペースの確保。 東海 太田氏:プレゼンテーション。 近畿 柳生氏:マニュアルの正しい理解。 中国 秋山氏:シグナルの徹底。 四国 薦田氏:プレ・ゲームカンファレンスの実施。 九州 川島氏:クロックのマネジメント。 以上のことを踏まえたうえで、映像を見て考える。 ポイント・改めて自分自身の取り組みはどうであるか。 ・全審判員の中でも上級審判員は数%の存在であるということの自覚。 ・自分が各ブロックなどで指導的な立場になった時に教えていることを、自分自身は取り組めているか。 (b)基本的事項の徹底の例 ・ディレクションを指すときに、視野をコートの中に残しておく。 →会場の雰囲気などに左右されて、視野を切ってしまっていないか。 ・交代の際の招き入れる動作について。 →このタイミングの違いで、テクニカルファウルなどの処置の対象者が変わる場合がある。【映像を見ながら】使用する映像・・・NBLでの検証の際に使用するものを見る。 →判定の是非ではなく、ケースに応じた対応について考える。 ① 24秒のマネジメントについて イ) 攻守が変更したにも関わらず、24秒がリセットされていないケース。 ・時間の把握が出来ている良いケース。 →TOに変更を求める合図を出すことや、ブザーが鳴ってしまった時なども冷静に対応することが出来る。 ・時間の把握が出来ていない危険なケース。 →誤ったブザーが鳴ってしまっても、オーバータイムの処置をしてしまう。アピールの対象など大きな問題になりやすいケースにつながる。 ・インターセプトになりかけて、アウトオブバウンズになったケース。 →保持があったかどうかの確認とともに、24秒を確認する必要がある。 ※誰が見ているのか、誰が見るべきなのか。 ロ) リングにボールが当たったかどうかの判定について。 ・リングにボールが当たっていないとベンチからアピールがあったケース。 →迅速に対応するとともに、常に説明できる準備をしておく。 ・エアボールなどのプレイのケース →エアボールの後にタップシュートが行われる場合も考えられるため、残り時間が少ないときなどは、トレイル審判は特に時間を気にするとともにシュートを示唆する。 ・24秒のブザーが鳴ったケース。 →トレイルレフリーがきちんと確認して正しい判定をしていても、センターレフリーがカウントのシグナルをしてしまうと、自分たちでベンチや選手に不信感を与える原因を作ってしまうことになる。※リードレフリーもタイマーが見えなくても常に準備する。 ファールの判定と24秒のブザーが重なってしまった時などにきちんと説明できなければならない。 ② ディスクォリファイングファウルの判定について ・アンスポーツマンライクファウルの判定後にさらに悪質な行動を続けるケースについて。 →もう一度アンスポーツマンライクファウルを取り上げても結果的には退場であるが、基本的な処置としてはディスクォリファイングファウルの判定をするべきである。 ※プレイとしては1プレイ前の現象でボールを追ってしまい選手同士の触れ合いを見逃してしまったところが始まりである。 ③ テクニカルファウルの判定について イ) 判定に対して選手が不満を持っているケース ・判定をした後も選手の行動に目を当てておく。 →ボールを床にぶつける、蹴る、壁をたたくなどの行動をする可能性がある。判定をしていないレフリーもコートの選手に目を当てておくことで、テクニカルファウルの判定をするべきケースに対応できる。 ロ)ベンチからのアピールに対して ・過剰なアピールや不当なアピールについての対応 →高圧的な態度でのテクニカルファウルの対応は果たしてどうなのか。このような場合はわかりやすくできるだけ短い言葉で対応する。コーチの気持ちを汲み取りすぎて、対応が長くなるのは良くない。 ④ アンスポーツマンライクファウルの判定について ・主審が遠い位置からでもアンスポーツマンライクファウルを取り上げたケース →ゲームコントロールのために判定することは良いのだが、その際に選手に引きずられているのは良くない。ベンチエリアから出てくる選手、コーチの動向を誰が見ておくのか。 ※その場を抑える人、処置をする人、ベンチを管理する人など、知っていることをどう行動に移していくかが大事。 ・アンスポーツマンライクファウルの判定後にタイムアウトの請求があるケース。 →大きい現象の後などで、選手同士がベンチに戻る際のすれ違い時に問題がないか目を当てておく必要がある。 ・トランジションの際などの判定について →トレイルレフリーの目の前で接触があった後の切り返しの際に、ニューリードへの移動時にも視野を残しておくことで、そのあとの大きな現象が起こった際の対応につながる。 ※判定した後にやり返しなどが起こっても対応できるように、すぐに目を切らないようにする。 ⑤ メカニクスについて ・オフェンスファウルの判定などについて →すぐに自分の判定を示さないことで、相手審判との食い違いが発生することや、不信感や協力が悪くなることにもつながる。 (c)総括 今回の映像で見て、話をしたことや考えたことはほとんどマニュアルに書かれている内容である。そのため、マニュアルに書かれている部分がしっかりできていれば、マネジメントの部分では非常に安心できる。当たり前のことをきちっと正確に行う。そしてそれを習慣にする。そういったことを徹底することで悪いプレイの予防になる。習慣にしようという意識を常に持って行動することで、間違った自分自身の行動を減らすことが出来る。 |
報告③ ゲーム
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□ゲーム 日時 3月20日(日)12時10分~トスアップ ST-IWATE(東北) 63 対 61 弥生クラブ(関東)
主審 茂泉 圭治 氏 (神奈川県 AA級審判員 日本クラブ連盟指導担当) 副審 川村 貴昭 (愛媛県 愛媛県クラブ連盟審判委員長 報告者) 主任 芳賀 聡 氏(福島県 AA級審判員 東北ブロック長) ■ミーティング内容 ・プレ・ゲームカンファレンス 判定したいポイントについての共通認識を図った 1、オールコートプレスへの対応(1-2-1-1ゾーンプレス) ⇒2人の間隔を狭くする(特にリード・オフィシャルが先行しすぎない) 2、インサイドのポストプレイの対応(リングの右側で起こるポストプレイ) ⇒ローポスト、ミドルポストはリード・オフィシャルがリングの右側に行って受ける ハイポストは、リード・オフィシャルがクローズダウンして受ける準備 トレイル・オフィシャルはポストプレイに視野を残しつつ、別のところを意識する 3、相手の目の前であっても、自分がしっかりと確認したものについてはお互いが判定していく ・試合中(オポジット・サイド及びコートサイドでの会話など) 終始前向きな言葉がけをかけてくださり、試合の局面が変わる場面では具体的な対応策を2人で確認した。インサイドの激しい攻防、1試合終始続いた両チームの激しいオールコートプレス、アウトサイドのシュートの見極めなど、1,2点差で続くシーソーゲームのなか、自分の信じたものを勇気と決断を持って判定して表現した。途中苦しい場面もあったが、パートナーを信じて、自分を信じて、乗り切ることができた。 (コートサイドには、たくさんの地元の仲間が観戦してくださり、背中を押してくれた) ・試合後(主任及びパートナーからのアドバイス) 開催県クラブ連盟審判長としてコートに立ち、それをたくさんの地元の皆さんが見てくれていることへの思いなどがずっと伝わってきた。試合中揺らぐ場面もあったが、1試合を通じて走り切り、必死に挑戦する姿に好感を持った。判定は「正しい」「正しくない」も大事だが、それよりも自分が判定したときに「示す」ということ。その時自分が信じた判定を示し、理解してもらうということが本当に大事。この試合は最後までそれができていた。グッドゲームだった。 ⇒次への課題 ・体の向きを45度にする。 ・プレイヤーのアクション(反応や演技)の見極めをこれから経験値として積み重ねる ・1つ1つの判定は間違っていない、あとは1試合通じてゲームをクリアにするための1試合通じての判定基準を示す(特に1ピリオド!!) |
所感 |
2年前の愛知記念大会から数えて自身3回目の全日本クラブ選手権大会、地元愛媛県開催。 この2年間の思いを、地元審判員としてこの大会に懸けようと臨んだ。大阪、愛知、京都と大都市で続いてきた大会、街の規模も体育館設備も宿泊施設も決して潤沢とはいえないからこそ、地元一人ひとりがひとつとなって頑張ることが大切だと考えてきた。今日のこの日を迎えるまで、決して順調なことばかりではなく、時に苦しく、全国大会を迎えることの不安や緊張を感じる場面も多々あった。しかし、自分は一人ではなく、側にはいつも地元の仲間の支えがあった。 大会運営に携わり、審判員としてオンザコートに立つまでには本当にたくさんの方々のおかげであることを改めて強く感じ、今まで以上の感謝の思いがこみ上げてきた。審判技術がまだまだ未熟な自分が、今大会の激しいゲームを乗り越えることができたのはすべて、ずっと支えてきていただいた地元の方々のおかげである。自分のこれまでの審判活動の中で最高の大会、最高のゲームを担当することができたのも。 日本全国のクラブレフリーの仲間が一堂に会し、1年ぶりに会う仲間もここ愛媛で再会することができた。地元として至らない部分も多々あったが、どんな時も変わらず優しく、そして温かく支えていただいた。改めて、クラブレフリーの方々の寛大な心に感動し、自分もその一員であることを誇りに思う。来年度の全クラ群馬大会に向け、再びオンザコートに立てるよう、今から仲間と一緒に切磋琢磨していきたい。地元ではこの後すぐに全国教員大会、そして愛媛国体と大きな大会が続く。今回経験したことを生かし、よりいっそう励んでいく覚悟である。 最後になりましたが、全日本クラブ選手権愛媛大会にあたって1年間ずっと側で支えていただいた地元審判員の仲間、日本全国からお集まりいただいたクラブレフリーの仲間、大会運営で大変ご尽力いただきました今治市協会、愛媛県協会、愛媛県クラブ連盟の皆様、共にコートで戦ってくれたTOチームとTO主任の皆様、そして大会に関わったすべての皆様に深く感謝申し上げ、私の報告とさせていただきます。本当に有難うございました。 |