愛媛県バスケットボール協会 審判委員会

愛媛県バスケットボール協会 審判委員会からのお知らせ

第44回 全日本クラブバスケットボール選手権大会 佐賀大会

2018年03月21日 | 研修会報告

審判講習会 参加報告書

平成30年3月14日

報告者  川村 貴昭 印

 

 この度参加しました、審判講習会について報告します。

講習会名

(大会名)

第44回 全日本クラブバスケットボール選手権大会 佐賀大会

報告者

川村 貴昭(所属カテゴリー)クラブ連盟

期 日

平成30年 3月 9日(金)  から  平成30年 3月12日(月)

会 場

佐賀総合体育館、諸富文化体育館、神埼中央公園体育館

参加者

全国クラブ連盟所属審判員、開催地審判員、その他審判員 合計100名程度

報告①

映像研修

実技講習

審判研修会 全審判員対象講習会

講師:日本クラブバスケットボール連盟審判委員会

   日本クラブバスケットボール連盟所属・S級審判員

実技講習≪モデルチームを使用した分解練習での実践講習【3人制+講師のシャドウ含む】≫      

テーマ:『3POメカニクスの徹底』

内容 ①映像を通しての研修

   ②実技研修(分解練習)

 

□講習内容

Bリーグの実際の試合のクリップ3つ(審判のメカニクスに着目したもの)を中心に、以下の3つのケースについての分解練習(よりよい習慣づけへ)を行った。

(以下の図、解釈については報告者(川村)が作成)

 

1、ベーシックローテーションのタイミング、プライマリーアングルの取り方をつかむ

 https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/4d/8917045a461d259b4e1a33a61ce632b0.png

・Check in(ボールを受け取る)、Check out(ボールを渡す)を意識し、スムーズにプレイを引き継ぐことが重要。

・LはClose Down、TはPick the paintを徹底する。

・Cはステイ(プレイにステイ)し、自分が元々持っているアングルを手放さない。

 

2、ピック&ロールからのクイックショット(昨今のパターンオフェンスの主流)への対応

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/dc/ec35e62f602957b1ad4263a154b5e326.png 

・得点が3点か2点かというのはチームにとってとても重要。しっかりと確認するために、まずはTがしっかりとつま先を確認できるポジションをアジャスト(調整)し、かつプレイ(接触、ステップ等)を確認できるよう工夫する。

・上記を踏まえた上で、実はこのケースはTがとらえることが非常に難しいケースであることを認識する。そこで、LがPeek(視野をのばす意味)し、プレイをAssistする(3or2を確認し、Flash(2点か3点かをしっかりと示す))。Tはそれを確認し、3or2を示す。

※注意点1 あくまでも、Lは他に自分のプライマリでとらえるべきプレイがない時に行う。自分がbusy、もしくは自分がみるべきプレイが行われている時は、そちらを優先する。

※注意点2 わからないもの(確認できなかったもの)については、無理にしない。

・同じく、Cからの方がよりよく見えるものもある。特に、上の図では左サイドにスクリーナーがセットされているが、逆にセットされ、右側(Cに向かってくる)になるとCがクリアに見えることが多いので、Assistするべきである。

※ただし、Lと同様、注意点1、注意点2をおさえておく。

⇒3or2のみならず、ファウル等についても同様である。

 

3、オールコートトランジション(速攻)時のアウトサイドシュートに対する協力

 https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/0f/3ff43cfd8b3fda33b24eaab97f25043e.png

・2の3or2で取り組んだことを応用し、オールコートトランジションのケースで行う。特にnewT(新たにTとなるレフリー)は速攻時に遅れてしまうケースが多々ある。そこで、newLがしっかりとAssistすることで、3人の協力、信頼が強固なものとなる。

※注意点1 newTはバックコートでプレイヤーが残って何かがあることに配慮しなければならない。フロントコートにはCとLがいるので、その局面における優先順位を判断するべきである。

 

応用(ケース4)コフィン・コーナー周辺でのハイプレッシャーに対する対応

 https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/ec/d28ee1c066b3d91e0e2806cf80277a53.png

・上記のケースは3POの実践の中で非常に難しいケースである。フロントコートにボールが運ばれた時にプレッシャーをかける戦術も多い。

・C側でハイプレッシャーがあった場合、Lがローテーションを行う。(トリガー(きっかけ)は、Tがフロントコートに入ったタイミング)そしてCがnewTとなって、ダブルチームをとらえる。接触、軸足、バックパスなどの確認をする。TはすみやかにnewCとなって、Lがいなくなったところ(図でいえば右コーナーのショット等)をとらえる。

※注意点1 上記はあくまでもメカニクス(約束事)である。メカニクスがそうだからといって、CはLが来るまで何もしないというのは間違っている。現場(そのプレイを誰が見に行くのか)を押さえるために、Cは先に上がってプレイをとらえるということもあると思われる。

 

□講師講評

・今バスケットボールに関わるすべてが大きく変化しており、レフリーに関わることも、新しい情報が多く与えられている。本日の講習会で得たことを各ブロックに持ち帰って、それを伝える役割があるので、しっかりと情報共有してほしい。

・メカニクスは審判としての約束事で重要ではあるが、それをかたくなに守ることで目の前のプレイがおろそかになることは絶対に避けなければならない。メカニクスと現場はあくまでも違うということをしっかりと考えてほしい。

・明日からの3日間の大会に取り入れ、実践してほしい。

 

□講習会を取り組んで(映像研修、実技講習)

 審判の約束事(≒メカニクス、マニュアル)への3人の共通認識がまずあって、そこから信頼と協力があるということに改めて気づかせていただいた。そして同時に、試合中に起こりうるプレイは、その約束事だけですべて完璧に対応できるということはないことも強く実感した。メカニクス、マニュアルありき(それをやっていればいい、かたくなにこだわる)ということではなく、1つのプレイを3人で協力してとらえていくために、自分の役割を果たすことの大切さを学び、実体験として積み重ねることができた。時には3人のバランス、メカニクス、マニュアルが崩れる局面が出てくると思うが、その苦しい局面にこそ、いかに3人で協力し、信頼し、取り組むことができるのかを考え続けていきたい。1つの答えが出るとは限らないところに、決断と工夫が必要であると感じた。今後、前述したことも踏まえながら、しっかりとメカニクス・マニュアルの基礎的なところ(BASIC)を学び、よりよい習慣としていく。自分の意見を持ち、それを表現し、そして謙虚さを持ってクルーの意見に耳を傾けていきたい。

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/e1/1ed8cd419074cf3257c2091609e5a310.jpg

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/47/66b7aea1d505fef51bce47d149e47fba.jpg

 

報告②

ゲーム1

男子1回戦

 

□ゲーム  日時 3月10日(土)13時45分~

       チーム新潟(新潟)対 Black Jack(大阪)

 

R  古後 宏和 氏(本部/福岡)

U1 島袋 竹志 氏(関東・東京/次年度)

U2 川村 貴昭 (四国・愛媛/研修生)

主任 富樫 彰子 氏(本部/宮城)

■内容

・ポスト・ゲーム(主任より)

 1試合を通じて強く判定する姿が印象的で、1年前の全クラ群馬大会から、コートプレゼンスが大きく変化していることがうかがえた。メカニクスとしては、全体を通して3人で協力してスムーズに行えていたが、LのCDからスイッチサイドするまでのフォーカスの仕方をもっと工夫すると良い。Scan the paintの折に、もう少しワイドにとらえると、さらに景色が変わる。あとは、Rの方が試合の序盤にテンポ・セットしたものを自分がどう感じているか。自分も同じような判定を積み重ねていくという意識を強く持って、判定について取り組み、次に臨んでほしい。

報告③

ゲーム2

女子2回戦

 

□ゲーム  日時 3月11日(日)10時35分~

       VEAT(三重)対 QUEEN BEE(千葉)

 

R  梅田 香 氏(本部/福井)

U1 坂元 孝浩 氏(九州・鹿児島/研修生)

U2 川村 貴昭 (四国・愛媛/研修生)

主任 久保 裕紀 氏(本部/東京)

■内容

・プレ・ゲーム・カンファレンス

1、メカニクスの確認と両チームの情報共有(傾向と対策)

2、昨日(日頃)あった難しいケースについての共有と対策

・ポスト・ゲーム(主任より)

 3人がそれぞれのプライマリでしっかりと判定し、いい入り方ではじめることができた。1試合通じて大きなトラブルもなく、しっかりと試合を終わらせることができて良かった。強いて言うとすれば、試合中はお互いが「自分の意見・情報」を持っている。プレイの見え方が。アングルによっては違うこともよくあるので、当然のことである。そこで大事なのは、お互いの持っている情報をしっかりと「丁寧に」共有することが大事である。今回のケースは、アウト・オブ・バウンズが起こりそうな時に、プレイヤーが「ボールを持って出した」のか、「ボールを持ったときに線を踏んでいた」のか。お互いの情報は間違っていない。それを試合中にしっかりと速やかに話し合っていくことで、レフリーの信頼も増す。次につなげてほしい。あとは、3人の協力というところで、研修会でもあった3or2のFlashなど、学んだことを強く意識して取り組んでいる姿が好印象だった。しかし、ある局面では2人はわかっているけど3人目が気づいていなかったり、1人はわかっているがあと2人がわかっていなかったりといった場面もあったので、改善が必要である。メカニクスでは、TとLのストロングサイドで、TからLへ向かう45度のドライブの対応が重要となる。Lは見えないことも多いので、Tがしっかりと自分のプライマリ・アングルであるということを意識してとらえることが重要である。

報告④

ゲーム3

女子準決勝

 

□ゲーム  日時 3月12日(月)9時00分~

       NAVY(埼玉)対 ひらまつ病院(佐賀)

 

R  田中 豊弘 氏(本部/香川)

U1 近藤 巧 氏(本部/北海道)

U2 川村 貴昭 (四国・愛媛/研修生)

主任 柳生 志乃 氏(本部/兵庫)

■内容

・プレ・ゲーム・カンファレンス

メカニクスの確認と両チームの情報共有(傾向と対策)

全クラ女子準決勝を臨むにあたって

・ポスト・ゲーム(主任より)

 強く、声を使って(Verval support)新たなことに挑戦する姿勢がとても良かった。試合を見ながら、日頃の四国での指導がしっかりとなされている、ということを強く感じた

次に、(映像を見ながら)プレイをとらえるために、「何をどのように見に行くのか」ということをもっと意識すると、もっとよりよくなるのではと感じる。身体の向き、1歩によって、レフリーが何をとらえようとしているのかが伝わってくる。そこをつきつめていく、考えていくことを続けてほしい。

 その後、指導担当増渕氏から、後半のケースをクリップを見ながら一緒に振り返った。

動き方として、判定はグッドコールのものが多かったが、Cのレベルをプレイに応じてアジャストさせていくと更に良くなるというご指摘をいただいた。

所感

 長きにわたって続いてきた全日本クラブ選手権大会も、44回目のこの佐賀でファイナルを迎えた。特に、一昨年度は地元愛媛県で開催されたこの全クラは、自分を大きく変えていただいたきっかけであり、とても強い思い入れがあった。この大会に関わってきた方々への感謝を伝えるため、また、四国の代表として選んでいただいた思い、選ばれなかった仲間の思いも感じ、4日間、今の自分にできることをすべて挑戦し、最終日の割当を獲得したいという2つの思いを持って臨んだ。

 1年ぶりに会う全国から集った仲間との再会を果たし、そして新しい出会いもあった。普段なかなか会う機会の少ない方々もいたが、たくさんの励ましや応援、ご指導をいただくことができ、自分を見つめ直す機会にもなった。切磋琢磨する雰囲気の中で、優しく、温かく見守ってくださるクラブレフリーの風土は、自分にとって何よりの支えとなっていることを改めて実感することができた。

 今大会、自分の目標であった全クラの最終日割当をいただくことができ、今の自分にできることを出し切ることができた。が、まだまだ課題は多く、次に向けて準備をすすめていく。今の自分があるのはすべて、全国の仲間、日頃いつも支えてくださっている四国、そして愛媛の方々のおかげである。心から感謝し、これを力に変えていっそう励んでいく覚悟である。

最後になりましたが、全日本クラブ選手権佐賀大会に至るまでに、いつもそばで支え続けていただいた地元審判員の仲間、遠くからいつも応援してくださる日本全国のクラブレフリーの仲間、そして素晴らしい今大会に関わったすべての関係者皆様に深く感謝申し上げ、私の報告とさせていただきます。本当に有難うございました。 

https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/4d/34bc7311be8d5467951da86080e2fe67.jpg



最新の画像もっと見る