2015年2月14日
「民主党の枝野幸男幹事長は13日午前、西川公也農水相の政党支部をめぐり、違法献金疑惑が発覚したことについて「説明責任を果たしてもらう。今後の国会論戦の中でも問題点、疑問点をしっかりと問いただす」と述べた。」(13日 産経)。
言うまでもなく政治家はクリーンであるべきだ。特に西川氏は閣僚なのだから、なおさらだ。これは次のような問題とされる。
「西川公也農林水産相(72)が代表を務める「自民党栃木県第2選挙区支部」が平成24年、国の補助金を受けている選挙区内の木材加工会社から300万円の献金を受けていたことが13日、政治資金収支報告書などから分かった。 政治資金規正法は国の補助金交付を受けた企業に対し、決定通知日から1年以内の政党や政治資金団体への寄付を禁じている。西川氏側がこれを知りつつ寄付を受けた場合、同法に抵触する恐れがある。 同支部の収支報告書によると、24年9月20日付で栃木県鹿沼市内の木材加工会社から同支部へ300万円が寄付された。同社は同年5月、農水省の「森林整備加速化・林業再生事業」による補助金交付が決定、支給を受けていた。 当時、西川氏は落選中だったが、24年12月の衆院選で国政に復帰。昨年9月に農水相に就任後、参院農林水産委員会で同事業について「できる限り継続できるよう努力したい」と答弁していた。西川氏は農林族議員として知られる。 西川氏は昨年10月にも親族企業に政治資金を支出していたことが発覚した。西川氏は13日、記者会見で「補助金を受けている企業だと知らなかった。違法性が考えられると分かったので返還した」と話した。」(13日 産経)。
どうも氏はクリーンとまでは言えない人のようだ。ただ、これに対して、菅官房長官は次のように問題のなさを強調している。
「菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は13日午前の記者会見で、西川公也農林水産相の政治資金をめぐる問題について「補助金の交付を決定したのは民主党政権で、当時西川氏は落選中だった。取材を受けて、そういうことだったので返金をした。全く問題ない」と述べた。」(13日 産経)。
実際のところがどうだったのか、そして政治資金規正法上でどうなのかはしっかり追及される必要があるだろう。そして、もしクロとなれば、安倍首相は速やかに適切な対応をすべきである。
しかし本当の問題はこの後にある。問題は、枝野幹事長がしっかり国会で「論戦」していくと言っていることが何を意味するかということである。つまり、この種の司法の問題を「国会の問題」にしようとしているのではないかということである。
「民主党の榛葉賀津也参院国対委員長は13日の記者会見で、西川公也農林水産相の政治資金をめぐる問題について「どう見てもアウトだ。自分が所管する林野庁の事業で知らなかったでは済まされない。事実関係を究明していきたい」と述べた。」(13日 産経)。
「事実関係の究明」はどんどんやってもらいたいところだが、それは司法の場でお願いしたい。どういう追求をするつもりであるかは、ここでも明確ではないが、枝野幹事長の発言や、従来の民主党がやって来たことから考えれば、これは国会で「論戦」をしていくという宣戦布告のように思える。‘やる気十分’といったところか?!
しかし忘れてもらっては困るのは、これは政治資金規正法違反かどうかという司法の問題であり、政治とは直接には関係しないことだ。民主党がやる気であるなら、刑事告発をして、司法の場で争ってもらいたい。今期国会は、日本経済の再生策、日本の安保法制、財政再建など、これからの百年がかかった重要案件が目白押しなのだから、こんな問題で国会審議を混乱させられてはたまったものではない。昨年秋の臨時国会で民主党が行った、閣僚の‘あら捜し’がそれなりに‘成果を挙げた’ことに味をしめて、柳の下のドジョウを狙っているのだろうが、国民は民主党が行うこのような低次元の「国会論戦」にいい加減にうんざりしている。「SMバー」への1万5千円の支出を国会で取り上げて議論することに一体どれほどの意味があるのか?! 民主党が国会で論戦できることは、こんなことでしかないのかと思えてしまい、なんとも暗い気持ちになる。また、この程度の話なら、有力議員であるかそうでないかを問わず、民主党議員にも多くの該当者がいる。にも関わらず、そのことは棚に上げての話だから、こうした発想の低劣さは相当なものだ。民主党は、他党をどうのこうのと言う前にまずは、自党の身辺を正すべきだ。
昨年暮の総選挙の争点は「消費増税先延ばし、アベノミクス、積極的平和主義などであったが、安倍政権の大勝によって、これらの政策は信任されたと見做せる。それゆえ、今国会での論点は、アベノミクス推進の経済政策、積極的平和主義に基づく安保法制の整備などをしっかり議論すべきなのだ。今回の不正疑惑は、司法に任せ、必要に応じて進捗を国会で点検していけば良いはずだ。
そもそも、なぜゆえ、「政治と金」が国会で論じられねばならないかと言えば、70年代から(もちろんそれ以前からも)、「金権政治」がはびこり、国政を金がゆがめたため、これを是正しようといううねりになったからである。「金の横暴」を取り締まる法制がなかったから、やりたい放題だった。それ以後、国民の間には政治と金は切り離されるべきだとの認識が広まり、また取締りの法律も整備されてきた。警戒を解くわけにはいかないが、40年前の状況と現在を同じ状況と見るのは誤りだ。現在では金に癒着しているのは特定の個人であり、政治全体ではない。だから、これは司法の問題であり、それなりの合理的な必要性が無い限りは、国会で「論戦」することは控えるべきだ。
「民主党の枝野幸男幹事長は13日午前、西川公也農水相の政党支部をめぐり、違法献金疑惑が発覚したことについて「説明責任を果たしてもらう。今後の国会論戦の中でも問題点、疑問点をしっかりと問いただす」と述べた。」(13日 産経)。
言うまでもなく政治家はクリーンであるべきだ。特に西川氏は閣僚なのだから、なおさらだ。これは次のような問題とされる。
「西川公也農林水産相(72)が代表を務める「自民党栃木県第2選挙区支部」が平成24年、国の補助金を受けている選挙区内の木材加工会社から300万円の献金を受けていたことが13日、政治資金収支報告書などから分かった。 政治資金規正法は国の補助金交付を受けた企業に対し、決定通知日から1年以内の政党や政治資金団体への寄付を禁じている。西川氏側がこれを知りつつ寄付を受けた場合、同法に抵触する恐れがある。 同支部の収支報告書によると、24年9月20日付で栃木県鹿沼市内の木材加工会社から同支部へ300万円が寄付された。同社は同年5月、農水省の「森林整備加速化・林業再生事業」による補助金交付が決定、支給を受けていた。 当時、西川氏は落選中だったが、24年12月の衆院選で国政に復帰。昨年9月に農水相に就任後、参院農林水産委員会で同事業について「できる限り継続できるよう努力したい」と答弁していた。西川氏は農林族議員として知られる。 西川氏は昨年10月にも親族企業に政治資金を支出していたことが発覚した。西川氏は13日、記者会見で「補助金を受けている企業だと知らなかった。違法性が考えられると分かったので返還した」と話した。」(13日 産経)。
どうも氏はクリーンとまでは言えない人のようだ。ただ、これに対して、菅官房長官は次のように問題のなさを強調している。
「菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は13日午前の記者会見で、西川公也農林水産相の政治資金をめぐる問題について「補助金の交付を決定したのは民主党政権で、当時西川氏は落選中だった。取材を受けて、そういうことだったので返金をした。全く問題ない」と述べた。」(13日 産経)。
実際のところがどうだったのか、そして政治資金規正法上でどうなのかはしっかり追及される必要があるだろう。そして、もしクロとなれば、安倍首相は速やかに適切な対応をすべきである。
しかし本当の問題はこの後にある。問題は、枝野幹事長がしっかり国会で「論戦」していくと言っていることが何を意味するかということである。つまり、この種の司法の問題を「国会の問題」にしようとしているのではないかということである。
「民主党の榛葉賀津也参院国対委員長は13日の記者会見で、西川公也農林水産相の政治資金をめぐる問題について「どう見てもアウトだ。自分が所管する林野庁の事業で知らなかったでは済まされない。事実関係を究明していきたい」と述べた。」(13日 産経)。
「事実関係の究明」はどんどんやってもらいたいところだが、それは司法の場でお願いしたい。どういう追求をするつもりであるかは、ここでも明確ではないが、枝野幹事長の発言や、従来の民主党がやって来たことから考えれば、これは国会で「論戦」をしていくという宣戦布告のように思える。‘やる気十分’といったところか?!
しかし忘れてもらっては困るのは、これは政治資金規正法違反かどうかという司法の問題であり、政治とは直接には関係しないことだ。民主党がやる気であるなら、刑事告発をして、司法の場で争ってもらいたい。今期国会は、日本経済の再生策、日本の安保法制、財政再建など、これからの百年がかかった重要案件が目白押しなのだから、こんな問題で国会審議を混乱させられてはたまったものではない。昨年秋の臨時国会で民主党が行った、閣僚の‘あら捜し’がそれなりに‘成果を挙げた’ことに味をしめて、柳の下のドジョウを狙っているのだろうが、国民は民主党が行うこのような低次元の「国会論戦」にいい加減にうんざりしている。「SMバー」への1万5千円の支出を国会で取り上げて議論することに一体どれほどの意味があるのか?! 民主党が国会で論戦できることは、こんなことでしかないのかと思えてしまい、なんとも暗い気持ちになる。また、この程度の話なら、有力議員であるかそうでないかを問わず、民主党議員にも多くの該当者がいる。にも関わらず、そのことは棚に上げての話だから、こうした発想の低劣さは相当なものだ。民主党は、他党をどうのこうのと言う前にまずは、自党の身辺を正すべきだ。
昨年暮の総選挙の争点は「消費増税先延ばし、アベノミクス、積極的平和主義などであったが、安倍政権の大勝によって、これらの政策は信任されたと見做せる。それゆえ、今国会での論点は、アベノミクス推進の経済政策、積極的平和主義に基づく安保法制の整備などをしっかり議論すべきなのだ。今回の不正疑惑は、司法に任せ、必要に応じて進捗を国会で点検していけば良いはずだ。
そもそも、なぜゆえ、「政治と金」が国会で論じられねばならないかと言えば、70年代から(もちろんそれ以前からも)、「金権政治」がはびこり、国政を金がゆがめたため、これを是正しようといううねりになったからである。「金の横暴」を取り締まる法制がなかったから、やりたい放題だった。それ以後、国民の間には政治と金は切り離されるべきだとの認識が広まり、また取締りの法律も整備されてきた。警戒を解くわけにはいかないが、40年前の状況と現在を同じ状況と見るのは誤りだ。現在では金に癒着しているのは特定の個人であり、政治全体ではない。だから、これは司法の問題であり、それなりの合理的な必要性が無い限りは、国会で「論戦」することは控えるべきだ。