日本は海洋国家である。日本は人口規模で世界10位、国土面積では61位だが、領海を含めた排他的経済水域の面積ベースでは6位と言われている。この海域は、国土の約12倍の面積を持ち、世界3大漁場の1つであり、メタンハイドレードなど多くの海底資源の存在と採掘の可能性を秘めている。ところが、尖閣への度重なる侵略の試みに見られるように、中国は、こうした日本の海域を狙い、更には太平洋の実効支配までも狙って、海軍力の増強と装備の最新鋭化に邁進している。韓国なども、同じような狙いを持っている。
こうした脅威に対抗すべく、海自は装備の強化を進めている。今月6日、海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦の命名・進水式が行なわれ、「いずも」と名付けられた。
「いずもは基準排水量約1万9500トン、全長248メートル、横幅38メートル。建造費は約1200億円。米軍の輸送機オスプレイも搭載可能とされる。海自は、いずもと同型の護衛艦1隻を現在建造中だ。」(6日 産経)。 いずもは、海自最大の艦艇、艦首から艦尾まで貫く全通甲板がある空母さながらの外観である。いずもは、2015年3月に就役予定であり、日本の海の防衛に大きな力を発揮するものと期待される。
ところが、日本のこのような主権、利権を防衛するための当然かつ最低限の行動に対して、例によって中国は、不当な日本批判を展開している。
「(いずも進水を)中国各紙は7日付1面で「準空母」と写真入りで大きく報じ、「安倍政権による日本の右傾化の象徴」などと批判した。 中国各紙は「いずも」について、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの搭載能力があり、垂直離着陸型戦闘機F35B(米軍が開発中)も「改造すれば搭載可能」などと図解も使用して報道。艦名について「対中侵略戦争に使われた艦船と同じ名前」と指摘し、「(広島への)原爆(投下)の日にあわせて準空母を進水させた。政治的な意味がないわけがない」と述べるなど、警戒感をあらわにした。 …略… 国際情報紙「環球時報」は社説で「中国は空母を発展させることで対抗していくしかない」と指摘した。」(7日 毎日)。
これらの内容は、いずもの軍事的な性能面については正しいと言えるだろう。いずもは、防衛のための護衛艦であるので、戦闘機や爆撃機を搭載できるものとはなっていない。しかし、必要となれば、戦闘機を発進できる軽空母に改造することができる。十分訓練された海自の隊員は、いずもを、戦略的に最大効率で運用する技能を備えてもいるだろう。今回の進水式の公開は、中国海軍の露骨な日本の海域への野心を牽制し、必要あれば、実力で阻止するという日本の意志表明ともなっている。
他方、上記中国各紙の政治的問題をからめた論評は、全くの虚偽、こじつけである。論評は中国の軍国主義的拡張主義を、覆い隠すと同時に、中国国民を戦争準備に駆り立て、更には日本国民の防衛意志を混乱させ、分断するための政治的虚偽、プロパガンダと言えるだろう。中国の軍事予算は(非公表分を含めると)日本の5-6倍はあるものと見られているから、中国の拡張主義の野心は隠しようもない事実である。いずもがあるから、中国が空母を対抗させざるを得ないのではなく、中国が攻撃能力を備えた正規空母の建造配備を進めているからこそ、いずものような防衛的艦船が必要なのだ。
中国は昨年9月、全長約300m、排水量6万7500トン、60機近くの戦闘機など搭載できる攻撃型空母、「遼寧(りょうねい)」を就役させた。これはウクライナから購入した旧式の空母を中国で改造したものである。50機ほどの艦載機の内、戦闘機の搭載予定は約30機~35機。現代の空母での標準である、カタパルト発進ではなく、艦首にある大きなジャンプ台から戦闘機が自分で飛び出すという発進方法であるので、迅速な発進ができない。いまのところ、この遼寧は、米国などの最新型の空母からみると、旧式の代物と言える。しかし、中国は、この遼寧をベースにして、もっと高性能な国産空母を建造中であり、2015年就役を目指している。中国は、将来、原子力空母を含む、数隻の空母群を持つことを目指しているとされる。もともと海洋国家とも言えない中国が、いまごろになってなぜ空母を所有する必要があるか。それは太平洋、そして世界の海への軍事的な進出を狙っているからであり、尖閣の略奪作戦はこの一環と言える。
ところで、原子力空母を含む数隻の空母群を持つことができたにしても、いまさら中国に何ができるのだろうか。世界に乗り出すにはあまりにもお粗末である。日本は73年も前に、9隻もの艦隊型空母(正規空母+軽空母)を持っていた。対する米国は、当時7隻の艦隊型空母しか持たなかったが、日本の空母の運用作戦の失敗と、米国の圧倒的な新艦建造能力によって、結局日本は敗退した。いままで太平洋に出たこともない中国が、数隻の空母を持ったにしても、その軍事的、技術的性能、空母の運用能力などを考えると、米国の敵ではない。こんな貧弱な海軍力で、米国海軍に対抗しようという発想自体が笑止千万なことである。現在中国がやろうとしていることを見ると、この国がいかに旧態然たる国か、百年前の考えで現在を生きている国であるかがわかる。
だから中国は、北と同様、常識というものが通用しない国だということになる。かつての日本がそうであったように、中国も、情勢を客観的に見ることなく、自分勝手な妄想に突っ走る路線、すなわち「軍国主義」を突き進んでいる。中国の怖さはまさにこの点、物事を客観的かつ総合的に見れないという点にある。そして重要なことは、米国にはともかくとして、中国の空母は、防衛力を極限まで絞っている現在の日本にとっては、十分過ぎるほどに脅威だと言うことである。このような常識が通じない危険な国から、日本を守るためには、日本も、必要最低限の艦船を持たねばならない。「話せばわかる」などといった観念的な念仏を唱えていても、「平和」を得ることなどできはしない。防衛のための反撃、攻撃能力があって初めて「平和」は実現する。日米同盟はあるにせよ、何から何まで米国頼みにするわけにはいかない。いずもが、日本のために最大限の働きをしてくれることは疑いないにしても、これだけでは、まだ十分ではない。いずもの姉妹艦の一日も早い就役が望まれる。海自の装備の更なる、そして早急な増強と、法律の整備が急がれるのである。
こうした脅威に対抗すべく、海自は装備の強化を進めている。今月6日、海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦の命名・進水式が行なわれ、「いずも」と名付けられた。
「いずもは基準排水量約1万9500トン、全長248メートル、横幅38メートル。建造費は約1200億円。米軍の輸送機オスプレイも搭載可能とされる。海自は、いずもと同型の護衛艦1隻を現在建造中だ。」(6日 産経)。 いずもは、海自最大の艦艇、艦首から艦尾まで貫く全通甲板がある空母さながらの外観である。いずもは、2015年3月に就役予定であり、日本の海の防衛に大きな力を発揮するものと期待される。
ところが、日本のこのような主権、利権を防衛するための当然かつ最低限の行動に対して、例によって中国は、不当な日本批判を展開している。
「(いずも進水を)中国各紙は7日付1面で「準空母」と写真入りで大きく報じ、「安倍政権による日本の右傾化の象徴」などと批判した。 中国各紙は「いずも」について、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの搭載能力があり、垂直離着陸型戦闘機F35B(米軍が開発中)も「改造すれば搭載可能」などと図解も使用して報道。艦名について「対中侵略戦争に使われた艦船と同じ名前」と指摘し、「(広島への)原爆(投下)の日にあわせて準空母を進水させた。政治的な意味がないわけがない」と述べるなど、警戒感をあらわにした。 …略… 国際情報紙「環球時報」は社説で「中国は空母を発展させることで対抗していくしかない」と指摘した。」(7日 毎日)。
これらの内容は、いずもの軍事的な性能面については正しいと言えるだろう。いずもは、防衛のための護衛艦であるので、戦闘機や爆撃機を搭載できるものとはなっていない。しかし、必要となれば、戦闘機を発進できる軽空母に改造することができる。十分訓練された海自の隊員は、いずもを、戦略的に最大効率で運用する技能を備えてもいるだろう。今回の進水式の公開は、中国海軍の露骨な日本の海域への野心を牽制し、必要あれば、実力で阻止するという日本の意志表明ともなっている。
他方、上記中国各紙の政治的問題をからめた論評は、全くの虚偽、こじつけである。論評は中国の軍国主義的拡張主義を、覆い隠すと同時に、中国国民を戦争準備に駆り立て、更には日本国民の防衛意志を混乱させ、分断するための政治的虚偽、プロパガンダと言えるだろう。中国の軍事予算は(非公表分を含めると)日本の5-6倍はあるものと見られているから、中国の拡張主義の野心は隠しようもない事実である。いずもがあるから、中国が空母を対抗させざるを得ないのではなく、中国が攻撃能力を備えた正規空母の建造配備を進めているからこそ、いずものような防衛的艦船が必要なのだ。
中国は昨年9月、全長約300m、排水量6万7500トン、60機近くの戦闘機など搭載できる攻撃型空母、「遼寧(りょうねい)」を就役させた。これはウクライナから購入した旧式の空母を中国で改造したものである。50機ほどの艦載機の内、戦闘機の搭載予定は約30機~35機。現代の空母での標準である、カタパルト発進ではなく、艦首にある大きなジャンプ台から戦闘機が自分で飛び出すという発進方法であるので、迅速な発進ができない。いまのところ、この遼寧は、米国などの最新型の空母からみると、旧式の代物と言える。しかし、中国は、この遼寧をベースにして、もっと高性能な国産空母を建造中であり、2015年就役を目指している。中国は、将来、原子力空母を含む、数隻の空母群を持つことを目指しているとされる。もともと海洋国家とも言えない中国が、いまごろになってなぜ空母を所有する必要があるか。それは太平洋、そして世界の海への軍事的な進出を狙っているからであり、尖閣の略奪作戦はこの一環と言える。
ところで、原子力空母を含む数隻の空母群を持つことができたにしても、いまさら中国に何ができるのだろうか。世界に乗り出すにはあまりにもお粗末である。日本は73年も前に、9隻もの艦隊型空母(正規空母+軽空母)を持っていた。対する米国は、当時7隻の艦隊型空母しか持たなかったが、日本の空母の運用作戦の失敗と、米国の圧倒的な新艦建造能力によって、結局日本は敗退した。いままで太平洋に出たこともない中国が、数隻の空母を持ったにしても、その軍事的、技術的性能、空母の運用能力などを考えると、米国の敵ではない。こんな貧弱な海軍力で、米国海軍に対抗しようという発想自体が笑止千万なことである。現在中国がやろうとしていることを見ると、この国がいかに旧態然たる国か、百年前の考えで現在を生きている国であるかがわかる。
だから中国は、北と同様、常識というものが通用しない国だということになる。かつての日本がそうであったように、中国も、情勢を客観的に見ることなく、自分勝手な妄想に突っ走る路線、すなわち「軍国主義」を突き進んでいる。中国の怖さはまさにこの点、物事を客観的かつ総合的に見れないという点にある。そして重要なことは、米国にはともかくとして、中国の空母は、防衛力を極限まで絞っている現在の日本にとっては、十分過ぎるほどに脅威だと言うことである。このような常識が通じない危険な国から、日本を守るためには、日本も、必要最低限の艦船を持たねばならない。「話せばわかる」などといった観念的な念仏を唱えていても、「平和」を得ることなどできはしない。防衛のための反撃、攻撃能力があって初めて「平和」は実現する。日米同盟はあるにせよ、何から何まで米国頼みにするわけにはいかない。いずもが、日本のために最大限の働きをしてくれることは疑いないにしても、これだけでは、まだ十分ではない。いずもの姉妹艦の一日も早い就役が望まれる。海自の装備の更なる、そして早急な増強と、法律の整備が急がれるのである。