もとなりくんの「今週の政治 ‘とんでも’」

日本の経済、安保危機を打開する力は、国民の結束と強い政治しかない

習近平訪英_ ヒステリックに日本批判 金の力で言いたい放題 コケにされた英国 もう中国の先は見えた!

2015-10-22 20:20:16 | 政治
2015年10月22日
「英国訪問中の中国の習近平国家主席は20日、中国の指導者として初めて行った英議会の演説に続き、公式晩餐(ばんさん)会のあいさつでも第二次大戦における「日本の残虐性」に言及した。習氏はドイツや韓国など他の訪問先でも歴史問題で日本を批判しており、英国でも中国の抗日史観を繰り返して暗に同調を求めた形だ。 習氏は議会演説でまず、「今回の訪問が中英関係を新たな段階に引き上げることになるだろう」と述べた。その上で第二次大戦にふれ、英国は軍備や医薬品を提供して「抗日戦争に協力した」と述べ、「世界正義に尽力した人たちの歴史は忘れられることはない」と強調した。 11分弱の演説時間のうち、習氏が口にした国名は英中両国以外では唯一、日本だけだった。…略…  次いで、バッキンガム宮殿で行われた公式晩餐会で習氏は、主催者のエリザベス女王と赤いドレスをまとったキャサリン妃の間に着席した。女王は、国連安全保障理事会常任理事国である英中両国が「世界的なパートナー」として「世界の安全と繁栄に対して協力する責任がある」と語った。  英紙の報道によると、この後、わずか数分間のあいさつで、習氏は再び第二次大戦の話を持ち出し、「日本の残虐性」について報じた英国人ジャーナリストを取り上げ、両国国民は第二次大戦で「正義のために助け合い、日本の侵略に抗してともに戦った」と強調したという。」(21日 産経)。
こうなるともうマンガというしかない。習近平はもう少しちゃんとした人間かと思っていたが、どうもそうではないことが、今回の訪英によってはっきりした。このような言動は、非現実的で偏執狂的妄想に憑りつかれたものと言わざるを得ない。なぜ、英国にまで行って日本非難をするのか我々日本人には全くわからないし、それは英国人にも同様だろう。わかることは、彼そして中国にとって日本が目の上のたんこぶになっているらしいこと、それゆえ彼は非常に日本を嫌っているということぐらいだろう。まあ、それも無理のないことである。自由も民主主義も、大した文化もない野蛮な中国が、成金になって舞い上がり、何を勘違いしたか、世界制覇の野望を抱いて、それを実現しようとしていることに、敢然と立ちはだかっているのが日本だから、面白かろうはずがない。しかも日本は集団的自衛権の行使を含む安保法を成立させ、日米同盟は一層強化されたから、中国は手も足も出せない。世界から大国としての指導力の認知を得るべく意気込んで挙行した先月3日の抗日戦勝記念日軍事パレードも散散だった。先進民主主義国からは完全に無視され、集まったのは後進国、非民主主義国、独裁国家ばかりで(もちろん韓国、ロシアも)、却って中国がいかに野蛮な後進国であるか、尊敬されていないかを世界中に広める結果になってしまった。先月の訪米でも、米国にほとんど無視された形で適当にあしらわれてしまい、ひどくプライドを傷つけられたことだろう。国内的には、経済の急減速で、今や中国は世界の‘疫病神’扱いである。こうした問題を克服すべく、パクリで作った原発や、高速鉄道、車、中型旅客機などの世界への売り込みを狙うが、その前には高品質の日本製品が立ちはだかっている。ヒステリックな日本批判は、こうした彼の苦境と苛立ちを表しているはずだ。これは、それなりの効果があると読んでいるのだろうが、あまりにも単純かつ幼稚なやり方なので、お気の毒ながらこれも裏目に出るに違いない。まず、彼らが‘日の出の勢い?’と自認する中国が日本にここまで執着するということは、そうならざるを得ないほど日本の力が中国と同等かもしくはそれ以上であることを、彼自身が証明したことになる。日本がいかに大国であるかを期せずして彼が世界中に宣伝してくれているのである。これはまた、彼と中国がいかに追い込まれているかを世界中に示したことにもなっている。更にまた、この金の力にものを言わせた傍若無人な振る舞いは、英国国民の反発、そして世界の反発を招くことは必至だろう。中国はとても世界をリードできるような国ではないことが、白日の下に曝け出されたということだ。
それにしても、この習近平のやりたい放題で、英国は完全にコケにされてしまった。英中関係を話すために招いたのに、ホスト国とは全く関係のない話を滔滔としゃべるなど無礼の極みと言える。中国の傲慢な態度には前科がある。昨年6月、李克強首相の英国訪問に当たっては、中国は李氏とエリザベス女王との会見を強要したし、李氏の英国到着時に空港で用意された赤絨毯が3メートル短かったと文句を言い、直させたという事件があった。ここまでやられて、英国はよく我慢するものだと呆れるばかりだが、背に腹はかえられぬということか。英国は、AIIB問題では中国の歓心を買うために、日米の懸念を振り切り、欧州の先陣を切って、参加表明した。要は、中国の金の力に屈服した形であり、大英帝国も落ちぶれたものだとの感は拭えない。
中英首脳会談後の共同記者会見でキャメロン首相は中国以外で世界初となる人民元建て国債の発行をロンドンで始めることでも合意したと述べた。両国は、「過去最大の対英投資」である原発を含め、日本と競合する新高速鉄道(HS2)建設への中国企業の参入など、総額300億ポンド(=約5.5兆円)相当の経済協力文書に調印する予定(追記;その後、総額400億ポンド(約7兆4千億円)と発表された)。ただ、原発建設ではサイバー攻撃やスパイ行為を続ける中国に依存することに強い警戒感も出ているというから、先行きは明瞭とは言えないだろう。
中国の人権問題について質問されたキャメロン氏は、「人権を話すには経済関係の発展が重要だ」と語り、習氏は「世界の人権問題は改善の余地がある」と述べるにとどまったというから、英国の腰は完全に引けている。ただ、中国の人権問題に批判的なチャールズ皇太子は公式晩餐会を欠席したから、この点では大英帝国の意地を見せた形だ。
ともあれ、習主席の発言は嘘だらけだ。抗日戦を戦ったのは国民党軍であり、中国共産党ではない。中共軍にはそれだけの戦力は無かったし、また彼らの関心は国民党との内戦に勝つことでしかなかった。とにかく、中京は自由や民主主義、正義などとは無縁の集団なのだ。中国と英国との関係を語るのに、薬の供与だとか、一介の英国記者が中国支援の記事を書いたとか、この程度のエピソードしか出せないようでは、何の関係も無かったということを言っているに等しい。それどころか、英国は中国の植民地化に乗り出した元凶であり、アヘン戦争で中国・清を完膚なきまでに打ちのめし、香港などを分捕った。中国側からすれば怨み骨髄の敵であるはずなのに、その過去を取り上げないのは、英国を欧米攻略の橋頭堡としようとしているからである。これは、中国がいかにご都合主義の国、法や正義に無縁な国であるかを示している。いずれにせよ、日英関係は、先の大戦では敵対したものの、それ以外では強く長い信頼関係ができている。習主席がこんな無礼なやり方でいくら日本の悪口を言っても、ほとんど効果はないだろう。そもそも、80年も前の日本の行動を批判、それも虚偽だらけの批判をしてみても、第三国が真剣に聞くはずもない。しかも、中国は日本より100年も遅れて、時代錯誤の帝国主義的拡張主義に突き進んでいる。そして、人々に対しては残虐さの限りを尽くしている。たとえば、亡命ウイグル人組織を束ねる「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長は20日の都内の記者会見で次のように言っている。「習近平(国家主席)が政権を取ったこの2年あまりはウイグルに対する弾圧が一段と激しくなっている。政権は弾圧を隠蔽しているが、まったく抵抗しない普通の農民や市民らを殺害している」 「私は国連に驚いている。歴史的な問題を彼らは追及するが、現在行っている殺戮(さつりく)に対してはなぜ黙っているのか。なぜ現在進行形の問題については追及しないのか。大国のやっていることには何もタッチしないという態度なのか。中国当局はウイグルの資源を略奪し、その金を世界にばらまいて、民族浄化を正当化している」(21日 産経)。
まさにこの通りである。中国は偉そうに日本を批判する前に、現在行っている残虐な好意を止めるべきである。ところが習主席は次のような恥知らずな話までしている。「(議会演説で)習氏は、「人民のための政治や法による統治という概念は、古代中国で誕生した」と述べた。英紙は「習氏は、英国による民主主義の講義を受けるつもりはないとの強い姿勢を示した」と伝えた。」(21日 産経)。百歩譲ってこれが正しいとしても、現在の中国で法や正義が行われているかどうかとは何の関係もない。また、古代の法と近代の法はまったく異なる理念や価値観や体系のものだから、こんなことを言っても何の意味もない。これは詭弁とも言えないほど低劣な発言であり、妄想、ファンタジーとしか言いようがない。朴大統領による韓国流妄想、ファンタジーの毒気にやられたか? とにかく現在の中国の思想的劣化は隠しようもない。
ところで、韓国の中国へのゴマすり男、潘基文が事務総長をやっている国連はまさに弱者いじめの機関である。エリザベス女王は、国連安全保障理事会常任理事国である英中両国が「世界的なパートナー」として「世界の安全と繁栄に対して協力する責任がある」と述べたが、これは当然のことであり、だから英国はそのための行動をすべきだ。今は、大英帝国も、中国皇帝の威光に跪いている状態だが、いくらなんでもこれは長くは続かないだろう。中国の出鱈目さに対する世界の目も厳しくなるだろうし、中国原発、高速鉄道の技術、そして仕事の進め方の出鱈目さも露わになるだろう。紳士の国の誇りがやがては怒りとして爆発するはずだ。何よりもう中国にはばら撒く金もなくなりつつあるから、「金の切れ目が縁の切れ目」となることだろう。日本は、この展開を高みの見物といきたい。

コメントを投稿