先月末に全国77ヶ所のハローワークで実施されたワンストップサービスの利用者は、2399人。その効果を検証するために開催された「貧困・困窮者支援チーム」の会議で、12月下旬に第2回目の「ワンストップサービスデイ」を開催すること、安心して年末年始をおくれるようにと住宅紹介を中心とする生活総合相談を実施することが確認された。また、全国の都道府県と政令指定都市、中核都市に協力を呼びかけ、昨年度末のようなこと(日比谷公園の「年越し派遣村」)が再び起こらないよう、全力を挙げて取り組むことになった。
失業者の総合相談、年末年始開催へ=住宅紹介が中心-政府
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-091203X603.html
今回の試行を高く評価する声がある一方で、ワンストップサービスを試行していることを知らずに訪れた人たちがいる(困っている人たちに情報が届いていない)、「生活保護は相談のみ」としたためにワンストップになっていないと評価する人たちもいる。あと2週間しかないが、改善ポイントを整理し、第2回目の試行が始まる前に業務マニュアル(実践的ノウハウ集)として展開すべきだろう。
<菅副総理>「求職者支援は福祉と連動を」と指示
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091203-00000089-mai-pol
仕事を失うと同時に住まいも失う人が絶えない。そのような場合でも失業給付が出るまでには3ヶ月かかる。住むところのない不安定な暮らしを強いられ、それが理由で次の仕事が見つからない、生活保護も受けられないということになると、路上生活=ホームレスに向かう「悪いスパイラル」に入ってしまう。そうすると、なかなか抜け出せない。住宅手当やつなぎ資金の貸付などの制度があったとしても、あることを知らなかったり、要件を充たしていないからと利用できなかったりする。失業給付などを受け取ろうにも、金融機関に口座がないと受け取れないし、住まいが定まっていないと新たに口座をつくることもできない。
つまり、失業がきっかけとなって「貧困・生活困窮」に陥らないようにするための「セーフティネット」が制度ごとにばらばらに張られていて、どこにも引っかかることなく落ちてしまう人たちが出てしまうような状態である。ハローワークでのワンストップサービス(窓口の一元化)は、あまりにも対症療法的。様々なセーフティネットを連動させ、重ね合わせるように張ること=社会保障制度として実現することが求められているということだろう。
このブログで書いたように、失業者の5人に4人は、雇用保険に加入していない。仕事を失うと家賃が払えなくなり、住まいも失う。既存のセーフティネットではカバーできない人たちが増え続けているということである。「求職者支援は福祉と連動を」というのは、ハローワークで仕事を紹介するだけでは不十分。仕事に就くための何らかの「壁」があれば、乗り越えるように支援する、その準備が整うまでの間の生活を支えるために、生活保護や貸付などのサービスを使えるようにする。仕事に就いて、望む生活を実現することを目標として、様々なサービスを連動させ、セーフティネット(これ以上、落ちないようにするための網)から元の高さまで跳ね返すような「トランポリン」的な支援のあり方が求められている。そうしないと、セーフティネットから多くの人たちが抜け出せなくなってしまう。
なお、既存のセーフティネットもボロボロになっており、早急に手入れをしなければならない状態である。雇用情勢の悪化を受けて、失業手当の支給が急増しており、労働保険特別会計に3000億円を投入する方針が明らかになった(補正予算に計上予定)。10月の失業給付の受給者は、約85万5千人で、前年同月より約4割増えている。リーマン・ブラザーズが破綻したのは、2008年9月。「対岸の火事」のように思っていたが、その直後から大きな影響が出始め、「リーマン・ショック」という言葉がうまれるに至った。それから1年あまりが過ぎようとしており、リーマン・ショックで仕事を失った人たちの失業給付受給期間(1年間)が終わろうとしている。年末から年度末に向けての経済情勢・雇用情勢、緊急雇用対策などから目が離せない。
失業手当の受給者急増 3千億円追加投入方針 補正予算
http://www.asahi.com/politics/update/1203/TKY200912020475.html?ref=goo
失業者の総合相談、年末年始開催へ=住宅紹介が中心-政府
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-091203X603.html
今回の試行を高く評価する声がある一方で、ワンストップサービスを試行していることを知らずに訪れた人たちがいる(困っている人たちに情報が届いていない)、「生活保護は相談のみ」としたためにワンストップになっていないと評価する人たちもいる。あと2週間しかないが、改善ポイントを整理し、第2回目の試行が始まる前に業務マニュアル(実践的ノウハウ集)として展開すべきだろう。
<菅副総理>「求職者支援は福祉と連動を」と指示
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091203-00000089-mai-pol
仕事を失うと同時に住まいも失う人が絶えない。そのような場合でも失業給付が出るまでには3ヶ月かかる。住むところのない不安定な暮らしを強いられ、それが理由で次の仕事が見つからない、生活保護も受けられないということになると、路上生活=ホームレスに向かう「悪いスパイラル」に入ってしまう。そうすると、なかなか抜け出せない。住宅手当やつなぎ資金の貸付などの制度があったとしても、あることを知らなかったり、要件を充たしていないからと利用できなかったりする。失業給付などを受け取ろうにも、金融機関に口座がないと受け取れないし、住まいが定まっていないと新たに口座をつくることもできない。
つまり、失業がきっかけとなって「貧困・生活困窮」に陥らないようにするための「セーフティネット」が制度ごとにばらばらに張られていて、どこにも引っかかることなく落ちてしまう人たちが出てしまうような状態である。ハローワークでのワンストップサービス(窓口の一元化)は、あまりにも対症療法的。様々なセーフティネットを連動させ、重ね合わせるように張ること=社会保障制度として実現することが求められているということだろう。
このブログで書いたように、失業者の5人に4人は、雇用保険に加入していない。仕事を失うと家賃が払えなくなり、住まいも失う。既存のセーフティネットではカバーできない人たちが増え続けているということである。「求職者支援は福祉と連動を」というのは、ハローワークで仕事を紹介するだけでは不十分。仕事に就くための何らかの「壁」があれば、乗り越えるように支援する、その準備が整うまでの間の生活を支えるために、生活保護や貸付などのサービスを使えるようにする。仕事に就いて、望む生活を実現することを目標として、様々なサービスを連動させ、セーフティネット(これ以上、落ちないようにするための網)から元の高さまで跳ね返すような「トランポリン」的な支援のあり方が求められている。そうしないと、セーフティネットから多くの人たちが抜け出せなくなってしまう。
なお、既存のセーフティネットもボロボロになっており、早急に手入れをしなければならない状態である。雇用情勢の悪化を受けて、失業手当の支給が急増しており、労働保険特別会計に3000億円を投入する方針が明らかになった(補正予算に計上予定)。10月の失業給付の受給者は、約85万5千人で、前年同月より約4割増えている。リーマン・ブラザーズが破綻したのは、2008年9月。「対岸の火事」のように思っていたが、その直後から大きな影響が出始め、「リーマン・ショック」という言葉がうまれるに至った。それから1年あまりが過ぎようとしており、リーマン・ショックで仕事を失った人たちの失業給付受給期間(1年間)が終わろうとしている。年末から年度末に向けての経済情勢・雇用情勢、緊急雇用対策などから目が離せない。
失業手当の受給者急増 3千億円追加投入方針 補正予算
http://www.asahi.com/politics/update/1203/TKY200912020475.html?ref=goo