死刑廃止論を考える

鳩山邦夫法務大臣が、昨年８月に就任して後、すでに１０人の死刑囚に対し死刑執行したことが話題になっています。
日本弁護士連合会は、死刑執行に反対しています。
でも、私は、死刑執行に反対すること自体、逆におかしい、と考えています。
凶悪犯人に対する刑事事件において、たいていの場合、地方裁判所だけにとどまらず、高等裁判所、さらには最高裁判所までの審理を終えて死刑が確定しています。死刑判決は、刑法が定めた極刑です。何人もの裁判官が、被告人に死を与えてでもなお許されない犯行に対し、それでも、死をもって償え、と判断しているのです。
死刑廃止論者は、被告人が、絞首刑にされることだけを、非人道的と評価しています。
でも、その被告人が、何人もの罪のない人を切り刻んで、命を奪った事例において、家族を奪われた遺族の言葉に言い表せない苦しみを考えたことがあるのでしょうか。
死刑廃止論者の、現実離れした、あるいは、現実を見つめない仮面をかぶった人権論議はまっぴら御免です。
死刑判決も、死刑執行も、法律に則って行なわれていることです。
おそらく、裁判員制度は、死刑廃止論を片隅に追いやってしまうでしょう。
もし、死刑廃止論を展開するならば、法律の改正の場面で議論すべきでしょう。国民の多数が、死刑廃止を望むなら、死刑制度はなくなります。
国民の望む平和な社会の確立が、前提でしょうが・・。