弁護士川原俊明のブログ

川原総合法律事務所の弁護士活動日記

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律

2017-05-17 14:22:36 | 会社法


   中小企業において、経営自体は順調だが、
  経営者が体力面等から経営の一線から退きたいと考えた場合、
  どうしたらいいでしょうか?
  廃業という手段もありますが、
  顧客のニーズや従業員の雇用を考えると、
  そうもいかないケースも少なくないでしょう。
   適当な後継者がいない場合には、会社や事業を売却して、
  今後の生活資金を確保するのが相当でしょう。
   推定相続人等に適当な後継者がいる場合には、
  株式や事業用資産をその人に集中させて、
  経営を安定化させることが重要になります。
   しかし、何の対策もしないで経営者が死亡してしまうと、
  相続により、株式や事業用資産が
  バラバラになってしまう虞があります。
   また、生前贈与や相続分の指定は集中の有効な手段ですが、
  他の相続人の遺留分(民法1028条~)
  により必ずしも集中ができない虞もあり、
   また、多額の贈与税や相続税もかかります。
   さらに、他の相続人から株式や事業用資産を買い取るとすると、
  多額の資金が必要になります。
   そのような問題の解決の一助になるのが、
  中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律です。
   この法律では、遺留分に関する特例制度、
  贈与税や相続税の納税猶予制度、
  政府系金融機関からの低利融資制度等の経営承継を
  円滑に行うための制度が用意されています。
   しかし、かかる制度を上手に利用して
  承継を円滑に進めるためには、
  まず、綿密な事業承継計画の作成が必要となります。

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弁護士 川 原 俊 明 
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藤圭子と私

2013-08-23 21:18:41 | 会社法


「圭子の夢は夜ひらく」。1970年ころ藤圭子が歌っていた大ヒット曲でした。
昨日、藤圭子が不慮の死を遂げたという報道がありました。ご冥福をお祈りします。芸能人とは接点が少ない私ですが、藤圭子だけは強烈な思い出があります。藤圭子というよりも、藤圭子にまつわる私自身のなつかしい強烈な思い出でがあります。

 当時、私は早稲田の貧乏学生でした。早稲田界隈の下宿屋に、3畳一間の狭い部屋に一か月3,000円(畳一枚1000円)の家賃で住んでいました。司法試験受験のため、大学の図書館と下宿を往復する毎日でした。下宿にはテレビもなく部屋のラジオも滅多に聞かない生活でした。なぜなら部屋の間仕切りはベニヤ板だったからです。朝起きてベニヤ板の壁にもたれてお茶を飲んでいると、偶然にも隣の学生も同じ位置にもたれたので、壁がせり上がって驚いたことがあります。信じられないことですが、背中の異様な感触を数十年後の今もなつかしく覚えています。そんな下宿生活だったものですから、ラジオを聞くと隣の部屋に丸聞こえなので遠慮して聞かなかったのでした。ですから当時の流行歌も知らず、ひたすら勉学の日々を送っていました。

 あるとき、仲のいい高校時代の友達が、大阪で就職し、東京出張の機会に私に会いに来てくれたことがありました。 「おいしいもの食っていないだろう」と貧乏学生の私を案じて、新宿の繁華街にある寿司屋に連れて行ってくれました。
 東京在住とはいえ、ほとんど早稲田村から出たことがない私には新宿の繁華街はむしろもの珍しさが一杯でした。食事を終わって寿司屋を出たとたん、目の前に着物姿の小柄な可愛い女性が立っていました。
 大阪の友人は、「藤圭子や」と目を輝かして私に伝えてくれました。しかし、当時の私は、「藤圭子」の名前も顔も知らず、ましてや「圭子の夢は夜ひらく」といったヒット曲も知りません。ただ可愛い子だ、と思って見ていた女性が超有名人だと知った強烈な印象が残っています。

私と藤圭子との接点はただそれだけでしたが、当時は世間知らずの「今浦島」であった私。今回の新聞記事が「藤圭子と私」の記憶を蘇らせてくれました。



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会社合併

2013-08-08 16:28:32 | 会社法
 会社が事業規模を拡大しようとするとき、もっとも早く実現する手段の一つとして、他の会社を吸収合併する、という方法があります。当該他の会社の事業をそのまま引き継げるからです。
 合併のメリットとしては、消滅する会社の権利を包括的に承継するという点や、追加の資金を必要としないという点があります。
 つまり、消滅する会社と取引会社間の契約関係については、個別の同意を取らなくても、吸収する会社が引き継げますし、その対価として自社の株を発行すれば追加資金も必要ありません。
他方、デメリットとしては、原則として株主総会決議や債権者保護手続が必要となることや、反対株主買取請求権が発生する場合があることなどがあります。債権者保護手続においては、会社の債権者に会社の決算書等を開示しなくてはなりません。
また、消滅する会社の債務を包括的に承継するため、簿外債務・偶発債務を遮断できないという問題があります。
 単純に、他の会社の一事業が欲しければ、「合併」ではなく「事業譲渡」や「会社分割」という手段がありますし、他の会社すべてが欲しいときでも「合併」の他に「子会社化」という手段もあります。
 企業が成長を続けるためには、どこかで組織再編を行う必要がありますが、どの形態(合併なのか事業譲渡なのか等)で行うかについては、各形態のメリットデメリットを吟味しなければなりませんので、その際には当事務所にご相談下さい。



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ロースクール「退場」の前に

2013-07-04 14:05:59 | 会社法
         

政府の法曹養成制度検討会議が、司法試験合格者数の不振な法科大学院(ロ-スクール)を「退場」させる、と報道されています。
司法試験制度が、私たちの頃と異なる制度に改正されました。ロースクールを卒業しないと原則的に新司法試験を受験できないシステムになりました。 司法試験合格者数も3000名に引き上げる、という計画でスタートしたのですが、それも「撤回」。平成18年に新司法試験制度ができて7年。現状は、多くの司法修習生が修習を終えても弁護士事務所に就職できない事態が続いています。
  新司法試験制度そのものが間違っていたのではないでしょうか。多様な社会経験のある法曹を育てる、というのが制度趣旨でした。この制度趣旨をそのまま実践して未習者中心に入学させていた早稲田大学は合格者数を減らし、旧司法試験並みの予備校式受験システムをとったロースクールが合格者数を確保する不可解な現象。そして本来の制度に沿った「多様な法曹育成」のため合格者数を確保できなければ「強制退場」。
 受験生の人生を振り回す行政に大きな責任があります。ロースクールの退場よりも、もっと先にすべきことがあります。司法修習生の雇用先の確保・拡充をすべきです。
 弁護士事務所以外にも、国や地方公共団体で法曹資格を生かした職種を提供すべきです。国は、法曹を志す若者の夢を奪ってはいけません。司法の信用に関わることです。


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