弁護士川原俊明のブログ

川原総合法律事務所の弁護士活動日記

日弁連の役割は

2010-03-30 18:31:27 | 日記・コラム
平成22年3月、日弁連の新会長に宇都宮健児氏が、当選されました。
 日弁連選挙としては、極めて珍しい再選挙での当選。
 司法試験合格者の低減を標榜し、若手弁護士票を一気に集めたと見られています。
 若手弁護士の勤務・業務形態をとらえて、イソ弁(いそうろう・勤務弁護士)から、ノキ弁(法律事務所のノキ先を借りるたとえ)、宅弁(自宅開業弁護士)、即弁(登録して直ちに独立開業)など、さまざまな新語が生まれました。
新語が現れるほどに、新しくバッチをつける弁護士の就職難は、現実にも厳しいものがあります。

 若手弁護士にまつわる、さまざまな新語。
最近乗ったタクシーの運ちゃんが、これを話題にしてくれました。
 それほどに、法曹人口の増大、これにともなう就職場面でのひずみが、社会の多くの人々に知れ渡っているのだと、痛感しました。
 
私も、日弁連(日本弁護士団体連合会)に関心の薄いノンポリ弁護士です。

「こんな日弁連に誰がした?」
最近、平凡社新書として刊行された表記の新書を熟読し、弁護士会が主張するような「法曹一元」(裁判官は、すべて弁護士経験者から採用されるべきだ)が、幻想に過ぎないことを認識しました。

弁護士からの裁判官志望者が、極めて少ない現実を見ると、いくら弁護士を増やしても、すべての裁判官を弁護士経験者で構成する、とする法曹一元論者の「裁判所支配」論は、非現実的です。
幻想の「法曹一元」論実現のために、現実を見ないで突っ走った日弁連の弁護士人口増大構想。
「法曹一元」が実現する前に、弁護士同士の過当競争と、弁護士の質の低下による自己崩壊が目に見えています。
従来の日弁連執行部が提唱した司法試験合格者数3000人構想は、弁護士業界の実態とかけ離れているし、多くの弁護士の意見を反映したものか、今では、疑問を感じます。
同時に、今の日弁連が、弁護士業界全体の将来を真剣に考えているのか。
私には、このような根本的な疑問を払拭できません。

前記書籍は、私に弁護士業界の問題を投げかけてくれたものとして評価しています。



弁護士法人 川原総合法律事務所   
弁護士 川 原 俊 明 
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