関東もいよいよ梅雨に突入。晴天下、トンボの姿を追い求める機会も
少し減ってくると思われるので、うっとうしい気分を払拭する意味も
込めて、昨日に続き、自分と少なからず縁のあるトンボを紹介したい。
自分はかつて埼玉初記録のトンボを見つけたことがある。
飛来種などの偶産報告はままあるが、隠れた土着種を見つけるのは
なかなか経験できない事で、貴重な体験を出来たと思っている。
尾瀬にちなんだしゃれたネーミングで、氷河期の生き残りとも言われる。
埼玉でも、ある山村の片隅でひっそりと暮らしていたのを偶然見つけたのは
もう15年以上前の事である。
残念なことに、生息地の上には当時からゴルフ場が建設されており、発見の
3年後には見られなくなってしまった。
以来、この時期になると、思い出したように周辺を探し回るが、
一度失われたものを再発見するのはかなり難しいと思う。
埼玉では極めて稀なオゼイトトンボも、関東北部や東北日本では
決して稀ではない。
山間の草の多い池や湿地、平地の木に囲まれた古池などに産する。
オゼイトを初めて埼玉で発見したのも、奇しくも6月4日虫の日だった。
オゼイトは、同所的に普遍的に見られるオオイトによく似ており、一見してなぜオゼイトに
気づいたのか?
※ オゼイトトンボにそっくりなオオイトトンボ
それにはちゃんときっかけがあった。
初めて見たオゼイトトンボの飛び方が気になったのである。
最近も、何度かオゼイトを見かける機会があり、そのことに改めて気づいた。
オゼイトは、実に独特な飛び方をする。
独特の飛び方と言えば、キイトトンボが思い浮かぶ。あの色合いに加え、
草むらを縫うように飛ぶ姿は他の種類とは明らかに異なる。
そのキイトトンボほど顕著ではないが、たしかにオゼイトの飛び方には特徴がある。
オゼイトトンボに関連づけられるトンボは結構いる。
その代表格がハッチョウトンボだ。
谷地の水気の多い湿地では大体オゼイトトンボとセットで見つかる。
そしてもう一つ忘れてはならないのがモートンイトトンボ。三色アイスの愛称で親しんでいる。
※ オゼイトトンボとよく似ているエゾイトトンボ
山間の池では初夏から夏の間、オゼイトトンボとエゾイトトンボが混生する。
この両者は写真での見分けは簡単だが、実物は見慣れないと見分けが意外と難しいものだ。
オゼイトトンボの出現時期は、初夏から夏への移り変わりである。