童話と絵本の会

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童話と絵本の会 2017.07.06 ふしぎな ぶどう(1~3)

2017-07-06 19:08:37 | ハ行の絵本
2017年 7月 6日(木)晴れ24℃ 70%RH am7:45
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_ふしぎな ぶどう (1~3)
__中国のむかし話  文 那須田稔 絵 井江春代 山本まつ 市川禎男 中尾彰 安泰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

むかし、ある むらに、
ぶどうひめと よばれる、
うつくしい ひとみの
むすめが いました。
むすめは 十二の とき、
みなしごに なって、
おばさんの いえに
ひきとられました。
けれども。ある ひ、
いじわるな おばさんは、
とうとう、むすめを
おいだして しまいました。
それでも むすめは、
むらの がちょうたちの
せわを しながら、
げんきに はたらいて いました。

それから 一ねんほど たって、
おばさんに あかちゃんが うまれました。
ところが、 その あかちゃんは、
うまれつき めくらでした。
むらの ひとたちは、おばさんが、ぶどうひめに
いじわるを したからだと、うわさしました。
おばさんは、くやしくて なりません。
おつきみの よるの ことです。
むすめが、かわぎしに すわって いると、
おばさんが、ぶどうの かごを もって、
とおりがかりました。
「おばさん、その ぶどうを
ひとふさ くださいな。
あさから、なにも
たべて いないのです。」
すると おばさんは、
おそろしい かおで
むすめを にらみつけました。

「どれ。おまえの
ぶどうのように
きれいだと いう
めを みせて ごらん。」
おばさんは そういうと、
いきなり、すなを つかんで
むすめの めに すりこみました。
かわいそうに、むすめは、
うつくしい めを
つぶされて しまったのです。
めくらに なった むすめは、
なきつづけて いる うちに、
むかし、おかあさんから きいた
ふしぎな ぶどうの はなしを
おもいだしました。
「その ぶどうを たべると、
どんなに わるい めも
なおって しまうの。
でも、とても とおい
やまの なかに あるのよ。」
むすめは、その ふしぎな ぶどうを
さがしに いこうと けっしんしました。
「ふしぎな ぶどうさえ みつかれば、
わたしの めも、おばさんの あかちゃんの
めも、なおるんだわ。」

むすめは、ながい たびを
つづけました。そして、
だんだん、やまの なかに
はいって いきました。
すると、とつぜん、けものの
うなりごえが しました。
くまが きたのです。
むすめは、そばの きに
やっと よじのぼり、
じっと して いました。
「うおーっ。」
くまは、きの まわりを 
まわって いましたが、
その うち、どこかへ
いって しまいました。
むすめは、ほっと しました。
すると、こんどは、
ばさばさと おとが して、
たかが まいおりて きました。
するどい くちばしで きを つつくので、
きが ぐらぐらと ゆれます。
むすめは、がたがた ふるえました。
けれど、たかは、むすめに きづかずに、
とびたって いって しまいました。
でも、その とき、つよい かぜが
ふいて きて、むすめは、きの えだから、
ふきとばされて しまいました。

きから おちた とき、むすめは
あしを くじいて しまったので、
はって いく ことに しました。
こうして、また、なんにちも たちました。
きものは ぼろぼろに やぶけ、
かおや てには、ちが にじんで います。
「どこまで いったら、ふしぎな ぶどうが
みつかるのかしら。」
でも、むすめは ゆうきを だして、
すすんで いきました。
その うち、つめたい やわらかい ものに
ぶつかりました。おおきな へびです。
でも、めくらの むすめは、きづかずに。
へびの うえを はって いきました。
その とき、へびが とびはねました。
むすめは、まっさかさまに たにそこへ。

たにそこに たおれたまま、むすめは
みうごきも できません。
「おかあさん……。このまま、わたしは
しんで しまうのね。もう、
なかよしの がちょうさんたちと
うたを うたう ことも
できないのね。」
その とき、かおに、ふわっと
くさの つるのような ものが
ふれました。
はっと して、さわって みると、
まるい たまのような ものが
ついて います。
「もしか したら。」
むすめは、まるい たまを
ちぎって なめて みました。
すると、めが、ぱっと
ひらいたでは ありませんか。
これこそ、さがしつづけて いた
ふしぎな ぶどうだったのです。(つづく)
 
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