土手猫の手

《Plala Broach からお引っ越し》

No.69「録 '09.1~6月」

2009-07-01 21:06:32 | 詩歌(創作)
2009.1.2

初めての一年の計 2009 

2009.1.5

三箇日 おみくじ暦 明ける年(「一月の一句」投句) 

吹く風はまだ一月の其れなれど香の立つ梅の けふの春かな 

2009.1.7

大根っ葉 香の立つ朝の厨(くりや)かな 

日出づる 色生まれしや冬の雲 

凛と刺す素足に寒の鼓動かな 

初めての千円札や 太子像(千円札の日) 

2009.1.16

部屋の奥 北 一輪の花の色(1/16「一月の一句」投句) 

冬の星 遥か宇宙の時の裾 

2009.1.18

起き抜けの抜けぬ寝床で考える夢の続きと今日の現実 

2009.1.20

朽ちた柵白いペンキに並ぶ錆び雪踏み抜きし泥の跡形

2009.1.21

プロヴァンス 黄色うららか猫の伸び(1/20) 

薔薇の葉の黄色に今日の暖かさ 秋の日暮れか『石焼きいも』の声 

2009.1.22

ヒョウタンハダカカメガイ メタボなり うちのクリオネ無邪気に笑う 

2009.1.25

寒の風 二十四日の初釜に言祝ぐ椿 明けの春かな 

2009.1.27

輪を描いて交差して飛ぶ鳥のよに空をゆきたし今を掴んで(1/26) 

輪を描いて交差して飛ぶ鳥のよに空をゆきたし風を掴んで(草稿)

2009.1.30

また春の一歩一歩を踏みしめて(「一月の一句」投句) 

2009.2.3

失敗に、調子こく癖気づいたは小五のあの日今も忘れず 

「セカンドインパクト」
「救われた」過ち浅く顧みる「れば・たら」凍るあの日の有りて 

「別のもの…」
あらためて。したい「もっと」は今日思う これでもあれでもなくて私は 

「光る虹」
虹を見る七つの曜日いつまでも 十二の月に四つの季節 

2009.2.3

葉の落ちて裸になりし枝に吹く日差し暖か赤い芽 吹く 

節分や ああ腹こわす歳の数 

2009.2.4

立春や どこ吹く風とビルの谷 

2009.2.6

オーガンジー幕降りる夜に見上げればそれでも時の微か瞬き 

2009.2.7

ニワトリとペンギンのしか持たぬとも飛び起てるのか空仰ぎつつ 

2009.2.8

凍てついた藍に金星白々と 

春を待つ二輪の花よ紅白の 

2009.2.10

草が萌ゆ 生まれたての香 風が吹く(2/9「二月の一句」投句) 

焚き火の香 今日は真冬に逆戻り 私は子どもにさかのぼり(2/9) 

2009.2.11

水温む するするすると 滑り込む 

さらう指たぐる指先触るるもの 形無くともここに無くとも 

音も無く現れて指す心指す たゆたう二つ繋ぐ回路か 

2009.2.14

春一番 南北一気に目覚めゆく 

2009.2.17

手放しで駆ける自転車 春の風 

2009.2.18

梅詣で ゆくをためらふ返り月 

2009.2.19

ページ繰るページ繰るたび 早春賦 

2009.2.20

神田橋 十月桜落つる 春 

2009.2.22

東風を急く こっちこっちと 東風を急く(2/21「二月の一句」投句) 

2009.2.25

雨あがり夕日あたりぬ 余寒かな 

2009.3.1

塩漬けの香に心浮く 春の雨 

浮き立つは変はる月の名 浅き春 

2009.3.2

馬鹿野郎 てやんでぃこら北っ風 

2009.3.3

ノラの猫 女雛探すか高い声(「三月の一句」投句)

ポリンキー 三人官女ように座し 

2009.3.4

轟きし松明乱吹く二月堂(3/2) 

2009.3.7

燕飛ぶ 道行人の果ての空(3/6「三月の一句」投句。ご逝去を悼んで) 

春霞 見ぬ世の人の面のやう(「三月の一句」投句)

2009.3.8

冬の風 常緑樹のごと立ち尽くし 

2009.3.9

春の宵 片割れ星を待つばかり 

2009.3.12

まんまるを人に勧めて忘る春 

2009.3.13

雲の海 遥か高みの鳥の風 

鳥曇 天に届くか点ひとつ 

2009.3.17

菜の花や みどりなびかふ 千葉の海 

菜の花や みどり陽光 溢れたり 

2009.3.25

風車 花大輪の笑顔かな(WBC優勝) 

2009.3.31

見上げれば精も根も春の三日月 

2009.4.1

一年の計 背を叩く新年度 

2009.4.5

憂うるは頭を過ぐるものよりも目の前に有る桜悩まし 

2009.4.11

うどん粉の病も春の塵 さらばっ(4/7) 

天抜けて 分け入る道の桜色(4/8 芝公園) 

吹寄せの桜砂礫の枯山水(〃) 

声も春 鳥みな歌い光咲く(4/9「四月の一句」投句) 
声や春 鳥みな歌い光咲く 

春の夢 銀座の映画館の中(4/11「四月の一句」投句) 

2009.4.12

天抜けて分け入る道の桜色 まほらの国の門の夢かな 

2009.4.13

吹寄せし桜砂礫に 枯山水 

2009.4.14

春嵐 北上の途に安堵あれ 

障害灯染める雨雲 春の宵 

2009.4.19

陽の中の吾(あ)が香に酔ひし春の薔薇(4/19「四月の一句」投句)   

けだるさも美しきかな春の午睡 

2009.4.21

雨降れば ものよく見えて深き春 

褪めゆきし うすむらさきに 春の雨 

2009.4.22

春雨や 針の音聞く午前二時(4/22「四月の一句」投句) 

2009.4.27

黄金色 西も東も 春の夕焼け

空見上げ いっさいがっさい暮れの春(4/24「四月の一句」投句)

2009.4.30

射抜かれる迦楼羅の眼に対峙して真っ向勝負 時空の彼方 

2009.5.4

夢の中一人の世界心地良い 人は制約制約は人 

2009.5.5

葉も花も うねり流らふ 風の紋(5/4) 

午後六時 暮春の光 雀飛ぶ(5/4) 

就職の祝い言寿(ことほぎ)こどもの日 

こどもの日 誕生祝い贈られり 

雨の中天道虫がやって来た御天道様がやって来た 

御天道(太陽)なのに星(紋)とは これ如何に; 

2009.5.6

雲流れ 匂ひ運ぶや五月(さつき)雨(5/6「五月の一句」投句) 

2009.5.7

雨あがりレンズ洗はる夏隣 

2009.5.12

粒粒とお日さま手を取り ふたつ虹(5/9「五月の一句」投句) 
雨粒とお日さま作る 虹 双子 

アマリリス ソラソ ド ソラソ 一年生(5/12「五月の一句」投句) 

初夏の風 七色の橋渡りけり(5/12「五月の一句」投句) 
架け渡る 七色の橋 初夏の風 

七色の音階叩く夏のドア 

2009.5.17

蒸し暑し パソコン扇ぐ左手は(5/16「五月の一句」投句) 

メイストーム 光の中を烏飛ぶ 

メイストーム 折れるな蕾咲かせ花 

2009.5.18

明け渡すガラスのカンバス 夏の景 

2009.5.19

西向かい光流るる夏の雲 

夕焼けの光留めむ風を見ゆ 

2009.5.24

明易し 二度寝三度寝 日曜日(5/24「五月の一句」投句) 

うなだれし薔薇に鋏の目覚めかな 

2009.5.27

「無垢」

昼寝びと 栞の紐のそよぐ風(5/26「五月の一句」投句) 
昼寝びと 栞の紐のそよぐ程 


昼寝子の背に羽生える走馬灯 

ラムネ瓶 カラカラ足跡立てて行く 

天 目差すソーダ水の泡真っ直ぐに 


カフェラテのグラスの汗の無垢のもの 

2009.5.28

阿修羅像 不忍池に浮葉立つ(5/28「五月の一句」投句)

2009.5.29

緑陰に息うや吾に猫二匹 

2009.5.31

天気雨 東の雲の輝くに見惚れて潤む若き薔薇かな 

雨の音 五月晦日(つごもり)沁み沁みと 

雨やんで 蕾ひーふー三四(みよ)に 薔薇 

夢醒めて続き何処(いずこ)へ 夏の来る 

2009.6.3

空曇り涼しい顔す予報欄(6/3「六月の一句」投句) 

2009.6.7

怪気炎 木に草に花 梅雨を吐き  

かんかんの天火に灼かるオープンカー 

2009.6.8

夏料理 トマトかざして「セニョリータ」(6/8「六月の一句」投句) 

2009.6.9

「セニョリータ」水着眩しき地中海(6/9「六月の一句」投句) 

2009.6.10

傾いた CLOSE ひとつ 夏の暮れ 

2009.6.11

降らぬ日の『梅雨入り宣言』空(から)の空 

入梅や 降水率より不快指数 

2009.6.16

叫ぶ空 雨風連れる雷の夜 

2009.6.18

陽の射して ち汐やはらか 薔薇のはな 

2009.6.19

プールの日 濡れた体に風の吹く 

2009.6.20

子を乗せて日陰渉るや乳母車(6/15「六月の一句」投句」) 

2009.6.26

底透ける白を刷く空 夏の河豚(6/25) 

白粉を刷いた空あり 半夏生 

2009.6.30

喫茶店 温故知新とかき氷(6/26「六月の一句」投句) 

暴々と獣の如し 夏木立 



従来?なら昨日UPだったのですが。
拾い上げてまとめておくのを3ヶ月弱放っておいたので;間に合いませんでした。

よって今日は「再録」だけの手抜きです。^^;