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第24回 第1部 第6問

2013-07-25 11:33:09 | 第1章

IPアドレスおよびサブネットマスクが 172.16.1.101/23 のホストから送出されたパケットが、ルータによりルーティングされることなく宛先ホストに到達しうる宛先IPアドレスを2つ選びなさい。

a.172.16.0.1
b.172.16.1.1
c.172.16.2.1
d.192.168.1.1
e.255.255.254.0

コムたろう「今日もまたマニアックな問題だね。」
「問題文の意味がまずわからないよ。」

ドット先生「基本的な部分がわかってしまえば、それほど難しくもないよ。」
「順番に説明していくからまぁ一緒に覚えていこうか。」

コムたろう「はーい。」


ドット先生「まず、細かい枝葉は省いて、ざっくりと問題文の言ってることを見てみよう。」
「『パケットが到達するIPアドレスを2つ選びなさい』ってことだね。」

コムたろう「そこまでざっくり!?」


ドット先生「分かりやすいだろう?ここに色々付け足していくんだけど、前半と後半に分けた方が良いかな。」

コムたろう「前半は『どんなパケットか』って話で良いのかな?」


ドット先生「そう。そして後半は『どうやって到達するか』って話ね。」


コムたろう「こうやって分解すると問題文がなにを言ってるのかなんとなくわかってくるけど、でもそれに答えられるだけの知識がないよ~。」

ドット先生「それをこれから覚えていくんだよ。」
「ここで重要なのは、まず広い範囲でみたネットワークの全体像。」
「ルーターに端末がつながった小さなネットワークがいっぱい集まって大きなネットワークを構成しているってこと。」

コムたろう「それはなんとなくわかるよ。」


ドット先生「その中を飛び交うパケットはルーターによって行き先に応じたルートを選ばれて、そこへ流れていく。これがルーティングだったね。覚えてるかな?」

コムたろう「あー、そっか、5/27 の第22回 第1部 第1問でダイナミックルーティングとスタティックルーティングってやったよね!」

ドット先生「ルーティングについて不安な部分があったら、後で読み返しておくと良いね。」
「さて、今回の問題文では『ルーティングされることなく』って書いてあるよね。」

コムたろう「うん・・・、ルーティングってされない場合もあるの?」


ドット先生「ルーティングがどんな時に必要かって事を考えるとよく分かるんだけど、さっきの大きなネットワークの話にちょっと戻ってみよう。」

コムたろう「小さなネットワークがいっぱい集まって、ってやつだね。」


ドット先生「小さなネットワークから別の小さなネットワークへパケットが転送される時、ここでルーティングが必要になるんだ。」
「小さなネットワークからルーターを超えて一歩外へ出ると、もうそこは未知の世界。目的の行き先=よその小さなネットワークへ辿り着く為にはどの経路を通れば良いのか、それをなんとかするのがルーティングなんだ。」

コムたろう「ルーターがルーティングをちゃんとやってくれるお蔭でパケットが届くんだね。」


ドット先生「つまりだね。逆を言えばルーターより外へ出なければルーティングは必要ないんだよ。」

コムたろう「そうかっ!後半の『ルーティングされることなく』ってのは、同じLAN内での通信って意味なんだね!」

ドット先生「そういう事。」
「ちょっとイメージ図を用意したから見てもらおうかな。」
「赤い線を通る場合はルーティングされる、緑の線だけならルーティングされないんだ。」

2416



ドット先生「さて、そうなると、前半部の『どんなパケットなのか』って話の意味もなんとなく見てくると思うな。」


コムたろう「172.16.1.101/23 のホストから出てるパケットだから、172.16.1.101/23 のホストがどこのLANに居るのかって事がわかれば良いのかな?」

ドット先生「おおぅ。冴えてるね。」
「つまり『172.16.1.101』のネットワークアドレスがわかれば、同じネットワークアドレスのヤツを選べばOKってことさ。」
「ここでサブネットマスクの出番だ。」

コムたろう「よく255.255.255.0とか見かけるやつだよね。」
「今回はどうなるの?」

ドット先生「5/31の第20回 第1部 第3問でも少し触れているけど、『/23』てのが255.255.255.0の代わりなんだ。」
「ただし、255.255.255.0 になるのは /24 の場合だからね。『/』のうしろの数字は2進数で1が何個続くかを示しているんだ。」
「だから /23 は、11111111.11111111.11111110.00000000 なんだよ。」

コムたろう「これは255.255.~にするとどうなるの?」


ドット先生「今回はその形に直さないよ。」
「むしろ2進数のままの方がこの先分かりやすいからね。」
「まずオール1のブロックはIPアドレスの数字=ネットワークアドレスの数字なんだ」

コムたろう「へぇ~、そうなの?」


ドット先生「ネットワークアドレスを出すときには、2進数に直したIPアドレスとサブネットマスクの各桁同士で掛け算をするからね。」
「サブネットマスクが1だったら、IPアドレスの方が1だろうが0だろうが、掛け算の答えはIPアドレスの数字と同じになるだろ。この1が並んだ部分がネットワーク部ね。」

コムたろう「なるほど、そういうことか!」


ドット先生「逆にサブネットマスクの0になっている桁は、IPアドレスの方が1でも0でも掛け算の答えは0だよね。この部分がホスト部」

コムたろう「左から3つめのブロックが1と0が混ざっててなんだか難しいね。」


ドット先生「ポイントはそこだね~。でも良く考えてみよう。IPアドレスの3ブロック目は『1』だね。2進数に直すと『00000001』だ。」

コムたろう「ふむふむ」


ドット先生「ネットワーク部は3ブロックめの左から7ケタ分までなんだけど、そこはサブネットマスクの『11111110』と発信元のIPアドレスの『00000001』を各桁同士で掛け算すると『00000000』だね。」
「3ブロック目は、ネットワーク部として『1111111』、ホスト部として『0』が同居している状態なんだよ。」
「サブネットマスクの4ブロック目はオール0、つまりここは全桁がホスト部だね。」
「今回のホスト部は3ブロックめの一番右の1ケタ+4ブロック目の8ケタ全部ってことだね。」

コムたろう「ネットワークアドレスはホスト部がオール0で良いんだっけ?」


ドット先生「そうだね。」
「つまりココまでの話をまとめると、172.16.1.101/23のホストが所属しているネットワークのアドレスは、『172.16.0.0』なんだ。」
「で、この場合のホスト部が取り得る値の範囲は、0.00000000~1.11111111 ってことね。」

コムたろう「8ケタできれいに分かれないとちょっと難しそうだけど、頑張れば何とかなるのかな。」


ドット先生「これを10進数に直すと『0.0~1.255』なんだけど、ホスト部がオール0はネットワークアドレス、オール1はブロードキャストアドレスで使うから注意が必要だよ。」
「実際にホストに割り振れるのは2進数でいうなら『0.00000001~1.11111110』の範囲だね。」

コムたろう「11111110は11111111(=255)より1少ないから254で良いのかな。10進数でいうなら『0.1~1.254』ってことか~。」

ドット先生「さっきのネットワークアドレスと合わせて、選択肢から条件に合うのを選ぶと?」


コムたろう「172.16.0.1の『a』と、172.16.1.1の『b』だね!」


ドット先生「正解!」


コムたろう「やった~!!」





【 第24回 第1部 第6問 解答&解説 】
[解答]a,b.
[解説]
a.正 10101100.00010000.00000000.00000001(ネットワーク部(赤字)が同じ)
b.正 10101100.00010000.00000000.00000001(ネットワーク部(赤字)が同じ)
c.誤 10101100.00010000.00000010.00000001(ネットワーク部(赤字)が異なる)
d.誤 11000000.10101000.00000001.00000001(ネットワーク部(赤字)が異なる)
e.誤 11111111.11111111.11111110.00000000(ネットワーク部(赤字)が異なる)