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WeBlog from ESTIVANT in Kume Island

久米島沖のサンゴの 大群生(FUTOKORO)

2010年05月19日 | Weblog

昨日のテレビ報道や今朝の新聞などで報道されている久米島沖のサンゴの
大群生の話題で盛り上がっている島内です(笑)。

あっ、もしかしたらお店BLOG初めてかも?の川本です(珍)

昨年の8月に海人兄弟が(親父さんとは、二十年前から何かとお世話に
なっていて、彼等が子供の頃から見知っている二人)、漁中に見つけた
エリアですが、サンゴの群生のエリアの広さは半端ではありません。

サンゴの種類が多様性に富まない事と学術的興味深いエリアである為に、
ダイビングポイントとしては日常的に使うにはなかなか難しいエリアですが、
久米島の懐の深さを再確認する事実ですね。

しかし、あとで聞いた話ですが、あまり使っていないハテノ浜の沖のポイントや
地形のダイビングポイント"タケンチ"の沖にも大群生しているこのサンゴが
新種(?)だったとは、正に「灯台下暗し」でした。

このアカジマミドリイシやセキセイミドリイシに似るこのミドリイシは、
他の2種が浅い所にも群生するのと比べて、久米島では水深15mよりも
深い所でしか群生しないようです。

以前、「褐虫藻の挑戦」と言う学術論文
(水深5mに生息するミドリイシと水深20mに生息するミドリイシ
を高水温時に人工的に逆に移動させて、その後の共生藻の展開を見ると言う、
実にミドリイシとしては迷惑な、実に論文としては興味深いもの)を読みました。

当然、浅い所より深い所の方が水温が下がる為に、水深5mから水深20mに
移されたミドリイシの方が、高水温時の弊害であるサンゴの白化現象が起きない
であろうと思われていましたが、結果は逆でありました。
このような実験結果から、その各エリアによって違いはあると思いますが、
この新種らしきミドリイシが特にそうであるように、サンゴにも水深が大きく
影響するものだと思われます。

このミドリイシはその生息域の特性の為に、1998年の高水温の為に起きた
世界的な白化現象にも充分耐えられたのです。

これから、WWFジャパンが中心の「久米島応援プロジェクト」が、6月にも
久米島で説明会を開き、漁業関係者や地元ダイバーと協力して調査を進め、
持続的利用を考慮した保全の在り方を模索していくので、対応は今後の課題と
するべきでしょう。

しかし、久米島では1998年のサンゴの白化現象前には、浅いエリアも深い
エリアも当たり前にあったこのような景色が、エリアの広範囲と言う特性は
あったものの、どんどん話が大きくなっていき、これほどの話題性のある
ニュースとなるとは、逆の懸念を覚えさせられました。それだけ、沖縄エリアの
サンゴが以前に比べれば病んでいるという事実なのですから?!

新聞に写真を提供されてた横井謙典さんが、以前遊びに来られた時に、
久米島エリアのナンヨウブダイの多さに驚かれていましたが、今回のサンゴの
事も含めて久米島は沖縄の中でも幸せなエリアなのかもしれません。

縁側で孫に語るおじいちゃんではないけれど、僕が久米島に渡って来た当時の
海の凄さを、スタッフや後輩の海人やガイドダイバーに
今後の啓蒙の為にも、嫌がられても語ろうと思う今日この頃でした。


トンバラザシのバサラカクレエビの写真です。華やかでしょ!!