木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

中小企業のデザインのお悩み、なんでもご相談ください!!

【回答】中国での生産

2006年05月15日 | デザイン相談室の回答
<写真> 中国の玩具工場の内部


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

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■中国での生産について
29:【デザイン相談室】回答その3

 デザイナーの方から、質問を頂きました。メールで頂いたので、返信のメールでお答えしておりますが、その方の許可を得て、ブログに取り上げさせていただきました。

 その方は、いくつも商品アイデアを持っており、できれば、自力で商品化ができないかと考えておられるようで、以下のような質問を頂きました。

 「中国で商品化を個人企画でもやってもらえる所はあるのでしょうか?」

 ここ数年、日本で企画した商品を、中国広東省のいくつかの協力工場に設計生産させる仕事をしていますので、このような質問への回答に、私は適任かもしれません。


中国での生産は簡単ですが。。。

 「個人の企画を中国で商品化する」

 なんだか、大変そうな気がしますよね。

 でも、そんなことはありません。もし、本気でやる気になれば、あっと言う間にできます。あまり、本気にならなくてもできるかもしれません(笑)。

 中国は今、世界の生産基地になっています。探せば、どんなものでも作っている工場があります。探してくれるエージェントもいっぱいいます。

 確かにトラブルもいっぱいあります。納期が遅れる、不良が出るなんて、日常茶飯事です。それ以外の予想のつかないトラブルも、それがトラブルならすべて起こります。

 でも、世界の生産基地です。なんでも、作る仕組、準備、組織、設備は完全に出来上がっています。彼らも、何かを作らないと生きていけない。

 というわけで、企業であろうが、個人であろうが、「中国で商品化する」ことは簡単です。

 そして、費用と納期についてですが、簡単な仕様の商品であれば、設計も中国でできますし、50~100トン程度の射出成形の金型を一つ起こし、最小ロット10,000個で、総額250~300万円程度でできます。発注から香港出荷(FOB HONGKONG)まで、通常で90日(3ヶ月)、最短60日(2ヶ月)でできてしまいます。

 しかし、初めから全く個人で「中国で商品化する」ことは、お勧めできません。

 中国に限らず、商売は「信頼」が大切です。海外との取引には欠かせません。その「信頼」を作るのに凄く時間がかかります。特に中国の場合は、「信頼」ができていない状態では、どんなことでも起こります。

 信頼関係を構築していない状態では、お金は払い込んだのに、商品が届かない、実は作ってないし、工場の住所も架空だったなんてことは、よく聞く話です。(さらっと書いていますが、本当にこんなことが起きたら大変ですよね。)

 ですので、ちゃんとした窓口、エージェントを通して仕事を依頼したほうがいいでしょう。

 もし、中国で商品化したい方がいらっしゃれば、私が紹介しますよ(笑)。


物作りより流通

 しかし、物作りよりも、流通を確保するほうが難しい。

 もし、企画が先行して、流通が確保できていないのであれば、生産は流通の問題を解決されてからのほうがいいと思います。

 中国だって、生産はできるのに、企画と流通がないから、「世界の生産基地」になっているのです。もし、彼らに企画と流通があれば、生産基地に甘んじてはいないでしょう。

 物を作って売るためには、売り先、販売ルートがないと商売が続きません。生産はいつでもできます。まずは、じっくりと販売ルートを探すことをお勧めします。

 というような内容のお返事をメールしたら、質問を頂いた方から下のサイトを紹介していただきました。

 アイデア商品化お助け隊

 “あったらいいな”をカタチにするMy Desgin

 パッ!とひらめ木Market

 アイデアがあって、商品化したいと思われている方は、上のようなサイトを探して、応募されたら如何でしょうか?


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さとる)
2008-06-01 15:05:10
当方中国シンセンで電子機器設計会社をやっている者です。木全さんのおっしゃる通りですね。
自分のお客さんも流通ルートはあっても商品企画、開発ができないのでいろいろと商品のアイデアをこちらと一緒に考えてお互いの商売につなげていく形です。
もっとも生産メーカーに甘んじていない中国メーカーもあり日本市場に序所に進出しつつありますね。
したがってわれわれ中小企業の生き残れる道は商品企画とデザインという分野になっていくのではないでしょうか?
返信する
さとる様。コメント感謝です。 (木全)
2008-06-02 02:33:44
さとる様

コメント、ありがとうございます。
私も中国と言えば、シンセンでした。
今も知り合いが何人か行っています。
四川大地震は、シンセンには影響なかったようでよかったですね。
上海や北京の発展も凄いですが、北方とまた違った感じがあり、シンセンは面白いですね。

さて、記事にご賛同いただき、感謝です。
2年前の記事にコメントいただけるなんて、とても不思議な感じですが、それはそれで、とても有難いです。

最近シンセン近辺に行っていません。きっとずいぶん変わったのでしょうね。
シンセンはもうそろそろ雨期ですか?
お体気をつけてくださいませ。
では!
返信する
シンセン (さとる)
2008-06-02 10:44:10
2年前とは失礼しました。
最近よく寄らせていただいています。
シンセンでは日本向け商品のデザインできず、いろいろ参考にさせていただいています。

こちらは最近毎日雨、時々豪雨です。
シンセンはここ2-3年ですごい勢いで変化しています。 さらに2-3年の内に地下鉄工事が終わればかなり便利になります。
返信する
シンセン情報感謝です。 (木全)
2008-06-03 00:15:33
さとる様

またまたコメントありがとうございます!
いつでもお越しください(笑)

東京も6月2日に入梅したようです。
早速台風が来ています。

最初に頂いたコメントで
「したがってわれわれ中小企業の生き残れる道は商品企画とデザインという分野になっていくのではないでしょうか?」
とおっしゃっていましたが、まさに私の言いたいところです!
そのつもりで拙ブログを続けております。

これからもよろしくお願い致します。

では!
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