「あっ!・・・」 「ああっ!・・・」
声にならぬ声が、二人の口から発せられた。
それもそのはずだ。竜吉から聞いていた精霊石とは似ても似つかぬ、まるで血を練ったようなドス黒い石が入っていたのだ。
「どうしよう、お姉ちゃん!」
「どうもこうもないわ。精霊石なんて存在しなかったのよ。」
「でも、じいちゃんが嘘をつくわけないよ。」
「そうね、じいちゃんを疑ったらいけないわね。だとしたら、なぜ石の色が変わったのかしら?」
「もしかして、この石自体が呪われてしまったのかも知れないよ。だから、この石の力が戻るようにしてあげればいいんだよ。
呪いよりも強い力を持てば、きっとみんなを助けてくれるよ。」
武はそういうと、石を手にとって、持っていたハンカチで磨いてみた。
「ほら、ここはまだ、白い色が残ってるよ。全部真っ黒になる前に、どうにかしないといけないと思うんだ。」
「どうにかするって、どうすればいいのよ。 武、あなたまさか・・・」
「そう、そのまさかしかないと思うんだ。 あの学者の家に、何かがあるんだ。きっと、呪いに関することも、あそこで見つかるはずさ。
僕は行くよ。お姉ちゃんは母さんを見ていてよ。」
「何言ってるの、あなただけに危ないことはさせられないわ。母さんの事は、隣の政江おばさんに頼みましょう。二人の方が、何かにつけて安心だし、とにかく急がないといけないわ。」
「うん、本当は心細かったんだ。二人でがんばって、母さんと村の人たちを助けよう。」
「それじゃ、明日行ってみましょう。 今日は早く帰って、政江おばさんに話をして、母さんのことを頼んでおいて、それからすぐ寝て、明日に備えましょうね。」
「うん、そうしよう!」
そう言いながら、二人は家路を急いだ。
これから何が起こるのかも分からないが、二人の力を合わせて、呪いの謎に立ち向かわなければならないのだ。
-------次回へ続く-------
声にならぬ声が、二人の口から発せられた。
それもそのはずだ。竜吉から聞いていた精霊石とは似ても似つかぬ、まるで血を練ったようなドス黒い石が入っていたのだ。
「どうしよう、お姉ちゃん!」
「どうもこうもないわ。精霊石なんて存在しなかったのよ。」
「でも、じいちゃんが嘘をつくわけないよ。」
「そうね、じいちゃんを疑ったらいけないわね。だとしたら、なぜ石の色が変わったのかしら?」
「もしかして、この石自体が呪われてしまったのかも知れないよ。だから、この石の力が戻るようにしてあげればいいんだよ。
呪いよりも強い力を持てば、きっとみんなを助けてくれるよ。」
武はそういうと、石を手にとって、持っていたハンカチで磨いてみた。
「ほら、ここはまだ、白い色が残ってるよ。全部真っ黒になる前に、どうにかしないといけないと思うんだ。」
「どうにかするって、どうすればいいのよ。 武、あなたまさか・・・」
「そう、そのまさかしかないと思うんだ。 あの学者の家に、何かがあるんだ。きっと、呪いに関することも、あそこで見つかるはずさ。
僕は行くよ。お姉ちゃんは母さんを見ていてよ。」
「何言ってるの、あなただけに危ないことはさせられないわ。母さんの事は、隣の政江おばさんに頼みましょう。二人の方が、何かにつけて安心だし、とにかく急がないといけないわ。」
「うん、本当は心細かったんだ。二人でがんばって、母さんと村の人たちを助けよう。」
「それじゃ、明日行ってみましょう。 今日は早く帰って、政江おばさんに話をして、母さんのことを頼んでおいて、それからすぐ寝て、明日に備えましょうね。」
「うん、そうしよう!」
そう言いながら、二人は家路を急いだ。
これから何が起こるのかも分からないが、二人の力を合わせて、呪いの謎に立ち向かわなければならないのだ。
-------次回へ続く-------