-------出発(たびだち)-------
次の朝、二人は用意をととのえ、学者が住んでいたというあの西洋館に向かって歩き出した。
今は誰も近づかないためか、館への道は、けものみちのように雑然としていて、
なおかつ空模様も怪しいために、まるで森の木々が襲って来るかのように感じられた。
「お姉ちゃん、もう結構歩いたけど、こんなに遠かったっけ?」
「そうよね、もう2時間近く歩いてるわ。 道に迷ったのかしら?」
二人がそう思うのも無理はない。歩けど歩けど、館など見えてこないのだ。
そして雲行きも怪しくなり、とうとう雨がぽつぽつと降りだし、遠くで雷の音までしてきた。
「早く行かないと、大雨になりそうだよ。」
「そうね、急ぎましょう。」
二人は足早に森の道をあがっていった。 そしてとうとう、館が見えてきた。
「あの鉄格子の門が入り口だわ。急ぎましょう、雨もひどくなったみたいだから。」
「うん、わかった。」
二人は門をめざし走った。
そして、あと少しの所まで来たとたん、眼を貫くような激しい光とともに、鉄格子の門に雷が落ちたのだ。
「キャーッ!」
「ワーッ!」
びっくりした二人は、走って逃げ出した。
それは、ものすごいけんまくだったので、別方向に逃げてしまったことなど、全くわからなかった。
「武、どこ行ったの! たけしー!」
-------次回へ続く-------
次の朝、二人は用意をととのえ、学者が住んでいたというあの西洋館に向かって歩き出した。
今は誰も近づかないためか、館への道は、けものみちのように雑然としていて、
なおかつ空模様も怪しいために、まるで森の木々が襲って来るかのように感じられた。
「お姉ちゃん、もう結構歩いたけど、こんなに遠かったっけ?」
「そうよね、もう2時間近く歩いてるわ。 道に迷ったのかしら?」
二人がそう思うのも無理はない。歩けど歩けど、館など見えてこないのだ。
そして雲行きも怪しくなり、とうとう雨がぽつぽつと降りだし、遠くで雷の音までしてきた。
「早く行かないと、大雨になりそうだよ。」
「そうね、急ぎましょう。」
二人は足早に森の道をあがっていった。 そしてとうとう、館が見えてきた。
「あの鉄格子の門が入り口だわ。急ぎましょう、雨もひどくなったみたいだから。」
「うん、わかった。」
二人は門をめざし走った。
そして、あと少しの所まで来たとたん、眼を貫くような激しい光とともに、鉄格子の門に雷が落ちたのだ。
「キャーッ!」
「ワーッ!」
びっくりした二人は、走って逃げ出した。
それは、ものすごいけんまくだったので、別方向に逃げてしまったことなど、全くわからなかった。
「武、どこ行ったの! たけしー!」
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