Deeps World

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祟られ村(たたられ村)第十六話

2008-04-09 20:41:18 | 祟られ村(たたられ村)自作小説
-------前回の続き-------

(さあ、二階へ戻って、カンの中身を確かめなきゃ。)

また、得体の知れない魔物が出ると困るので、静恵は走って二階部屋に向かった。

階段を駆け上がり、二階のドアを開け、テーブルの上に置いてあるカンを取った。
そして、古いために錆び付いている缶切りを上手く使って、なんとか開けることが出来た。

(わあ、これ、ピストルじゃないの。)

そうなのだ。カンから出てきたのは、小さいピストルだった。
たぶん、ここに住んでいた学者が、護身用に使っていたのだろう。

しかし、それほどまでに、この館は危険なのだろうか。静恵は、そこまでは考える余裕はなかった。

(とにかく、持っておこうかな。使った事なんて一度もないけど、無いよりは安心だから・・・。 それと、もう一度この部屋を、くまなく探してみなきゃ。)

静恵は、もう一度部屋の隅まで探し回ったが、やはり気になる様な物は出てこなかった。

(仕方ないわ。やっぱり、あの寝室のベッドにあった鍵が、何かに関係してそうだから、もう一度行ってみるしかないようね。そうだ、このピストルは、あの魔物に効果はあるのかしら? よ~し、いちかばちか、やってみよう。)

人間というのは、武器を持つと気が大きくなるようで、この静恵も例外ではなかった。
この状態では、武器の一つでもなければ、行動は無理であろう。

(さあ、あの部屋に行くわ。がんばるのよ静恵!!)

自分に気合いを入れ、一階へ向かう静恵だったが、果たして、ピストルは使い物になるのか。
また、あの鍵は重要なアイテムなのか、それはこれから、静恵が答えを出してくれるだろう。

-------次回へ続く-------