Deeps World

自作音楽、CG、その他いろいろな話題♪
日記と関係ない画像を掲載する事もあります^^;
*更新は不定期です*

祟られ村(たたられ村)第十九話

2008-06-28 05:00:04 | 祟られ村(たたられ村)自作小説
-------前回の続き-------

「誰かいるの? もしいるなら、返事をしてちょうだい!!」

静恵は、いたたまれなくなって叫んだのである。
すると、奥の方から、しわがれた声が聞こえてきたのだ。

「そのまままっすぐ進むがよいぞ。そしてドアがあるから、開いてくるのだ!!」

「だれ!!誰なの??」

「わしのことは、ここまで来てから話を聞かせようぞ。とにかく来るのだ。」

「分かったわ。そっちに行くから待ってて!!」

そこで誰が待っているのかは分からなかったが、落ち着いた話し方に、静恵は少しだけホッとした。
聞いた感じでは、魔物ではなさそうな話し方なのだ。

少し進むと、ドアのような物に手が触れた。
そしてノブが見つかったので、少しずつ回しながら、この先に誰がいるのかを考えていた。
それは、普通の人間なのか、まさか魔物がだましておびき寄せているのか、
何とも言えない不安を感じてきたが、それに負けずとドアを開いたのであった。

ドアを開けそっと覗くと、なにやら人影のようなものが見えた。それは人影にしては、不思議なシルエットだった。

「驚かなくてもいいぞ。わしはおまえに危害を加えるようなことはない。よ~くみてごらん、わしの身体を。 もうほとんど動くことは出来ないのだ。」

それは、かなりの老人であったが、身体全体が灰色を帯びていて、ほとんど骸骨に近い状態だ。

「あなたは誰なの?どうしてこんな所にいるの?」

「ああ、これからゆっくりと話をしてあげようぞ。わしは古い昔に、薬品関係の仕事をしていた。
そしていつ頃かは忘れたが、この村に不思議な伝染病が流行るのではないかという情報を得たのだ。

あのころ経営不振だったわしは、その情報を聞いて、こう考えた。
たしか前に古屋敷には学者がいて、その伝染病の特効薬を開発していたという。まあ、不幸な死に方をしたらしいが・・・。
ならば、その学者の研究を盗み、自分の物にしてしまえば良いのではないかと。そう考えたわしは、夜中にこの古屋敷に忍び込んだのだ。
しかし、この屋敷には色々な仕掛けがあって、なかなか奥へは進めなかったのだ。
わしは喉が乾いたので、台所の蛇口をひねったのだが、水が出てこない。
しかたなく隅に置いてあった水瓶の水を飲んだのだが、それは学者の罠だったのだ。
時間がたつにつれて、どんどん身体に異変が起きて、気づいたときにはこんな身体になってしまっていた。

しかし不思議なことに、身体は骸骨化しているのだが、寿命というものが無くなったらしい。
まあ、動けない身体になってしまったら、生きていても仕方がないのだがね。」

「でも不思議だわ。私がこの屋敷で見た物は、近年に揃えた物がたくさんあったわ。 電子レンジやガス台は、あなたの時代には無いはずだわ。」

「わしは動けない身体なので、最近の道具などについては全くわからんが、もしかして奴が・・・。」

-------次回へ続く-------

音楽活動、なんとか頑張ってます♪

2008-06-28 04:37:17 | Weblog
昨年の7月から、「Kクリ」という携帯サイトでオリジナル曲の着うた配信を始めまして、約1年になります。
当初はもっと多くの曲を配信しようと、「1年後には100曲配信!」と思っていましたが、
いろいろと忙しくて、やっと35曲を超えた感じです^^;

私の作るオリジナル着うたは、通常の楽曲はわりと少なく、
短めのジングルや効果音のような、着信用サウンドが多いです。
あと、ホラーゲームに出てくるイメージのサウンドとか(笑
そういえば、「水洗トイレの音」という、自宅のトイレで水を流した生録を公開したら、
思っていたよりもダウンロードが多くてビックリ!
正直な話、自分が「これはイケそうかも」と思っていた曲よりも多くて、
「う~ん、なんという事だろう...」と、しばらく考えてしまいました^^;
こういう事もあるから、サウンド制作って面白いんですよね(笑

話は変わりまして、ネットでお友達になった音楽仲間とのコラボユニットですが、
そちらもしっかり続いております^^
各メンバーの生活に支障がないよう、ゆっくりと作業を進めていますが、
この夏には、新曲が出来上がると思います。
あと、他にもコラボを進めているので、そちらの公開も楽しみです♪

それと、昔からの音楽仲間をネットに誘い込んで、音楽活動をしようかと企み中で、
まずはパソコンを買わせなければと思い、先日一緒に横浜駅近辺まで行って、
しっかりと買わせることに成功(笑
同時にネット接続契約もしたので、接続工事が終わったら徐々に活動開始という感じです♪
やりたい事がいっぱいあって、はたして身体が持つのか心配になりそうですが、
今まで通り、勝手気ままにマイペースでやっていこうかと(あはは^^;

祟られ村(たたられ村)第十八話

2008-06-14 10:15:08 | 祟られ村(たたられ村)自作小説
-------前回の続き-------

下り階段は、何年も使われていなかったのか、こけが生えて滑りやすそうだ。
静恵は、一歩一歩、足下を確かめながら、暗い階段に飲み込まれていった。

階段の壁は、手で触ると異様にじめじめしていて気持ちが悪かったが、滑りやすい階段のため、仕方なく壁に手を添えながら下っていった。
20段ほど降りると、前がふさがってしまったようで、行き止まりになっていた。

(おかしいわね。これ以上は行けないのかしら?)

そう思いながら、暗い中、前の壁を手探りしていると、その壁は鉄の様なものであることが分かった。
そして再び手探りすると、短い棒のような物が手に触れた。

(これ、ノブのようだわ。下ろしてみよう。)

静恵は、短い棒を握り、力まかせに下ろしてみると、「ガコン」という音と共に鉄の扉が開いた。
そして扉をのぞき込むと、そこは3畳ほどの狭い部屋になっていたのだ。

部屋の隅には、たいまつが置かれていて、部屋の中は思ったほどは暗くなかった。

(ここは安心できそうだわ。少し休みましょう。)

静恵は部屋に入り、休息しながら部屋の中を見渡したが、これといって何もなく、あるのはもう一つのドアだけのようだ。

(このドアから、どこかに行けるのね。あっ、あれはなにかしら?)

横の壁に、なにか紙で出来ている物が貼ってある。
静恵はそれに書かれている内容を読んで、背筋に悪寒が走った。

そこには、こう書かれてあったのだ。

「必ずや、ここに誰かが来ることは、私には分かっている。そう、私はここのあるじの学者だ。
ここに来たということは、逃れられない運命を選んでしまった訳なのだ。

頼む、生きているうちに私が出来なかった、恐ろしい物たちの抹消を引き受けてくれ。
それしか、ここから出る方法は無いのだ。
私は他の部屋にも、大切な伝言を残している。それを頼りに何とか奴らを・・・」

そこまでで、学者の伝言は終わっていた。

(ああ、なんということなの。武も探さなければいけないのに、他にも怪物がいるなんて。
でも、もう遅いのね。ここまで来てしまったのだから、この屋敷から出るには学者の遺言を引き継ぐしかないのね。)

静恵は意識が遠くなりそうな気がしたが、なんとか持ちこたえて現実に戻った。

(そうと決まれば、次はこのドアの先に行くしかないわ。)

静恵はピストルを構えると、ノブを廻し、ドアを開いたのであった。

そっと中を覗くと、そこは真っ暗で、どうなっているのか分からない状態だ。
しかし勇敢にも、静恵は少しずつ足を踏み入れていった。

一つ分かったことだが、そこは廊下のようで、手探りで両側に壁があることを確認した。
だが真っ暗なために、この先に何があるのかは判断できない。

しばらくすると、遠くの方で何か聞こえた。
それは、何かがきしむ音なのか、まるで断末魔のうめき声のようにも感じるのだ。

静恵は、背中から水をかけられたような嫌な感じを覚えたが、恐怖を振りほどきながら先に進んでいった。
そして、先ほどの音が、段々はっきりと聞こえてくるようになった。

「誰かいるの? もしいるなら、返事をしてちょうだい!!」

-------次回へ続く-------