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祟られ村(たたられ村)連載最終話

2008-11-01 14:58:37 | 祟られ村(たたられ村)自作小説
-------前回の続き-------

静恵は、老人に一言別れの挨拶をすると、開けてもらった赤いドアの中に入っていった。

(あら、ここも不思議な部屋ね。)

その部屋は、正面に十字架のような飾り物があり、床には何か重いふたのような物がある。

(う~ん、重くて空かないわ。何か別の方法があるのかしら?)

そして左右にも部屋が付いているのだが、左の部屋は真っ暗で何も見えないので、とりあえず右の部屋へ入ってみた。

(あらっ? これは、何のボタンかしら?)

壁には、10個のアルファベットのボタン「D,N,H,T,E,P,S,A,O,W」があり、その下には、「文字に願いを込め、己の道を開くのだ・・・」

と、書いてある。

静恵は、いろいろな順番でボタンを押してみたが、何も起こらないのだ。

(文字に願いといっても、何の事かしら? そうね、今の願いは先に進んで武を見つけることだから、あの床のふたを開けてみたいわね。まさかこれじゃ?)

おもむろに、4文字のアルファベットを押してみたところ、床のふたがゆっくりと開いた。

(ああ、やはり「OPEN」だったのね。簡単な英単語で助かったわ。)

そして、ふたの横の壁も開き、そこからアクアラングセットが出てきた。

ふたが開いた床には、水面が覗いているのだ。

この先は、アクアラングセットを使い、進んで行くしか無さそうだ。

(なんて仕組みの多い屋敷なのかしら...仕方がないわね。他には行けそうな場所も無さそうだから、これを使って潜ってみるわ。)

静恵はアクアラングセットを身につけ、ゆっくりと水に入っていったところ、
うっすらとした明るさがあり、何とか水中の様子は見えるようだ。

水中を少し進んでみたところ、そこは不思議な光景だった。

水面には、古ぼけたカバンが浮いているが、手が届きそうで届かない位置にあるとともに、ゆらゆらと動いていて簡単には取れない。

そして正面には、3つの入り口があるのだが、左右の2つには刃物のスクリューが取り付けてあり、誰かが餌食になったであろう、うっすらと血痕が残っている。

しかし、真ん中の入り口だけは、何もなく通れそうだ。

(水が無ければ、簡単にカバンが取れるのに・・・。カバンの中に何か入ってそうだけど、今は取るのが難しそうだわ。
それに、あのスクリューに巻き込まれたら終わりだし。まずは真ん中の部屋に入ってみましょう。)

静恵はそう考え、真ん中の部屋に入っていったが、とんでもないことが起こった!
強烈に部屋の圧力が変化して、酸素ボンベが使用不能になってしまったのだ!!
目の前には、ボタンがいっぱい付いた壁があるのだが、いろいろと考えている暇はない。

(ああ、苦しい!! さっきの入り口に戻って水から出ないと・・・)

静恵は、急いで戻った。

(良かった。何とか窒息せずに済んだわ。でも、あのボタンは何なのかしら?
きっとどこかを押すのだろうけど、あの部屋の中で考えている時間はないし。とりあえず、もう一度潜ってみよう。)

静恵は、もう一度潜り、ふと壁の上部を見た。すると、何か記号のようなものが書いてあることに気づいた。
そこには、「6L12H」と書いてある。

(6L12H、どういうことなのかな?もし、この記号がボタンの位置を示しているとしたら、6番目と12番目?

でも、LとHは何だろう?え~っと、位置に関係した単語から考えたら・・・。

あっ、もしかして、LeftとHightかも!そう考えたら、左から6番目、上から12番目だわ!

そのくらいの時間だったら、息を止めていても大丈夫かも知れない。やってみるしかないわね。)

静恵はすぐに、ボタンの部屋に潜っていった。

部屋に入ると圧力が変化して、息が出来なくなったが、左から6番目、上から12番目のボタンを探し当て、すぐに押してみた。

すると、圧力は元に戻り、酸素ボンベが普通に使用できるようになったが、
部屋の中で、何か変わったことはなかった。
ただ一つ気づいたのは、壁に小さな鍵穴があること。

(何の鍵穴だろう? でも今は鍵など持っていないし、とりあえず部屋の外に出てみるわ。)

しかたなく、部屋の外に出てみると、左の部屋を遮断していたスクリューが止まっていたのだ。

(そうか、このスクリューを止めるボタンだったのね。これで中に入れるわ。
あらっ、スクリューの真ん中の色が、なぜか青色に変わってるわ。)

静恵は不思議に思ったが、とりあえず左の部屋に入ってみた。

(ああっ、また圧力が!!)

そうなのだ!また酸素ボンベが使えなくなってしまったのだ。

薄れゆく意識の中で見たものは、部屋の壁で点滅している、不思議な色付きボタン。

そして、その中で、色が変わらないボタンがあった。それは青色のボタンだ。

(もう、駄目かも・・・。お願い!!私にチャンスを・・・)

半分あきらめながら、青色のボタンを押してみた。すると圧力が戻り、ボンベから酸素が送られてきた。

(あー、助かったのね。何て恐ろしい仕掛けなのかしら。)

静恵は恐怖に勝ったのだ。愛する弟を捜すために、強い心に変わってきている。

部屋を出ると、右の部屋を遮断していたスクリューが止まっていた。

すぐ右の部屋に入ってみると、茶色のレバーが取り付けてあったので、レバーを下げてみると、
充満していた水がどんどんと減っていき、すべてが排水された。

それと同時に、ゆらゆらと浮いていたカバンも床まで下がったのでふたを開けてみると、鍵が入っていた。

(あっ、たしか真ん中の部屋に鍵穴があったわ。)

そう思うと、すぐに真ん中の部屋に行き、鍵穴に鍵を差し込んで回したところ、
どこか遠くで、「バチバチッ」と、電気の接触するような音がした。

(おかしいわね。この地下では何も変わっていないわ。さっき水に入ってきた上の部屋に戻ってみましょう。)

静恵は水面の入り口だった所のはしごを登り、上の廊下に戻った。

すると、先ほど真っ暗だった部屋に、灯りがついている。

(なるほど、水中の鍵は、ここの部屋の照明を点ける鍵だったのね。あらっ、レバーがあるわ。)

正面の左上に、小さいレバーが取り付けてあるので、ゆっくりとレバーを下げてみた。

すると、新しい廊下への入り口が開いたのだ!

奥の方では、たいまつのような物が灯っているので、周りの様子はよく見えた。

(また少し進んだみたいね。がんばらなくっちゃ!!)

静恵は自分に気合いを入れ、新しい廊下を進んでいった。

奥に進むと、たいまつらしき物の上部に、一枚の張り紙があった。そして、こう書いてあったのだ。

”よくぞここまで来れたものだ。しかし、安心してはならぬ。残された謎を解かない限り、この屋敷から脱出する事は出来ないだろう・・・”

ああ、なんと言うことなのだ! これだけ危険な目にあったというのに、まだ先があるなんて・・・。

(あ、あのレバーは何かしら?)

静恵は、右上にあるレバーを下げてみた。すると、正面に隠し庫が現れた。

(あら、鍵があるわ。)

その鍵が置かれた台座には、こう書いてあった。

”出口の鍵”

(ああ、とうとう出口の鍵を見つけたわ! これで出られるのね! でも、武を見つけないと・・・)

すると、少しの時間をおいて、右の隠し扉が開いた。

(この中には、何があるのかしら?)

静恵は、扉の中に入っていった。

そこは小さい灯りが灯してあり、壁には異国の絵が飾ってある。

そして、右には小さい窓のような物があり、そこから誰かが呼んでいる!

「おねえちゃん!僕だよ、武だよ!!」

「あっ、武!どこにいたの?心配したのよ。大丈夫だった?」

「僕、カミナリが落ちたときにビックリして、走って屋敷の裏に行ったの。
そうしたら、小さい裏口を見つけたので、入っちゃったんだ。
でも、自動で鍵が掛かってしまって、仕方なく屋敷の中を探検していたんだ。」


とうとう、姉弟が、この屋敷で巡り会えたのだ! しかし・・・

「そうだったのね。でも、元気で安心したわ。こっちの部屋には来れないの?」

「おねえちゃん、ここには鉄格子がはまってて、そっちに行けないんだ。」

「あなたは男の子でしょ、がんばってほかの道を探すのよ。きっと、会えるところがあるはずよ。」

「うん。僕、がんばって探してみるよ! お母さんに飲ませる薬も探さなきゃいけないし。」

武はそう言うと、二人が会える場所を探すため、鉄格子の向こうの部屋から消えていった。

静恵は、辛く悲しい思いと戦いながら、武の身の安全を願うのであった...

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-------大変申し訳ありませんが、先日のブログに書かせていただいたように、この先を小説化していない為、連載終了になります。-------


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