-------前回の続き-------
階段を一歩一歩上がりながら、ピストルと館の謎の事ばかり考えていた。
そして上がりきると、そこにもドアがあった。 ここも鍵は掛かっていないようだ。
(さあ、早く謎を解かなければ。武のことも心配だし、何かあった時のためにも、ピストルは必要だわ。 思い切ってこの部屋に入るわ。)
ドアを開いて中を覗いてみると、窓から入り込む光のため、部屋の中はすぐに確認できた。
ここもまた西洋かぶれの作りだ。 静恵はすぐに中に入った。
部屋の外からは小鳥のさえずりも聞こえ、さきほどまでの雷雨が嘘のようだ。
まるで違った世界に飛んでしまったような気さえした。
部屋の中ほどにはテーブルと椅子が一つづつ置いてあり、
正面の大きいガラス窓から入り込む光を浴びている。そして、その光の中に輝く物を見つけた。
それはテーブルの上に置いてある、白金色のカンヅメだ。
たぶん学者が食べるために置いていたのだろう。
長年置きっぱなしになっていたので、食べることは出来ないだろうが、一応手に取って振ってみた。
(あら、おかしいわ。 食べる物にしては、何か変な音がしてるわ。)
そのカンヅメはラベルも貼ってなく、何が入っているかも分からなかった。
(中を確かめたいけれど、缶切りがないと開かないわね。)
そう思うと、いったんカンヅメをテーブルの上に戻した。 そしてもう一度、部屋の中を見渡した。
右奥には綺麗なドレッサーがあり、引き出しもいくつか付いていたので何かありそうだ。
読者諸君も期待していることだろう。
しかしその期待ははずれ、これといって気になる物は見つからなかった。
仕方がないので、気分転換に外の景色を見るため、窓に近づいた。
横には、赤いビロードのカーテンが束ねてあり、いっそう西洋風に見せていた。
(あら、これは何かしら?)
静恵が見つけた物は、カーテンの束に隠れた小さなスイッチだ。
(これって、もしかしてオートロックの・・・)
そう思ったと同時に、指はスイッチを押していた。やはり、書斎の時と同じで、発信音のような音がした。
しかし、周りからは鍵の開いたような音はしなかった。
(たぶん、下の階のドアだわ。 遠いから、開いた音が聞こえないんだわ。この部屋には他に探す所もなさそうだから、もう一度下に降りてみましょう。)
静恵はそう思うと、すぐさま一階へ向かった。
-------次回へ続く-------
階段を一歩一歩上がりながら、ピストルと館の謎の事ばかり考えていた。
そして上がりきると、そこにもドアがあった。 ここも鍵は掛かっていないようだ。
(さあ、早く謎を解かなければ。武のことも心配だし、何かあった時のためにも、ピストルは必要だわ。 思い切ってこの部屋に入るわ。)
ドアを開いて中を覗いてみると、窓から入り込む光のため、部屋の中はすぐに確認できた。
ここもまた西洋かぶれの作りだ。 静恵はすぐに中に入った。
部屋の外からは小鳥のさえずりも聞こえ、さきほどまでの雷雨が嘘のようだ。
まるで違った世界に飛んでしまったような気さえした。
部屋の中ほどにはテーブルと椅子が一つづつ置いてあり、
正面の大きいガラス窓から入り込む光を浴びている。そして、その光の中に輝く物を見つけた。
それはテーブルの上に置いてある、白金色のカンヅメだ。
たぶん学者が食べるために置いていたのだろう。
長年置きっぱなしになっていたので、食べることは出来ないだろうが、一応手に取って振ってみた。
(あら、おかしいわ。 食べる物にしては、何か変な音がしてるわ。)
そのカンヅメはラベルも貼ってなく、何が入っているかも分からなかった。
(中を確かめたいけれど、缶切りがないと開かないわね。)
そう思うと、いったんカンヅメをテーブルの上に戻した。 そしてもう一度、部屋の中を見渡した。
右奥には綺麗なドレッサーがあり、引き出しもいくつか付いていたので何かありそうだ。
読者諸君も期待していることだろう。
しかしその期待ははずれ、これといって気になる物は見つからなかった。
仕方がないので、気分転換に外の景色を見るため、窓に近づいた。
横には、赤いビロードのカーテンが束ねてあり、いっそう西洋風に見せていた。
(あら、これは何かしら?)
静恵が見つけた物は、カーテンの束に隠れた小さなスイッチだ。
(これって、もしかしてオートロックの・・・)
そう思ったと同時に、指はスイッチを押していた。やはり、書斎の時と同じで、発信音のような音がした。
しかし、周りからは鍵の開いたような音はしなかった。
(たぶん、下の階のドアだわ。 遠いから、開いた音が聞こえないんだわ。この部屋には他に探す所もなさそうだから、もう一度下に降りてみましょう。)
静恵はそう思うと、すぐさま一階へ向かった。
-------次回へ続く-------