平野啓一郎の「空白を満たしなさい」を読みおえました。
表紙がゴッホの自画像なので、「葬送」のように画家を扱った小説かと思いながら読み始めましたが、ぜんぜん違いました^^;
上下巻からなる小説は、死んだ人間が戻ってきた世界が舞台で、死因への謎、家族愛、社会生活の軋轢、死への畏れなどが、作者独特の綿密な心理描写で描かれています。
また、幼少期に父親を亡くした作者が、本小説の中に描く父親像については、リアリティを感じずにはいられない内容でした。
この小説も、平野啓一郎が掲げる分人思想について多く登場します。このゴッホの自画像も大きな意味を持ちますが、それは物語の後半になって出てきます。
わたし的には、いろいろ共感できることが見つかった本でした。
こちらは下巻の内容紹介。
2012年に単行本が刊行。
もとはコミックモーニングでの連載小説とのことですが、この頃にはたぶんモーニング読んでたと思う(課長島耕作とか)のだけど、ぜんぜん気づかなかった^^;
文庫本は2015年に発刊。
もうちょい平野啓一郎を読んでみます。
p.s. 飲みすぎ食べ過ぎで、カリメートを飲む始末。年内は酒控えよう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます