gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ツッコんできた俊冬に

2023-10-21 20:14:00 | 日記
ツッコんできた俊冬に、思わずきいてしまった。

「本来の意味であるホストだったら何度かあるけどね。さすがにホストクラブでホストの経験はないね。でも、おれもこいつもそこに潜入すれば、そこそこいけると思うよ」

 ホストの本来の意味は、主人や主催者、接待する人、司会者などである。

 それは兎も角、朱古力瘤「ホストクラブ人気ナンバーワンになること間違いなし」を、しれっと宣言する俊冬。
 
 かれが副長の遺伝子を濃く受け継いでいることを、つくづく実感してしまった。

「わたしがなんだって?」

 相棒を抱きしめていた桑名少将が、いつの間にか立ち上がってこちらをみていた。

「桑名少将は、ホストらしいですよ」
「ちょっ、やめてください。桑名少将はホストじゃありませんから」

 勝手に決めつけってか、本人に告げた蟻通にぶちぎれてしまった。

 桑名少将ことがホストだなんて噂が後世に伝わりでもすれば、とんでもないことになってしまう。

 web上でかれの線の細い、ちょっと頼りなげな写真をみた現代人は、人はみかけによらぬもの認定してしまうだろう。

 ってか、この時代には当然ホストはいない。それにちかいっていうと蔭間であろうか。つまり、男娼のことである。いや、これはまったくちがうか。

 老若の女性を虜にする「女たらし」ってやつだな、うん。

 スキャンダルものの事案に発展してしまう。

 っておれが妄想するからいけないのか。

 おれもすこしは学べよ、ってついつい自分で自分にツッコんでしまう。

「少将、会津侯からうかがっております。はだれかさんを筆頭に馬鹿ばかりですが、退屈だけはいたしません。どうか気をらくになさってください」
「だれかさんって、いったいだれのことなのです?」

 副長が桑名少将を慰めているのに、思わず割って入ってしまった。

 声を大にしていいたいが、おれは馬鹿じゃない。お笑いを提供しているんだ。
 そこんところ、桑名少将に誤解を与えるような発言は控えていただきたい。

 こういうことは、最初のうちにはっきりしておかねば。

「やかましいっ!主計。、おまえは全身全霊をもって少将を笑わせてりゃいいんだ」

 副長に怒鳴られてしまった。

「かならずやぽちたま、もとい俊冬と俊春が、御身は護り抜きます」

 副長が言葉をつづけたと同時に、俊冬と俊春がさっと片膝を地について礼をとった。

「ぽちたま、全身全霊をもって少将を護り抜け」
「承知」
「承知」

 そして、二人はそのに同時に了承した。

 ってか、ちがいすぎやしないか?

 全身全霊でやることの差がちがいすぎて草すぎる。


 おれにたいするひどすぎるあつかいは兎も角、会津を去る準備をすることになった。

 同時に、隊士たちにおれたちのことを告げた。

 のはずであったのであるが、みんなの反応が薄すぎた。ってか、「ふーん。それで?」とか「だから、なに?」ってどうでもいいって感じであった。

 ふむ。みんな、よく理解できていないにちがいない。あまりにも突拍子がなさすぎるから、いたしかたがなかったのかもしれない。

 しかしながら、俊冬と俊春と相棒のことを告げられると、「やはりすごいのだな」とか「に任せていれば安心だな」とか、大騒ぎになった。

 結局、のもともとの高評価にさらに「いいね」が増えただけである。さらには、尊敬や憧憬の念が強くなったようだ。

 おれがひそかに画策していた「相馬主計ってすごかったんだ」作戦は、いとも簡単に潰えてしまった。それどころか、「相馬主計ってやっぱりおかしなやつだったんだ」ってレッテルをはりなおされただけであった。

 もうあきらめよう。には器というものがある。おれは、おれの器を磨けばいい。

 それが、お笑いってところがビミョーすぎるのだが。

 正体をばらして、へこんでいる場合ではない。おつぎは、松本に仙台行きを了承させるというミッションに挑んだ。 城の中間部屋を、診療室兼松本個人部屋にしている。

 城にもどってきてから、松本は俊冬と俊春に手伝ってもらい、三人でずっと傷病人の手当てや介抱にかかりっきりになっている。

 副長とともに、松本の診察室兼個人部屋を訪れた。

 副長は、このあとすぐに仙台にむかうことになっている。
 史実どおり、にである。

 そして、はもうおわりなんだろう?せめて最後までつきあって、とも思っちゃいたが……」

 松本はシミだらけの天井を見上げ、おおきなため息をついた。

 またしてもおれが史実を伝えたばかりに、意志を曲げさせてしまった。
 だが、これにはできうるかぎりしたがってもらいたい。

 かれは、仙台で敵に降伏する。それを曲げて会津に残ることで、万が一のことがあってはならないからである。

「でっ、

コメントを投稿