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久坂と真木保臣を頭

2023-01-16 03:15:09 | 日記

久坂と真木保臣を頭とした山崎天王山部隊、国司信濃と来島又兵衛を頭とした嵯峨・天竜寺部隊、福原越後を頭とした伏見部隊、益田右衛門介を頭とした八幡部隊。

七月頭には述べ二千人近くの軍隊となった。

 

 

新撰組は同じく九条河原に布陣する、会津の一部の部隊と協力して周囲の見回りを担当した。

 

東九条村にある関白九条邸と、富途證券 銭取橋を行ったり来たりする日々である。

 

 

しかし待てど暮らせど進軍命令は来ず、膠着状態が続く。

 

 

 

そうして七月十七日になった頃。

茹だるような真夏の盛りに、隊士達は炎天下でも出動命令を待っていた。

 

 

ついに業を煮やした新撰組は、優柔不断な指揮者である一橋慶喜の態度に怒り、会津藩士と共に宿舎へ乗り込もうとした。

 

しかし、松平容保が介入したためその顔を立てるために引き下がったという。が物悲しく鳴く夕暮れ時。

 

男山の石清水八幡宮では長州軍の最後の軍議が開かれていた。

一橋慶喜より孝明天皇の名の下に、この日までに退去せよと言われていたのである。

つまり、これ以上留まるのであれば戦は避けられないという最終勧告だ。

 

 

「天子様は我らへ退去命令をお下しになられたけぇ、背くべきでは無いと考える。このまま兵を引くべきじゃ」

 

 

重い沈黙を破るように、久坂が堂々とそう発言する。

しかしその声に続いて賛同する者は出なかった。

 

 

「…久坂君、今この機を逃して如何に無念を晴らすというのじゃ。進軍を躊躇うとはが物悲しく鳴く夕暮れ時。

 

男山の石清水八幡宮では長州軍の最後の軍議が開かれていた。

一橋慶喜より孝明天皇の名の下に、この日までに退去せよと言われていたのである。

つまり、これ以上留まるのであれば戦は避けられないという最終勧告だ。

 

 

「天子様は我らへ退去命令をお下しになられたけぇ、背くべきでは無いと考える。このまま兵を引くべきじゃ」

 

 

重い沈黙を破るように、久坂が堂々とそう発言する。

しかしその声に続いて賛同する者は出なかった。

 

 

「…久坂君、今この機を逃して如何に無念を晴らすというのじゃ。進軍を躊躇うとは久坂が陣に戻る頃には、すっかり日が暮れており烏が不気味に鳴く声が山に響いていた。

 

空を見上げれば、橙から藍色へ変化を遂げようとしており、木々がまるで影絵のように映える。

 

 

「久坂…。軍議はどうじゃった」

 

そこへ久坂の心中を唯一知る入江がやってきた。

久坂は篝火の前に座ると、力無く首を横に振る。

 

視界の端に、名も無き一輪の小さな花が目に入った。気付かぬうちに踏んでしまったようで、その花弁は散っている。ると、手のひらに乗せた。

 

 

この花のように、俺らは名も残せぬまま散っていくんじゃろうか。

 

そのように花に自らの姿を投影しては目を細めた。

 

昔から例えられるように、人の命も花と同じく儚いものである。そう分かっていても、やるせなさが込み上げる。

 

 

「そうか…。よう気張ったのう。来島翁は頑固者じゃから。先陣を切って突っ込んで貰えりゃええ」


「…素敵なこと

2023-01-16 03:10:47 | 日記

「…素敵なこと、だと思います」

 

桜花は口角を上げた。そして、消え入りそうなくらいに小さな声でこう呟く。

 

「……私も、botox價錢 出来ることならそういう風に生きてみたい」

 

と。

それは心からの言葉だった。愛した人の背中を追って、そのように潔く生きることが出来たなら、いつかまた会えるだろうか。

 

 

土方にその言葉が聞こえたか、聞こえなかったのかは定かではないが、彼は一際穏やかな表情を浮かべた。

 

「まあ、の思想を通せるということは、それだけ幕府の強制力が落ちてきてるっつう事とも言えるがな」

 

 

それは幕府派の新撰組としてはそれは悪いことなのかも知れない。

 

 

「でもそのお陰で、百姓だった俺らもこうして武士になれたんだ。悪いことばかりじゃねえぜ。幕府や楯突く長州の奴らの行く先は分からねえが、俺らは近藤さんを押し上げるところまで押し上げるまでよ」

 

 

土方はそう言うと、虎視眈々と獲物を狙う獣のような目をしてニッと笑う。

妖しいそれなのに、何処か無邪気な少年のような笑みに桜花はドキリとした。

 

 

「だがな。蚊帳の外から見ているだけじゃあ、見えねェものもある。お前も男なら刀を持って命を張って、その目で見りゃいい」

 

「この目で、ですか」

 

「ああ。さっき翌日、六月二十四日。

新撰組は会津藩より正式な要請を受け、竹田街道を警備すべく鴨川の九条河原へ布陣をすることとなった。

 

竹田街道とは、伏見街道と鳥羽街道の中間にある街道であり、伏見を守るための配置でもある。

 

 

朝より支度を整えた隊士達が前川邸の庭に整列していた。

支度に参加していた桜花は端でそれを見守る。

 

 

「我ら新撰組ッ。会津藩より九条河原へ布陣せよとの命が下った。時が来次第、出陣する!」

 

 

近藤の勇ましい掛け声が響いた。それに応じるように、おう!との声が上がる。

 

 

出陣する隊士の中には、池田屋で重傷を負った藤堂の姿もあった。

額に残る刀傷は痛々しいままである。

 

 

「…どうして平助が出陣出来て、私が駄目なんでしょうね。おかしいですよね」

 

桜花の横に立っていた沖田が口を尖らせた。

その横にいる山南が眉を下げる。

 

「総司、暑気中りを舐めてはいけませんよ。それに時折咳をするじゃないですか」

 

「ええー。過保護すぎるんですよ。私は至ってもう元気です」

 

 

幹部の中では沖田と山南が屯所で留守番となった。

どうしてもそれに納得いかない沖田は抗議の声を上げている。

 

 

「何言ってんだ。屯所の警護も立派な職務だろう。同日。大坂に集っていた長州軍は京都郊外にある山崎へと進軍していた。

 

久坂は長州を代表し、長州藩の罪の回復を願う嘆願書を起草し朝廷に奉上したという。長州藩に同情する他藩士や公卿も多かったが、それを禁裏御守衛総督であるが一蹴した。赦免を受け入れるのであれば、京都守護職らを巻き込んで辞職すると告げたのである。

そこへ薩摩藩代表のも同調し、無かったことになった。

その意見も受け、今更長州を入京させる気のない朝廷は、あくまで長州軍の退去を命じたのだった。

 

 

 

決裂と踏んだ長州軍はそのまま留まり続けることになる。

その後、後続部隊も続々と集まった。


の名をそっと呟いた

2023-01-07 17:11:18 | 日記

の名をそっと呟いた。それだけでも胸の奥が締め付けられるような甘い痛みが走る。

 

 

二日後、もしも奇跡的にこの事態が収拾して桜花に会うことが出来たのなら、自身の想いを告げようと心に決めた。

 

 

何と言ノ葉を紡げばこの気持ちが伝わるのだろうか。富途證券 貴女は笑ってくれるだろうか。

きっと気の利いた事は言えないのだろう。それでも、この想いをしっかりと伝えよう。

 

 

思えば、出会ったあの日から心は囚われていたのかも知れない。

 

 

 

見慣れている筈の落日は、やけに眩しく悲しく輝いて見えた。

壬生の屯所から各々出動し、祇園会所に新撰組一同は集まっていた。

 

「近藤局長。守護職や所司代からの連絡はまだでしょうか」

 

刻は既に会津藩との取り決めをした宵五つを回っており、隊士の間ではざわめきが起こる。

 

「うむ…まだ来ねえな」

 

日が暮れたとは言え、夏の暑さは武装をした身体を徐々に蝕んでいく。

 

「あちぃ…。おい、皆水を飲めよ。暑気中りになるぞ」

 

原田は隊士に向かって水分摂取を促した。

そこへずっと沈黙を決めていた土方が深い溜め息を吐き、顔を上げる。

 

 

「近藤さん、もう俺らだけで動くぞ。いつまでも待っていたら埒が明かねェ。不逞浪士どころか、鼠一匹にすら逃げられちまうぜ」

 

土方の声に近藤は深く頷いた。そして拳を固めると、皆の前に立つ。

 

「これより我ら新撰組だけで動く。しかしあまりにも対象の数が多く、手に余る。そこで当初の決定により、隊を分けて御用改めを行う」

 

 

出動した隊士は合計三十四名と少なかった。そのため、近藤が九名、土方が二十三名を率いることとしたのであった。

 

土方はさらに自隊を二つに分け、合計三つの小隊で出動することにした。

 

 

近藤隊には沖田、永倉、藤堂、武田らが配属。

土方隊には 、斎藤、原田、松原、谷らが配属。

そして土方隊の二つの小隊を、井上と松原がそれぞれ指揮することになった。

 

「俺の隊は鴨川西の木屋町付近を探索、土方隊は鴨川東の縄手通を探索とする。目星はいくつか付けているが、縄手通には余りにも茶屋が多い。骨が折れるとは思うが、神妙に行うようにしてくれ。必ず我らの手で不逞浪士を捕まえる」

 

 

近藤がそう告げると、隊士からは勇ましい返答の声が上がる。

近藤と土方が頷き合うと、それぞれが駆け出した。

 

 

この日は羽織の色は浅葱ではなく、黒色だった。

目立ちすぎて浪士を取り逃すのを恐れたためである。過頃。

屯所では白岩は解毒剤を服用し、やっと動けるようになっていた。

 

「山南総長、やっと腹の調子が良うなりました。まだ時刻としては間に合うと思われますんで、私も探索へ参加して来てもええですか。必ずお役に立って参ります」

 

真剣な表情でそう言えば、山南は暫く考えたが最終的にはその熱意に押される形で許可を出すことにした。

 

「元々貴方は探索部隊に組み込まれていましたしね。良いでしょう」

 

「有難うございます。もし祇園会所に居らんかった場合は何方へ行けばよろしいですか」

 

白岩は探るような視線を山南へ向ける。土方には既に疑われているが、山南であれば情報を引き出せるのでは無いかと考えていた。