彫刻と花

写真は、先日、友人の彫刻家の方の個展にお花をつくって
欲しいとの依頼で、打ち合わせして今日お届けした花。

花の活け方はあくまでも普通。

これといって何も特徴も無い感じですが、
作家さんにとっては、かなり共鳴してもらえるものでした。

作家さんの作品は、木を使った人型のご老人を主につくられ
ていて、コーヒー豆の袋の麻を服に仕立て、着ているのが特徴。

大きさは人よりも大きく、肌は濃い茶。

あるときは古い形の電話をかけていたり、大型カメラをのぞいて
いたりと、まるで作家さんの未来？なのか、祖父？なのか、
大きい背中を丸め、鼻眼鏡をかけ、ゆっくりとした動きを
感じられるのがとても印象的な作品です。

依頼主は、その温かい作品の大ファンで、その世界が大好きで
ぜひ作家さんに喜んで頂けるものを作って欲しいとのことでした。

基本的にはお任せでしたが、印象的な背中を思わせるものとか、
作品に近いものを花で具体化するということは、作家にも失礼だし
依頼主も望んでいないようでしたので、考え、ひとつの答えに
たどり着きました。

依頼主はこの世界に入りたいのだと。

作品に近い素材感のものを土台に無彩色の普通の花束を作品の横に
置かせてもらえたら、依頼主はその作品に花を届けてる気持ちに
なれるのではないだろうか？

「花にはストーリーが大事」と言われるが、

「アレンジにもストーリーが大事」かもしれない。

作家さんは、この作品を見ると同時にわかってくれたし、

「こうやってコラボレーションすることが出来るのだね」と

言ってくれた。

作家の作品、依頼主の気持ちをつなげるのが自分の役目だと
したら、とても良い仕事ができたと思えた。

次につながるのならば、もっと良いけどね（笑）。