本日28日から上海南京間ではT707次・T708次とT717次・T718次の2往復が、日本の新幹線技術で作られたCRHに置き換えられ運行を開始しました。
中国新幹線とは言っても、最高速度は従来の客車列車と同じ160キロですし、ダイヤもそのままなので、今回に限って言えば特急電車の導入といった方が良いかもしれません。先日も書きましたが、この区間の最速列車はT703次・T704次とT705次・T706次ですから、200キロ運転が行われるであろう4月18日のダイヤ改正までは新幹線より客車列車の方が早いという珍現象が続きます。
発車前
今回乗車するT708次は8:44上海発です。大体8時10分頃に改札が始まりました。ホームにはすでに報道陣が入っており、中国人鉄道ファンや普通の乗客も含めて皆興奮した様子で写真を撮っていたりしてました。
左の男性がテレ朝のリポーター 海子鉄路網の面々
予想通りテレビ朝日の取材班を発見。先頭車の前で報道ステーションで見たことありそうなリポーターが
「日本の技術で走る中国の新幹線。まずは最高速度を160キロに抑えて、ゆっくりとしたすべり出しとなります」
というのを4回くらいやってました。
ホームには中国最大のの鉄道ファンサイト「海子鉄路網」の人間が垂れ幕を張って宣伝に明け暮れてました。
車内の様子
列車は8両の基本編成を2つ結げた16両編成です。基本の8両は軟座車6両・軟座ビュッフェ合造車1両・1等軟座車1両からなってます。
自分は日本ではやてに乗ったことが無いので、断言はできませんが、たぶん内装は日本と同じです。軟座は普通車、1等軟座はグリーン車と同じ座椅子だと思います。もちろん回転リクライニングシートです。
1等軟座
軟座
トイレも日本と同じ。おそらく中国では初めてではないかと思われる男子小便用トイレがありました。
軟座(上海南京間72元)と1等軟座(同86元)のみの編成なので、乗客のモラルも高く車内はとても静か。全車全面禁煙でタバコの煙が吹き込むこともありません。2日前に長距離列車の硬座に乗った身にとっては天国でした。
洋式トイレ(車椅子対応) 現在CRHで運行されている列車時刻表
唯一の途中停車駅常州を発車後、隣の1等軟座に乗っていたテレ朝の取材班が乗客インタビューに登場。が、日本人という理由でスルーされた。せっかくインタビューに備えて中国鉄路のうんちく話を20分分くらい用意していたのに、まったくテレビ朝日も度量が狭いですな。
南京には約10分早着しました。これは新幹線効果というより、もともと日常茶飯事だったんでしょう。停車駅一つで乗降に時間がかかるというタイムロスが少ないですから。
南京到了
南京駅には「東方車迷網」という中国鉄道ファンサイトの面々が垂れ幕を下げて盛り上がってました。
盛り上がる中国の鉄道ファン CRHと緑皮車、時代を超えた異色コラボ
これからのCRH
とりあえずは4月18日の第6次高速化に伴うダイ改までは160キロにて運行されますが、それ以降は1部区間で200~250キロの運行が行われます。
あまり中国の鉄道事情を知らない人の中には、200キロなんて中国で出したら絶対に事故が起こると危惧している人がいますが、実は中国にはすでに何年も前から200キロ運転を行っている場所があります。広東省広州と深センを結ぶ広深鉄路です。この区間は貨客分離が成された結果、ICEのコピー「藍箭」とスウェーデンから給与されたX2000が200キロ、国産の客車列車が160キロで運行されています。(X2000は最近160キロにスピードダウンしました)
ようは貨客分離が成され、ついでに低速の鈍行列車も分離できれば良いわけです。だから単純に複々線化するだけでも200キロ運転は朝飯前なのですが、その発想が鉄道部に無いみたいなので、どうなるのか?鉄道部曰く「貨物を幹線から迂回させる。普客の一部廃止」などをするようですが、高速運行の妨げになる(160キロでもやはり先行列車待ちでの減速は多いです)低速列車をどれだけ減らせるかがポイントでしょう。
ちなみに上海地区は日本のCRHが主力ですが、広州ではカナダのボンバルディア製が主力だそうです。(上海にもボンバルディア製はあります)