douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

愛をこめて

2005-01-27 | 雑記
昨日、BS2で「少女マンガ!〜作者が語る名作の秘密〜」というのをやっていた。
3回シリーズで私が見たのは「エロイカより愛をこめて」青池保子編。
青池保子は大好きな漫画家の一人。
私は70年代の漫画が好きで、青池保子のほか、萩尾望都や山岸涼子、
池田理代子、木原敏江、坂田靖子とか好きだ。
もちろん今でも現役の方々ばかり。

番組は青池保子の半生、
人気マンガ「エロイカより愛をこめて」が生まれた背景、
「エロイカより愛をこめて」の制作の裏、
などが本人のインタビューも交えて構成されていた。

「エロイカより愛をこめて」はなんと説明したら良いんだろう。
ハードなスパイアクションに絢爛豪華な美術品泥棒を足した
抱腹絶倒のコメディーとでも言おうか。とにかく面白い!
NATOの情報部に所属するサド目の黒髪(ここ重要)の「鉄のクラウス」ことエーベルバッハ少佐が
任務遂行(国際的な諜報活動)をしようすると
必ず決まって、美しいものを手に入れる為に美術品を盗み出そうとする金髪巻き毛のエロイカことドリアン伯爵に邪魔をされてしまう。
少佐は伯爵を嫌いながらも(伯爵は少佐が好きなのに)、
なんとなく二人が協力したような形で事件が解決する。

東西冷戦当時の国際情勢を巧みにエンタテインメントにしている。
またスパイ活動と美術品が本当にうまく絡み合った緻密なストーリー展開だし、
各国の情報部のエージェントたちがそれぞれお国柄や文化の特色が
ものすごくうまく描きわけられているのだ。
冷戦終結後、休載していたが、また再開され現在の国際情勢を描かれている。

番組中のインタビューで99%の真実と1%の嘘とおっしゃっていたが、
本当に国際情勢などにリアリティがある。
だからこそエンタテインメントの部分がおもしろい。
こんなストーリーを「机の前でもんもんと考えていたら思い付く」
とさらっとおっしゃっていた。本当に凄い人だ。
一つの作品を描くのに膨大な資料を集めるらしい。
その膨大な真実の資料に、1%の大嘘を加えて、「エロイカより愛をこめて」ができる。

私はこのマンガでドイツ(少佐の母国)が好きになり、
NATOが北大西洋条約機構だということを覚え、
ロシアの情報機関がKGB、アメリカがCIA、イギリスがSISということを覚え、
フェルメール(17世紀オランダの画家)を知り、クラナッハ(16世紀ドイツの画家)を知ったのだった。

最近は、ますますキャラのガタイが良くなってきて、
少佐も含めておっさん度が上がってきたような気がするけど、
もはやおっさんしか登場していないような気もするけど、
それもオッケー。
もうすぐ新刊がでるらしく楽しみだー。

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