douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

ピピロッティ リスト:からから その4

2008-02-26 | 美術
さすがに長くなり過ぎました。

「あなたの宇宙カプセル」
美術作品を輸送する時に使う箱の中にドールハウスのような部屋と宇宙が作られている。
上から覗き込む。小さいと何だかすべて可愛く見える。
大切に守られてこの小さな日常が世界中を移動しているのかな。

「あなたに大賛成」
女性がこっちをずっと見続けたままバスに乗りスーパーに行き、部屋に帰る。
そんな彼女の額のあたりには、森の中で全裸ではしゃぐ男女の映像が映っている。
すごく都会的な女性と、原始的な森にいる男女。この対比がすごく不思議。
自然に帰れという単純なメッセージでもないだろうし。

「エヴァー イズ オーヴァー オール」
可愛らしい水色のワンピースを着た女性が、楽しそうに花を持って歩いている。
そして駐車している車のガラスを、手にした花のハンマーで叩き割っていく。
彼女に微笑みながら挨拶する警官も女性だ。
この可愛らしさと暴力的なところのギャップが良い。
何だか解放感がある。怒りに任せた破壊衝動じゃなくって、笑顔で破壊。
フェミニズムとかジェンダーとかは言いたくない。

「隠れたサーキット」
トイレにある作品。
便器の中にカメラが仕込んであって、その映像がモニタされる。
つまり、排泄の様子を自分で見ることができるって仕掛けなわけ。
とりあえず、入ってみたものの、する気になれず・・・
悩んだけれど、トイレを占拠するわけにもいかないし。
結局、そのまま出てしまった。
金沢でもトイレにリストの作品があった。
毎日何気なく入るけど、実は生きているってことを実感する場所でもあるな。

全部見終わって、美術館を出た時には、
生きていることを悪くないなって思える。
否定するのは簡単で、肯定するのは難しい。
だけど、うまく肯定できたらきっと面白いし楽しい。

これで終わりです。

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