廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

ハードボイルド時代劇 『筆殺仕立人』 第八話:序

2008-06-26 22:22:22 | Weblog
面白き 事も無き世を 面白く

格差、格差の野球界

熱き戦い仕立て上げ

闇の世界の仕立人

今宵も広島を駆ける...

                 

 一年前... 私は『ワールド・ビジネス・サテライト』(テレビ東京系・BSジャパン)を何気なく見ていて一人の女性アナウンサー”京子さん”に心を奪われた。 私はパソコンと携帯のテレビ東京サイトに行って彼女の情報を探したり、待ち受けダウンロードサービスを利用して携帯の待ち受け画面を彼女の写真にしたりした。 そんな時、写真週刊誌が彼女に恋人が居ると報じた。 その男はジャイアンツの投手だった。 私はその男・林(呼び捨て...)から彼女を奪おうと昨シーズンの間、謀略の限りを尽くしたのだが今年に入って二人が結婚したと発表があり、そして彼女は林のサポートに徹する為にテレビ局を辞めてしまい、私は彼女を失った上にテレビで見る事すら出来なくなってしまったのだ...


 6月の末... 梅雨入りした広島地域だが、相変わらず梅雨入り宣言後に雨はあまり降っていない。 今まで雨天中止が少なく、天気に恵まれて来たカープだが、先週の試合も直前まで雨が降るなど天気の影響を受ける様になって来た。 球団事務所か営業部の照る照る坊主のご利益もついに尽きようとしているのだろうか。 市民球場最後のシーズンだけに最後まで天気に恵まれて欲しいものですが、新球場は雨に強い造りにして観客を守って欲しいですけどね。 週末の天気予報が気になるが、ジャイアンツとの戦いに備えて”エリカ様”も再び広島入りした。

「今日は蒸し暑いね。」

「今週は雨が降る様で降らない中途半端な天気ですからね、湿気が多いですよ。」

「平和公園には相変わらず修学旅行生の姿がありますけど、雨が降ったら大変ですよね。 旅行のプランを考える時に当日の天気は予想できませんからね。」

「そうだね、特に傘が邪魔になるよね。」

「本当ですね。 私が昔、東京に旅行した時に天気予報が向こうはずっと雨だって言うから普通の傘を持って行ったら全然降らなくて。 長い傘はコインロッカーにも入らなくて雨も降らないのに傘を持ち歩いて格好悪かったですよ。」

「今週の試合も雨に祟られそうですよ、でも私は地元だからいいけど旅行で広島に来て野球を見るのを楽しみにしていた人には気の毒ですね。」

                  

グッドウィル廃業 「日雇い」規制強化へ 禁止範囲焦点に(産経新聞) - goo ニュース

 私が二十代の頃、親や親類、職場の先輩とかにちゃんとした”人生設計”を立てなさいとよく言われたものですが、私と違って学校を卒業した時には既にバブル崩壊後の不況の中にあって正社員になれず今、日雇いで食い繋いでいる人達に”人生設計”なんて言葉はとても言えないですよ。 私だって真面目に考えた事は無かったですけど、例えば結婚して子供が出来て...家を何十年かのローンで買って子供を大学まで行かせればいくら掛かるとか、日雇い派遣生活でその日その日を生きるのに精一杯の人には考える事すら出来ませんよ。 秋葉原での事件をきっかけに日雇い派遣が問題になっていますけど、日雇い派遣だって”需要”があるからこそ規制緩和で増えたのですからね。 その大元の部分をどうにかして変えないと、記事にある通り形を変えて今の雇用状況は残りますよ。

 私は”会社”と言う言葉を避けて極力”企業”という言葉を使っていますけど、若者を使い捨てにして明日をも知れない身分にしておきながら少子高齢化だの人口減少だのと嘆いている企業や無能な経営者には腹が立ちますよ。 反社会的という言葉がありますが、今の会社とは”社会”を逆さまにした言葉じゃないかと思いますよ。 社会の為に貢献すると言う志も忘れ、ただ自分達の利益の為だけに活動しているかの様に思えて...

「グッドウィル、潰れたんだね。 一年前くらいまではテレビでCMを一杯流していたのにそれがもう世の中から消えて無くなるなんて...」

「昔のライブドアしかり、NOVAしかり急成長してテレビでCMをバンバン流した”会社”って何故かみんなこうなりましたね。」

「もちろん偶然では無いんでしょうけど。」

「駿ちゃん、タレント事務所もガードマンの会社もみんな人を”派遣”している事になるんだよね?」

「ええ、そうです。 ”プロの労働者を派遣”する事自体は何もおかしい事はありませんよ。」

「何故かテレビも新聞も言わないけど、私は派遣を上手く使えば少子化対策にも役立つと思いますよ。」

「だって代わりの人が居なくて同僚のみんなに迷惑が掛かるから男性の育児休暇がなかなか取れないんでしょう。 だったら育児休暇を取っている間、忙しい時期だけでも派遣の人を助っ人として入れれば済むし、その位の負担をしたってバチは当たらないと思いますけどね。」

「どうしてこんなにおかしな世の中になったんだろうね。」

「誰かがこの悪循環を断ち切らないといけないと思いますよ。」

 平和公園を出て、私は”エリカ様”を広島駅近くの宿泊先のホテル前まで送った後、いつも通り自分は一旦JRにに乗ってとりあえず家に引き上げた。

                  

「駿ちゃん、仕立だよ! いつもの場所に来てちょうだい。」

 携帯に”エリカ様”から連絡が入った。 私は早速広島市内の『横川胡子神社』へと向かった。 今回も”エリカ様”はいつも通り神社の縁石にお金と試合のチケットを並べた...

「これが頼み料です。」

「今回の頼み人は市民球場最後の年にプレーオフ進出を願う多くのカープファン。」

「やる相手はジャイアンツ、監督の原、四番打者のラミレス、外野手の高橋、清水、内野手の小笠原、捕手の阿部。」

「じゃあ、頼むよ。」

「はいっ! ”エリカ様”。」

「ところで、天気予報は試合の日は大雨だって言ってるよ。」

「そうですね、中止になるかも知れませんよね。 その時は素直にチケットを払い戻してせっかくだから映画でも見て帰りますよ。」

「映画...か。」

「どうかされました? ”エリカ様”。」

「いや、何でもないよ。 こっちの話。」

                   

 私は『横川胡子神社』を出て市民球場に向かう。 予想はしていたけど今回のターゲットに林の名前は無かった。 ...当たり前か、”エリカ様”ほどのお方があんな”小物”を相手になさるはずが無いですし。 でもやっぱり私は林と対決して失った恋の本当の決着を付けたい。 私闘を禁じる仕立人の掟に背き、私はそれでも林と戦います。 ”エリカ様”、申し訳ありません...

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 ...異常です。
コメント
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