廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

ハードボイルド時代劇 『筆殺仕立人』 第六話:序

2008-06-05 22:22:22 | Weblog
面白き事も無き世を面白く

格差、格差の野球界

熱き戦い仕立て上げ

闇の世界の仕立人

今宵も広島を駆ける...

                 

 6月に入った。 日本各地で梅雨入り宣言が出されている中、何故か広島地域はまだ梅雨入りしていない。 ここのところ天気が悪いし、実質上は梅雨入りしていると思うのだが... 広島の街では夏の始まりを告げる浴衣祭りの『とうかさん』で賑わいを見せている。 梅雨の時期と重なるのでこの祭りはいつも雨がつきものなのだが天気予報では週明けまでかろうじて雨は降らないらしい。 カープの球団事務所には余程すごい照る照る坊主が居るのだろうか、ここ2・3年集客の期待出来る試合が流れた記憶が無いぞ。 私はホークスとの戦いに備えて広島入りした”エリカ様”を広島東照宮へと案内した...


「ここが広島東照宮なんだ、思っていたより小さいんだね。」

「そりゃあ日光東照宮と比べたら小さいですよ、あっちは”本家”なんですし。」

「広島東照宮は広島城主の浅野家に徳川将軍家の姫様が正室として嫁いで来たのが縁で広島城から見て鬼門に当たるこの双葉山に...」

「駿ちゃん、その話はもういいから...ってこんな話を初めて会った時に広島城でしたんだったね。」

「この神社の前って何で更地になっているの?」

「元はJRの施設があったみたいですよ、私もあまり来た事が無くて記憶が曖昧なんですが。」

「...で、ここには今度何が出来るの?」

「まだ決まっていなかったと思います。 確かこの東照宮の景観を生かして公園みたいな場所にしたいと誰かが言っていたと。」

「景観って言ってもね... この神社の上に建っているマンションとか、何とかならないのかな。」

「山の中腹とかに建っているマンションとかって格好悪いよね、中なら見たら景色がいいかも知れないけど。」

「日本ももっと外国みたいに景観を大事にする国になって欲しいよね。」

                  

16年夏季五輪、東京が1次選考通過へ…来年10月最終投票(読売新聞) - goo ニュース

 とりあえず第一関門突破と言ったところでしょうね。 現時点での評価は立候補都市の中で最も高かったらしいですけど、テレビや新聞が言っている通り現時点で最も有力なのはアメリカのシカゴでしょうね。 アメリカ大陸ではしばらく夏のオリンピックをやっていないですし、オリンピックのスポンサーになっている企業にもアメリカが多いですし。 東京がこれらのライバルを押し退けてオリンピック招致に成功するには都民や国民の理解を得て支持してもらう事が必要になります。 テレビのニュースでインタビューされていた都民の人達も、もっと違う事に税金を使ってくれと言っていましたし...

 石原都知事は東京オリンピックの夢をもう一度都民、それに国民に見てもらいたいと言っていたと記憶していますが、私は日本が敗戦後の焼け跡から先進国へと成長していたあの時代の夢をもう一度見るのは無理だと思います。 大人の背が子供みたいに伸びる事が無いのと同じで、先進国となった日本にもう一度高度成長期が来るとは思えません。 だから私は違う成長、文化面で欧米に追い付く事を目指すべきだと思いますし、その為には”東京には本物の野球場もサッカー場も無い”現状を変えるべきだと思います。 アメリカの主要都市には大リーグの使う素晴らしい、世界に誇る野球場がありますし、ヨーロッパの主要都市には世界に誇れるサッカー場がどこにもあります。 何でも揃っているはずの東京ですが、本物のスポーツ施設だけはありませんし、アメリカやヨーロッパの人に自信と誇りを持って東京を紹介する事も出来ないのですから...

「駿ちゃん、東京でオリンピックをやるのって難しいの?」

「そうは思わないのですが... オリンピック招致を熱心に進めている人が本質的な意味でスポーツに関心を持っているのかが何とも言えなくて。 ただ世界的なイベントだからやりたいみたいに思えて...」

「私はその東京オリンピックは生まれるずっと前だから全然知らないし、だからそれがどんなにすごい事なのか全然分からないんだけど... でもオリンピックをやったら世界中から人が集まって来るんでしょう? だったら東京でオリンピックやって世界中の人に私の大好きな東京がこんなにいい街だって事を見てもらいたい。 みんな東京が好きだから日本中から集まって来ているんでしょう? 何で東京でオリンピックやるのがそんなに嫌なのか分からないよ。」

「私だって”エリカ様”には遠く及ばないかも知れませんけど東京が好きですよ。 何度も行っていますし。 招致を成功する為にも上の人間がもっとスポーツに関心を持って欲しいですよ。」


 広島東照宮をを出てすぐに広島駅だ。 私は”エリカ様”を駅近くの宿泊先のホテル前まで送った後、とりあえず家に引き上げた。

                  

「駿ちゃん、仕立だよ! いつもの場所に来てちょうだい。」

 携帯に”エリカ様”から連絡が入った。 私は早速広島市内の『横川胡子神社』へと向かった。 梅雨時ではあるが雨が降っていなくて助かった。 ”エリカ様”はいつも通り神社の縁石にお金と今回の試合のチケットを並べた...

「これが頼み料です。」

「今回の頼み人は市民球場最後の年にプレーオフ進出を願う多くのカープファン。」

「やる相手はホークス、監督の王、外野手の柴原、内野手の小久保、松中、川崎、松田。」

「じゃあ、頼むよ。」

「はいっ! ”エリカ様”。」

                   

 私は『横川胡子神社』を出て市民球場に向かう。 私にとって野球場に観戦に行く事の原点は王さんだ。 まだ小学校の頃、懸賞に当たった無料招待で母に連れられて行ったのがジャイアンツ戦で、当時の私が知っていた数少ない選手の一人が現役時代の王選手、その一本足打法を初めて生で見て感動し、母に「本当に足を上げて打つんだね!」と言った事を今でも覚えています。 引退後、監督になってからの王さんにもいつも注目していましたし、博多に行ってホークスの監督として優勝に導いたのを見た時は嬉しかったし、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督を引き受け、困難を乗り越えて優勝し日本野球に誇りを与えてくれました。 尊敬する王監督ですが、敵として戦う以上は全力で立ち向かいます。


 ...異常です。
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