ジロ・デ・イタリアの第2ステージは誰もが予想した通り、タディ・ポガチャルがオロパの頂上ゴールを征しました。オロパの麓でのパンクからの落車にはヒヤリとさせられましたが、バイク交換のロスも何のその、早々に集団に復帰すると、UAEがコントロールする先頭グループで淡々と登り、残り6.5kmで160km近く逃げて来た、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)を吸収、残り4.5kmでポガチャルが一発でアタックを決め、後続とのタイム差を30秒程度に保ちながらゴール。これが、彼のジロ初勝利で初マリア・ローザになりました。
最終的には2位のダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)と3位のゲラント・トーマスに27秒差を付け、総合で2位のゲラント・トーマスに45秒のアドバンテージを得る事になりました。ただ、一発のアタックが決まり、淡々と登ったポガチャルですが、どうも万全の状態ではないのではないかと感じています。昨日のゴールスプリントもそうでしたが、少しピーキングをずらして来ている気がします。
今日からは平坦ステージが続くので、どこかでマリア・ローザを手放す可能性もあり、ピークを山岳ステージが続く最終週に持って来ている可能性があるようです。第2ステージを観てもライバル不在で、マリア・ローザを着るイネオスが先頭を引くと、逃げ集団との差が開くという事態をみても、ボーラ・ハンスグローエがほとんど集団を引いていなかったことをみても、ポガチャル一強に他の有力チームの諦め感も感じてしまいます。
今回のジロはむしろ一発勝負に出るチームが逃げてステージを取ってしまうことが多くなるような気がしています。今日はEFエデュケーション・イージーポストのアンドレア・ピッコロの走りが印象に残りました。若干23歳のイタリア人で、cannondaleのSupersix EVOでのこの日の走りは、下位モデルとはいえ、同じフレームのバイクを所有する身としては嬉しい限りでした。
最近のレースではポガチャルのCOLNAGO、ファンデルプールのCYANIONの露出度が高く、EFが使用するcannondaleのSupersix EVOが画面に映るケースが激減していたので、彼が160km近くを逃げることで、久しぶりにこの長い距離のレースを堪能することが出来ました。
ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスというレースは季節的にも風景的にも見どころ満載です。深まる緑の中を色とりどりのジャージのプロトンが駆け抜けていくのは美しい。円安の影響で海外旅行が益々難しくなる昨今、風光明媚なイタリア観光をバーチャルで3週間楽しめるのです。
さあ、ジロも3日目になり、ここからしばらくはスプリンター向けのステージになりますが、今年は逃げる選手にも期待しています。UAEがマリア・ローザを獲得していますが、それを維持するために、平坦ステージで積極的にレースコントロールをするとは思えません。ただ、極端な大逃げだけは避けたいところではあります。ポガチャルもチームのことを考えれば、マリア・ローザに拘らないはずです。
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