UCIのプロツアーではTCRをメインバイクにしているチームはありません。近年のエアロ化の流れの中で、GIANTはレース仕様としてPROPELを開発しています。一方、cannondaleはエアロロードの開発で後手を踏んでいるのです。CannondaleはTT用のエアロバイクとして2018年にSystemsixを開発しましたが、GIANTが当時としては群を抜いたエアロフォルムを持つ第1世代のPROPELでエアロロード界に殴り込みをかけたのは2013年のことなのです。
GIANTはPROPELを進化させ、今は第5世代がUCIのプロツアーで活躍しています。一方のcannondaleはTT用としてSystemsixを残しながら、第3世代のSupersix EVOを空力性能の高いSystemsixへ近づけるという進化の道を選びました。
従って第4世代のSupersix EVOと第10世代のTCRを同列に比較することには無理があるのです。それは今回のTCRはSpecializedのAETHOSやCERVELOのR5という登坂に特化した軽量バイクに似たような雰囲気があるからです。
CERVELOがツール・ド・フランス連覇にエアロロードのS5をメインに頂上ゴールの山岳ステージではR5を使っていたのが印象的です。山頂ゴールでなければ、下りでのエアロ効果が大きいため、選手の好みによっては山岳ステージでもS5を使用する選手もいるでしょう。Cannondaleの最上位モデルのLAB71完成車重量は6.8kgなので、EFエデュケーションは山頂ゴールでもこのバイクを使っていました。GIANTの最上級モデルTCR ADVANCED SL 0の完成車重量は6.4kgと且つてのSupersix EVOのようにプロがレースで使うには重りを入れる必要が出てきてしまうのです。
第4世代のSupersix EVOと性能で比較するなら、GIANTの製品はPROPELということになるはずです。PROPELの最下級モデルADVANCED 2の価格は418,000円ですので詳細は以下の通りです。
・シマノ 105 機械式:130,106円
・GIANT P-A2 DISC WheelSet 24H:23,000円
・GIANT GAVIA COURSE 1 700x25C:12,000円
・GIANT CONTACT SL AERO:16,500円
・GIANT CONTACT SL AERO:14,300円
・GIANT APPROACH:11,000円
・フレームセット 234,094円
PROPEL ADVANCED PROのフレームセットは330,000円ですから、完成車は割安なのですが、PROPEL ADVANCED 2のフレーム価格は第4世代のSupersix EVOより高くなるという結果になりました。
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