CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

攀じ登る(1)

2024-08-24 13:09:44 | スポーツ
 「攀じ登る」の「攀じる」とは「物に登るのに取りすがるように動く」ことです。「捩る」も同じく「よじる」と読みますが、こちらは「ねじってまげる」という意味で力強さが大きく違います。
 この「攀じる力」について『文春オンライン』で面白い記事『身長154cm、スタートに届かず“不公平”という声も…スポーツクライミング・森秋彩(20)が4年後さらに注目されるワケ』を見つけました。パリオリンピックのスピードクライミングで注目された森秋彩選手に関するものです。その記事によると森選手の「クライミングの特長は、攀(よ)じる強さにある」というのです。森選手の持久力の高さは知っていましたが、「攀じる強さ」という言葉は新鮮でした。

 ボルダー種目では苦戦しながらも、リード種目であのヤンヤ・ガンブレットをも圧倒したクライムはまさにこの「攀じる強さ」にあったと知り、胸がすく思いがしました。まさに壁に「取りすがるように」登る彼女の姿にはまさにこの「攀じる」という言葉がピッタリはまったのです。
 「よじ登る」という言葉は良く耳にしますが、どこか苦痛を伴う語感がありました。どちらかというと「根性論」を想起させるものでしたが、この記事を読み、森選手のあのリードを思い出すと、本来の「攀じ登る」というのはこういうことなのかと思ってしまいます。

 「『ボルダーのほうがリードよりも好き』という森が、リードで好成績を残しているのは、この特長を生かしやすい種目だからだ。」そうです。小学生の頃から森選手を知る筆者は「この攀じる能力や持久力が高まった背景には、森のこどもの頃からのクライミングの楽しみ方にあったように思う。」と書いています。本当にクライミングが好きなのだろうというのは、競技後、悔しそうに壁面を見上げていた森選手の姿にも感じていました。負けた悔しさより、完登出来なかった悔しさを感じたからでした。

 「森は課題を登るのではなく、上へ下へ右へ左へとクライミングウォールから降りることなく自在に動き回っていた」のだそうです。一度登り始めたらなかなか降りてこないのも有名だったようです。森選手の攀じる力と持久力はこうして養われていったのでしょう。単に力があるだけでは難しいのは「取りすがるように動く」身体の使い方が必要だからです。
 




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