
昨年のツール・ド・フランス前にはビッグ4と呼ばれたメンバーが相次いで落車に見舞われていります。昨年末のトレーニング中に郵便車のドアに激突したレムコ・エヴェネプールはトレーニングを再開しているようですが、今年に入りストラーデビアンケではポガチャルが、そして目下開催中のパリ~ニースではヨナス・ヴィンゲゴーが落車によりリタイヤをしているのです。

ポガチャルは既にトレーニングをしている様子がインスタグラムに上がっていましたので、来週に控えるミラノ~サンレモを欠場することはないと思います。一方、パリ~ニースで落車に見舞われたヴィンゲゴーは骨折はないようですが、左手を負傷しています。出血をしながらもストラーデビアンケを勝ったポガチャルに対し、大事を取ってリタイヤしたヴィンゲゴー、最終的にはどちらに女神がほほ笑むのでしょう。

ヴィンゲゴーは昨年も落車で大怪我をして、ぶっつけでツールを走ることになりました。どんなに偉大なライダーでもピークを過ぎると落車が多くなる傾向があります。おそらく、ピーク時には維持出来ていた集中力が途切れがちになることが要因だと考えています。

26歳のポガチャルはともかく、1996年生まれのヴィンゲゴーは28歳なので、落車が増えていることを考えるとピークは過ぎつつあるのではと勘繰りたくなります。今年からヴィンゲゴーは150㎜というショートクランクを使ってTTを圧勝しているのですが、パリ~ニースでは1級山岳の登りで残り50mでUAEのアルメイダに逆転され、その翌日に落車しているのが気がかりです。
レムコ・エヴェネプールに関してはまだレースで走っていないので何ともいえませんが、まだ若いのでおそらく復帰してくるのは時間の問題でしょう。ただ、レムコも怪我の多い選手なので、今回の怪我がどのように影響するのかは不明です。

ビッグ4で落車がないのはログリッジだけなのですが、どうにも調子が上がっていないのが気がかりです。今年はジロを走ると言われていますが、好調のアユソを相手にどこまで戦えるのかは分かりません。

ポガチャルの怪我がどの程度のものだったのかは分かりませんが、インスタの映像を見る限り感染症等は回避できたのでしょう。打撲と擦過傷だけならツールは問題ないでしょう。問題は来週のミラノ~サンレモに勝てるのかということとパリ~ルーベを走るのかどうかです。
昨年、トリプルクラウンを達成した時に「ポガチャル1強時代の到来」を予感したのですが、今年も落車しながらもストラーデビアンケを圧勝し、怪物振りを見せつけています。まさに怪物ポガチャル1強時代の到来かもしれません。