ツール・ド・フランス2010の第12ステージはブール・ド・ペアージュからマンドまでの210.5kmで行われゴール手前の激坂でアタックしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)との一騎打ちを制し、初出場のツールでステージ初優勝を挙げました。
私が予想していたようにこのステージでヴィノクロフが動きました。積極的に逃げに乗り、プロトンをコントロールするサクソバンクにプレッシャーと仕事をさせることに成功したのです。その結果、サクソバンクのアシストはピレネーを前に疲弊し、マイヨジョーヌのアンディもコンタドールのアタックに反応できず、10秒というタイム差をコンタドールに与えてしまいました。
わずか10秒、されど10秒というのがツールでの鉄則ではありますが、ピレネーを前に王者が目の色を変えなければならないほどのタイム差ではありません。個人的にはこの日はステージ優勝をヴィノクロフに譲るべきだったのではないかと思っています。それがここまでの、そしてこれからのヴィノクロフの働きに対する見返りになるはずでした・・・ この春UCIランキングの1位になったこともあるホアキン・ロドリゲスですからゴール前のスプリント力を考えればコンタドールがこのステージで勝てる保障はありませんでしたから、ロドリゲスを引き連れて逃げるヴィノクロフを捕まえる必要はなかったのではと考えています。ヴィノクロフとのタイム差はわずか4秒でしたから、コンタドールがロドリゲスをマークし抑えに徹していれば、アスタナはステージ優勝を確実なものとしていたに違いありません。
この辺りにコンタドールにはまだ真の王者としては欠けるものがあるような気がしてなりません。昨日の走りを見る限りコンタドールの調子は徐々に上向きになって来ているようです。今のコンタドールはアンディが怖いと思ってなどいないはずです。昨年同様最大の敵はチーム内にいるのです。チーム力が落ちるアスタナにおいてヴィノクロフが唯一真のアシスト足りうる選手です。その彼に気分良く働いてもらうことは、コンタドールの勝利を大きく左右することになりかねないのです。
ランスがコンタドールを徹底的に嫌っているのは彼のそうした配慮のなさではないかと最近になって思うようになりました。コメント上ではヴィノクロフを称えながら、実際に彼がやったことはヴィノクロフのステージ優勝の目を摘んでしまっただけではなかったでしょうか?コンタドールがステージ優勝していれば流れは変わっていたかもしれませんが、このステージの結果を受けてアスタナのチーム内のモチベーションが一機に下がってしまうこともあるかもしれないと見ています。
ほとんどの人は第2ステージでヴィノクロフがコンタドールに付けた40秒という差が問題と見ているようですが、これは第8ステージのアンディに付けられた10秒と同様コンタドールの力不足の結果です。これが1分・2分というタイム差がつくステージならあのアタックは当然でしょうが、10秒程度のタイム差ならチームメイトの勝利に貢献する動きが必要だったと私は考えています。もし、あそでロドリゲスのマークに徹しヴィノクロフの勝利に貢献するこころのゆとりがコンタドールにはないのです。
ランスにしてみればそこがチームを軽視していると見えたのでしょう。総合優勝の芽は消えたランスですが、こんなコンタドールを遠目でみながら、腹の底で笑っているのかもしれません。同様の経験をランスもツール7連覇の間に幾度も経験して来たにちがいありません。だからこそコンタドールが許せないのでしょう。ピレネーを前にアスタナのチーム内で不協和音が起きると、コンタドールの連覇は難しくなるかもしれません。
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