「肉小説集」/坂木 司(KADOKAWA)
【肉小説集(2015/2/6読了)】
豚足×会社を辞めて武闘派として生きる元サラリーマン。
ロースカツ×結婚の許しを得るべくお父さんに挑むデザイナー。
角煮×母親に嫌気がさし、憧れの家庭を妄想する中学生。
ポークカレー×加齢による衰えを感じはじめた中年会社員。
豚ヒレ肉のトマトソース煮込みピザ風×片思いの彼女に
猛アタックを試みる大学生。
生ハム×同じ塾に通う女の子が気になる偏食小学生。
肉×男で駄目な味。
今までとちょっと違った坂木さんの切り口の小説でしたが、
坂木さんが肉を買いに肉屋さんに行ったとき、
豚の部位の写真を見てこの小説を書いてみようと思ったそうです
特に中年会社員のくだりと、
ハムに拘る小学生に哀愁と寂寞の思いあり(笑)
小学生の頃、放課後珠算に行く前に肉屋さんに寄り、
どうやったらこんなに薄く切れるのだと思うほど、
ペラペラに切って揚げられたハムカツの味は今でも
忘れられないし、中学生の頃に初めて食べた生ハムは、
擦り傷で血を舐めたときの血の味にソックリ(笑)
それぞれに、姿形は違うのだけど、
どこか人物描写の根底とそのキャラクターに、
ホリデーシリーズの面々の影が見え隠れしたりして(笑)
装丁を見て、馬の部位も思い出しちゃいましたよ
「馬んざい」
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